静かな様相のFA市場
現地2026年11月7日、FA市場はさながら様子見という具合でタリク・スクーバル、佐藤輝明選手など注目選手がいる中、非常に静かなスタートとなっています。
2026年12月1日に現行の2022-26のCBAが失効期限を迎える中、FA解禁日(11/2)から怒涛のごとくディールが決まるか?と思われたのですが、新CBA後のサラリー・キャップ、フロアーを想定しての動きなのか、非常に穏やかな市場となっています。

2026年のポストシーズンも効いたか?
これには2026年のワールドシリーズに進出したブルワーズとレイズのサラリー総額も関係しているかもわかりません。この両クラブはそれぞれ贅沢税上のサラリー総額がMLB19位、24位でいずれも$110M台。それでいてあの強さで素晴らしいゲームを展開。

- ブルワーズ:$125.7M(MLB 19位)
- レイズ:$116.6M(MLB 24位)
これまでのポストシーズンは高額サラリーの選手がポストシーズンならではのスーパー・パワーを発揮し、さすが大きく投資しただけのことはある!と感心させられるケースが多かったのですが、今季はまるで違いましたね。ブルワーズ、レイズともにクラブの主力はほぼ調停資格以下。ゆえにサラリーも上述のように少ないのですが、ただ、両クラブともに育成と再生が非常にうまいという特徴があることも事実です。
そういったことも踏まえ、贅沢税上のサラリーが閾値を超過しているドジャース、メッツ・・・などは投資戦略を見直している動きもあるのではないか?とも思います。
また、今ポストシーズンは大谷選手がもし本調子なら?・・・つまり大きく投資した選手が実力通りに力を発揮出来ていれば、また違った結果になったかもわかりません。大谷選手の7月以降の怪我は未だに不思議な気がして仕方ないのですが、そういった本来の力も含めて投資効果は考えているとは思います。
静かな時ほど裏では
なお筆者はこれは水面下では非常に激しい攻防が行われている最中と見ており、週明けの11/9-10のGMミーティング後にドバドバっと動きが出てくるのでは?と思っております。
そして一旦動いて、しかも割と今オフのキープレーヤーのディールが決まりだせば、このサイトも追いつかないくらいに決まり始めると思っています。
タイ・フランスに複数が関心
そんな中、実は密か人気を集めているのが、パドレスからFAとなったタイ・フランス(Ty France)。すでに複数のクラブがこの2027年に32歳となるベテラン内野手(INF)に関心を示しており、早々に契約がまとまる可能性があると報じられています。
2026年にキャリア・ハイをマークしたタイ・フランス
主力の不調を支える(春先)
最終的にはドジャースにゲーム差9.0をつけられ、2位に甘んじたパドレスですが、シーズン開始直後はマニー・マチャードとフェルナンド・タティス・Jr.が絶不調で、さらにルーキー時代からコンスタントに素晴らしい成績を叩き出し続けてきたジャクソン・メリルまでも不調。
そんなまるで沈んでいたパドレス打線を脇から支えた一人がこのタイ・フランスでした。

タイ・フランスは2026年2月にパドレスとマイナー・ディールでサイン。そこから這い上がり、開幕ロースター入りを勝ち取ると、上述のように主力の3人がシーズン序盤に大苦戦する中、彼が5月まで打線を牽引し、4月、5月と単月で打率.280台をマークしたのでした。
夏過ぎに主力の3人も復調し始めると、タイ・フランスは6月に疲れが出たのか一旦、落ちつきはしましたが、7月以降の単月の打率はいずれも.300超え。主力3人に彼が加わったことで、パドレスは見事にポストシーズン進出を勝ち取ったのでした。
| Split | G | PA | H | HR | RBI | BB | SO | BA | OBP | SLG | OPS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| April/March | 17 | 48 | 13 | 3 | 8 | 2 | 4 | .289 | .333 | .578 | .911 |
| May | 21 | 63 | 17 | 3 | 10 | 2 | 22 | .283 | .306 | .500 | .806 |
| June | 23 | 79 | 16 | 4 | 11 | 7 | 20 | .239 | .342 | .463 | .804 |
| July | 23 | 100 | 29 | 6 | 20 | 3 | 21 | .326 | .370 | .596 | .966 |
| August | 28 | 120 | 30 | 3 | 11 | 16 | 22 | .303 | .400 | .434 | .834 |
| Sept/Oct | 21 | 90 | 25 | 2 | 12 | 7 | 19 | .313 | .378 | .475 | .853 |
タイ・フランスは結果、フルシーズンでパドレスに貢献。PA 500で打率.295、OBP .363、SLG .502、HR 21を記録。wRC+(141)、fWAR(3.6)、ハードヒット率(47.4%)、BBレート(7.4%)といずれもキャリアハイの数字を残しました。
また守備面でも、2025年にALでゴールドグラブ賞を受賞したのに続き、2026年は1Bとして優れたパフォーマンス(DRS +15、OAA +7)を見せました。
わずかに規定打席に届かず
ただ、MLBの規定打席は162試合x 3.1=502.2(四捨五入)=502打席(PA)。
規定打席にわずか2打席足りませんでした。もしも規定打席に達していれば、打率.295はナ・リーグの打率ランクで5位に入っておりましたので、これは本人も悔しかったでしょうね。
PSでも活躍
さらに、ポストシーズンではカブスを圧倒したワイルドカード・シリーズでは2試合で打率.500をマーク。ブルワーズとのNLDSでは幻の一発(天井に打球が当たり、キャッチされる)を放ったのもタイ・フランス。あそこでHRとなっていれば、また状況も変わったかもわかりませんね。

このようにギリギリのところで勝負してきたのが2026年のタイ・フランスでした。
2026年の課題
一方で、タイ・フランスの打撃には課題も残ります。チェイシング・レート(ボール球へのスイング率)、Whiff(空振り)レートはいずれもリーグ平均に劣っている点です。SOレートはなんとかリーグ平均を上回る数字です。
(タイ・フランスのよくなかった指標)
- SO rate : 21.6% (リーグ平均:22.6%)
- Chase%: 34.5% (リーグ平均:28%–29%)
- Whiff %: 28.1% (リーグ平均:25.1% 〜 25.3%)
タイ・フランスはコンタクトの質は高いものの、要はコンタクトの頻度自体はそれほど高くなかったとも言えるです。
特に4シームのWhiff %が30.0%でこれはベテランゆえの対応力の衰えもわずかには見えてはおります。ただ、ベテランはこれを読みでカバーします。タイ・フランスもそこはしっかりと研究しているとは思います。
今季は早期にサイン出来るか?
フランスは過去2回のオフシーズン(2025年のツインズ加入時、2026年のパドレス加入時)で、いずれも2月まで契約が決まりませんでした。
2026年の成績ならメジャー契約で複数年ということも十分にあります。2026年のサラリーは1年/$1.35M (2026)。もともとマイナー契約で、メジャーに上がればというスプリット・コントラクトでした。2025年のツインズでのサラリーも$1Mで、彼の最高サラリーは2024年のマリナーズ時代の1 年/$6.775M (2024)。
各クラブが関心を抱いているのは、投資以上の結果を残してくれる可能性があるからですが、2026年をゆうに上回る契約になってもらいたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。

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