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【イチローの英語スピーチ】2019年引退セレモニーでの言葉(全文)

シアトルのファンへの最大限の感謝

現地2019年9月14日、マリナーズはイチロー選手の引退セレモニーを開催しました。

セレモニーに現れ、帽子を脱いでファンに挨拶したイチロー選手はこの3月よりも白髪が目立ちましたが、その立ち姿はこれからゲームに臨む選手かと思うくらいの鍛え抜かれたシルエットでした。

自分の言葉で紡いだスピーチ

そしてスピーチは英語でした。

以下に全文を掲げてみました。一言一句正確であるように気をつけてタイプしてみましたが、原稿が公開されていた訳ではないのでそうじゃないところもあります。

ただ、この原稿はご本人の言葉で書かれたものであることは間違いありません。なぜなら、日本語の原稿を丁寧に自分なりに英訳したのだろうなというのがよくわかったからです。

その姿勢自体にイチロー選手のファンに対する誠実さが伝わってきます。

以下、筆者の余計な解釈もついているかもしれませんが全文です。

英語でのスピーチ

英語でのスピーチを大勢の前でする際、ノンネイティブならやはり日本英語のような発音になりがちなのは仕方ありません。そういうことを考えると現防衛大臣の河野さんはどんだけ英語できるんだ!と思ってしまいます。

ではスピーチの中身です。

つかみ

“Thank you. I’m so nervous. (Okay, let’s do it)  

(緊張するなあ。はじめましょうか。)

”Dee! Yusei!, No crying tonight. No Crying. 

(ゴードン、雄星!君たち、泣くなよ。)

※チームメイトにはやや失笑も、リラックスするためには必要なつかみでした。

シアトルのファンに感謝を伝えたかった

This is a happy occasion, when I retired than I Tokyo (that night Tokyo?). I had an incomplete feeling, because great fan of Seattle could not be there.

(東京で引退した時に偉大なシアトルのファンにお別れを言えていないことが気がかりでした。)

Tonight, I want to express my appreciation to you or you’re touching support over the years.

(今晩、長年にわたり支えてくださったシアトルのみなさんに感謝を伝えたいと思います。)

受け入れてくれたシアトルに最大限の感謝

When I came to Seattle in 2001, No position player had ever come from Japan before. The one you got was 27 years old, small and skinny and unknown . You had every reason not to accept me, however you welcomed me with open arms and you have never stopped, even when I left and came back.

(2001年にシアトルに来た時、日本人野手では初めてのMLBプレーヤーとなりました。シアトルの皆さんが獲得した選手は、27才で体も小さく、細く、そして全く知らない選手だったと思います。しかし、皆さんはそんな私を両手を広げて暖かく歓迎してくれました。それは私がシアトルを出た時もそして戻ってきた時も同じで、変わらず熱い声援を送り続けてくださいました。)

たぶんここが言いたかった大きなポイント

I was so grateful for the chance to return in 2018 and the reason is you, fans!

(2018年に戻るチャンスをもらえてとても嬉しかったです。それは、シアトルの皆さんの前にもう一度立てると思えたからです。)

※とにかくシアトルでプロとしてきちんとした最後を迎えたかったんだということを仰っしゃりたかったのかなと思います。

全米の関係者へ

Thank you Seattle, I also appreciate the fans across the America who supported me in New York, Miami and even in many places as a visiting player.

(シアトル、ありがとう。またニューヨーク、マイアミ、そしてビジターとして迎え入れてくれ、支え続けてくれた全米のファンに感謝申し上げます。)

アメリカ野球への敬意

Baseball is truly a national pastime in America and I was so happy to play in front of the people who love and respect the game so much.

(野球は本当にアメリカにとって欠かせない娯楽だと思います。そして野球を愛し、心から尊敬しているアメリカの人々の前でプレー出来たことはこの上なく幸せなことでした。)

※これもかなり仰っしゃりたかったポイントのような気がしました。

ライバルたちへ

It has been an honor to play baseball with and against some of the greatest competitors I have ever known.

(チーム内外の、ときにはとんでもなくすごい偉大なライバル達としのぎを削り合ってプレーしたことを誇りに思っています)

They inspired me to raise my game to a higher level.

(彼らがいたからこそ、より高いレベルまで自らを高められたと思っています。)

マリナーズの今のチームメイトへ

Now I have the pleasure of spending time with these young and talented players who will bring the franchise championship, despite the language and culture gap, not to mention an age difference of 20 years. I enjoying around them because I feel their passion for the game I love, it’s genuine.

(今、私はこの若くて才能にあふれ、(いつか)ペナントを獲るであろう選手たちと一緒に過ごせることにとてもやりがいを感じています。彼らは私が20才も年齢が上であることは言うまでもなく、言語やカルチャーなどのギャップがあるにもかかわらず、受け入れてくれています。私は彼らといるのがとても楽しいのです。なぜなら、彼らになみなみならぬ野球の情熱を感じるからです。それらは本物です。)

向き合ってきたこと

As I look back to my career if there’s anything that gives me pride, it is that I overcame daily challenges had an equal passion for each day. From the first one in 2001 to the last one in 2019.

(自分のキャリアを振り返ってみて、私には誇れるものが何もありませんでした。だからこそ、日々同じ情熱で日々チャンレンジして乗り越えようとしました。これはデビューイヤーの2001年から引退の2019年まで変わらず続けてきたことです。)

やってきたこととチームメイトへも向けたメッセージ

As we enter the final days of a long season, every player should remind himself, what does it mean to be a professional.

(長いシーズンの最後の日を迎えた時、全てのプレーヤーは自問すべきであると思います。「プロフェッショナルとはなにか」と。)

These last days are just as important as first ones and all those in between. Every day you need to go about your business with the same passion. That is the greatest gift you can give to your performance and to the fans who come to enjoy this special game.

(最後の日は最初の日と同様に重要です(=初心忘るべからず)。自分の仕事には変わらず同じ気持ちで向き合う必要があると思います。これは観に来てくれるファンに自分のベストを見せるため与えられたギフトであると思います。)

※イチローさんにとって、マリナーズの若手には「こうやって来たんだよ」ということを聞いてもらうだけでよかったのかと思います。

マリナーズへ、家族へ

To the Seattle mariners organization I forever grateful to you for giving me the chance to play the game I love in city I have come to love.

(マリナーズの関係者の皆さんには本当に感謝申し上げます。私がもっとも愛すべきシアトルでプレーするチャンスを与えてくださいました。)

Thank you also to my family for your endless support.

(家族の絶え間ないサポートにも感謝します)

※もちろん一弓も含まれていると思います。一弓が懸命に生きている姿を見ると涙が出てきますね。

一弓の若い頃↓

最後に

Now let’s play Baseball!

(さあ、野球やろうぜ!)

お読みいただき、ありがとうございました。

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