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【MLB契約2020】BALからアウトライト・ウェーバーとなる”WAR4.0″のジョナサン・ビヤーは今後どうなる?(追記あり)

リビルドのBALが思い切った決断

 現地2019年11月27日の情報になります。2019シーズンは54勝108敗で屈辱的なシーズンを経験したボルチモア・オリオールズが非常に思い切った決断をしたようです。

 2019シーズンにサイクル安打を達成した韋駄天のジョナサン・ビヤー(Jonathan Villar)をアウトライト・ウェーバーに置くことを決めました。

WAR 4.0のビヤーをアウトライト

 ジョナサン・ビヤーの2019年はWAR 4.0が示すとおり、非常に素晴らしいスタッツを残しました。

 162試合(全試合)に出場、642打数176安打、打率 .274、OBP .339、SLG .453、HR 24、二塁打 33、RBI 73、盗塁40(AL3位)、BB 61、SO 176、OPS+ 109。上記リンクのようにサイクル安打も達成。

 つまりはオリオールズはゲームに欠かせない選手であるにもかかわらず、アウトライト・ウェーバーにかけるという決断を下したのでした。

理由はサラリー高騰

 今回、オリオールズが上記のような決断を下した背景には、ビヤーのサラリー高騰が挙げられます。2020年1月でMLSが5.113になるビヤーは今オフ最後の調停イヤー。予想されるサラリーは$10.4 M。2019年が$4.8Mですから2倍ほどアップすると見られています。

とにかくスリムにしたいオリオールズ

 オリオールズのここ数年のオープニングデー時点のアクティブロスター25人(2020年から26人になる)のペイロールの推移はご覧の通りです。

  • 2016: 約147.6 M
  • 2017: 約164.3 M
  • 2018: 約$148.0 M
  • 2019: 約$ 80.2 M
  • 2020: 約72.8M(現有戦力でおおよそ。ビヤー込み)

 2017年の約$164Mをピークに、2018年は2016年並の水準に戻し、2019年はなんと100Mを切りました。強引な削減だったがゆえに2019年は大惨敗しました。

 ちなみにこれでもレイズには敵わなくて、レイズの2019年のオープニングデー時点のペイロールは$60.0Mでした。レイズはどんだけ優秀なクラブなんでしょうかね!

高額なこの2人

 スリム化に邁進しているオリオールズでもっとも高額なサラリーなのが、クリス・デービスとアレックス・コブの2人。

  • クリス・デービス:$21.1M(2020)/ 7年$161M (16-22)
  • アレックス・コブ: $14M (2020) / 4 年$57M (18-21)

 クリス・デービスは2019年、かなり厳しい結果になりましたね。

 シーズン終盤にはいざこざもありました。

 アレックス・コブは2016年にトミージョン手術を受け、その後復調したように思えものの、2019シーズンは腕の問題で投げられず。もうほぼ全休と言っていいほどの3試合、0勝2敗で終わりました。

マーク・トランボはFA

 ちなみに2019シーズン終了後に引退の噂のあったマーク・トランボは現地2019年11月30日時点でまだ正式に引退を表明しておりません。マーク・トランボは2019年$13.5Mの高額でしたが、契約が3年$37.5M (17-19)ゆえ2019年で終了です。すでにFAとなっているので、2020年のサラリーにはカウントしません。

3人が機能すればすごかったが

 クリス・デービスとマーク・トランボの左右の大砲がいて、ローテションの柱にアレックス・コブがいるというのがそもそも描いていたプランだと思います。もしそれが機能していたら2019年の飛ぶボールなら恐ろしいことになっていたと思います。しかし、残念ながら結果はその反対で、この大型契約の機能不全がオリオールズが苦しんでいる要因にもなってしまっています。

 クリス・デービスとアレックス・コブの2人はまだ契約期間内なので、当然2020年のサラリーにカウントされます。オリオールズはあと2年縛られますので、せめて活躍してくれたらと願うばかりです。

 やや横道にそれましたが、そのような事情もあり、なんとかペイロールをスリムにしたい、それには2019年に機能しまくったジョナサン・ビヤーでさえもスリム化の対象にせざるを得ないというのがクラブ側の考え方ですね。ファンはついてこないとは思います。

ビヤーの手続き(下記に結論あり)  

 実はこの記事を数日寝かしていたのは、ウェーバーですぐに結果が出る可能性があったからです。様子見していたのですが、現地2019年11月30日時点ではまだ何も出ておりません。

 コミッショナー・オフィスへのウェーバーリストは一般には公開されていませんので、まだ状況がつかめておりません。

トレード成立の場合

 おそらくウェーバーにはかかっているのは間違いないとは思うのですが、その場合、まずは手続きとしてトレードのオファーを待つということになります。

たぶん、成立しない

 ただ、筆者はトレードは成立しないと思っております。なぜなら、トレードだと相手方がジョナサン・ビヤーに見合う選手を出さないといけないからです。

Clear Waiver

 ウェーバーにかけてどこからも声がかからなかったことを、”clear waiver”と言い、ウェーバーの手続きを通したということになるのですが、仮にジョナサン・ビヤーがClear Waiverとなった場合、マイナー扱いにはなります。

ノンテンダー・デッドラインが12/2

 ただ、これからノンテンダーデッドラインがあります。現地12月2日、東部時間夜8時。ノンテンダー・デッドラインとは調停前や調停資格期間中の選手に対して来季の契約を申し出るか(tender)どうかを決めなければいけない期限のことです。

 そしてノンテンダーとなった場合、選手は6年のFA資格を有していなくてもノンテンダーFAとして、FAとなります。

 そうです。トレードが成立しない理由はここにあり、他クラブはビヤーをほしい場合はこれを待っていれば自軍のプロスペクトを保護しつつ、ビヤーとの契約だけに専念出来るということになります。

 逆に言いますと、オリオールズはトレードが成立しないと、ビヤーというカードを使って良いプロスペクトを得ることができません。よって今回のビヤーへのアウトライト・ウェーバーはオリオールズにとってコスト削減以外にメリットがなく、調停で10Mほどのサラリーになるかもわかりませんが、テンダー扱いにして$10Mのビヤーをトレードのカードにする方がよいのではないか?そのような選択肢も思い浮かびます。

 そもそも本当にウェーバーにかけたのか?そして12月2日のノンテンダーに名前が上がるのか?そこが終わってからの話になりそうです。

結論:トレード成立しました!

 上記、見立て違いで申し訳ございません。現地2019年12月2日、トレードが成立しました。ジョナサン・ビヤーはマーリンズ行きです。よって、手続きとしてはClear Waiverとはならず、その前の段階のトレード成立ということになります。

 マーリンズからオリオールズには左腕のイーストン・ルーカス(Easton Lucas)が動きます。23才で未デビュー。2019ドラフト14巡目、全体ピック411位の投手です。2019年はルーキーとショートシーズンAを経験。2020年でダブルAまで上がればMLBへの見込みが出そうです。

ジョナサン・ビヤーとは?

 ビヤーは2020年の5月の誕生日で29才になるユーティリティ。ドミニカ共和国出身です。選手としての特徴はとにかく足が速い。2016年は62個で盗塁のタイトルを獲得。通算成績では年間16本平均のHRも2019年は24本に伸ばし(改造ボールではありましたが)、投手とすれば非常に厄介な打者になりつつあります。

波がある

 波のあるところもあり、例えば2019シーズンでは8月に.333を記録した打率は6月には.225であったということもありました。

守備は粗い

 守備は飛び抜けたいいプレーが出ることがあるものの、確実性という点では今ひとつで、エラーが多いです。2016年のブルワーズ時代、年間29個でその年のエラー数ワーストでした。SSで17個、3Bで12個、2Bでは0。2019シーズンは20個に減ってはおります。2Bで8個、SSで12個。こういう内野で落ち着きのない選手はOFではそれなりの結果を出すとは思うのですが、2019年はOFを守っていません。

 ビヤーは前述しましたが、2019シーズンは全試合出場。これは大きな勲章だと思います。WAR 4.0は伊達ではない。

 彼の動向に注目したいと思います。なお、ノンテンダー前にトレードが成立するかもしれません。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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