2度目ゆえ、かなり重い処分の可能性
こちらはESPNの情報ですが、現地2023年9月4日、ドジャースの左腕、フリオ・ウリアス(Julio Urías)が逮捕・起訴されたことが明らかになりました。
ESPNによると、フリオ・ウリアスは現地2023年9月3日(日)11時PMに逮捕され、翌4日(月)の早朝に$5万の保釈金で釈放されたとのこと。
ドジャースの声明
これに対し、ドジャースは「我々はフリオ・ウリアスが関与した事件を認識している。現時点では、これ以上のコメントは控えさせていただきます」と声明を発表。
2019年にもDV事件
フリオ・ウリアスがDV容疑で逮捕されたのは、今回で2度め。
1度目は2019年8月に発生。この時は同年5月にビバリーセンターの駐車場でガールフレンドを地面に押し倒したということで、軽犯罪のDV容疑で逮捕されました。
リーグがこの問題の調査を開始したため、彼はその時点で”administrative leave”(=行政上の休職処分)に入りとなり、最終的には、メジャーリーグとMLB選手会が合意したDV(ドメスティック・バイオレンス)、性的暴行、児童虐待に関する共同方針に基づき、20試合の出場停止処分が下されました。
MLBと選手会の同方針では、告発がなくてもリーグは処分を科すことができます。
なお、この時はロサンゼルス市検事は起訴を猶予しました。
また、アドミニストレイティブ・リーブ(休職中)においては選手には給与が支払われ、MLS(サービスタイム)も発生しますが、最終的に出場停止処分が下された場合は、どちらも取り消される可能性がああります。アドミニストレイティブ・リーブの期間は決まっておらず、問題の調査にかかる限り続きます。トレバー・バウアーは期限が来れば更新というのを繰り返されました。
今回の事件の詳細は今のところ明らかになっていないので、どういう結論になるかはまだわかりませんが、一旦は前回同様のプロセスを踏むと思われます。
フリオ・ウリアスとは
フリオ・ウリアスは1996年8月12日生まれで、つい先日、27歳になったばかり。メキシコ出身で、2023年のWBCにおいてもメキシコ代表としてマウンドに上がりました。
生まれつき、左目に問題があり、10才になるまでに10度の手術を経験したといいます。
2012年8月、アマチュアFAとしてドジャースとサイン。ちょうど16才になったばかりです。デビューは2016年、19才の時でこの年は18試合中、15試合に先発し、5勝2敗、ERA 3.39。
2017年、2018年は低迷。2017年は5試合で23.1イニングを投げ、14失点、14BBと大荒れ。6月にトリプルAで登板中に左肩を傷め、手術を受けています。
2018年はマイナーでリハビリ。その間、上述の事件があり8月に逮捕。20試合のサスペンションを経て、9月に3試合だけメジャーで投げました。ただ、ポストシーズンでは活躍し、ブルワーズとのNLCSでは4試合、3.1イニングに登板し、ERA 2.70をマーク。レッドソックスとのワールドシリーズにおいても3試合、3.0イニングを投げ、ERA 3.00をマークしました。
2019年は主にリリーフとして37試合に登板して、4勝3敗、ERA2.49。短縮シーズンとなった2020年は11試合に登板し、3勝0敗、ERA 3.27。
ここまでは期待値を下回る投球が続きましたが、躍進したのは2021シーズンでのこと。この年は、32試合に先発し、20勝3敗、ERA 2.96をマーク。イニング数も185.2を数えました。サイ・ヤング賞投票では7位にランクイン。
そして2022シーズンも好調を維持。31試合に先発し、17勝7敗で、ERAは2.16。サイ・ヤング賞投票では3位に入っています。
そして2023シーズン。ここまでは21試合に先発し、11勝8敗、ERA 4.60。今季はHR%が前年の3.3%から5.0%へ悪化しています。
ドジャースのローテションに大打撃
時にオープナーを使ってローテションを回しているドジャースですが、フリオ・ウリアスの離脱は大きな痛手となります。
ドジャースは8月31日から9月3日までのブレーブスとの4ゲームシリーズでは1勝3敗と負け越し。敗れた3試合はいずれもブレーブスに打ち込まれたことから、投手が怪我で離脱している影響がもろに出たシリーズでもありました。
ここに来て、フリオ・ウリアスの離脱となり、ドジャースのフロントオフィスも頭の痛いところです。
シーズン終了後にFA資格
フリオ・ウリアスのMLSは、2023年1月時点で5.117。今シーズン終了後に6.000となり、FA資格を取得します。
今季、安定感に欠けるところのある投球が続いていますが、FAの目玉選手の1人として注目されています。
しかし、今回のDV容疑での逮捕は2度めの顛末となることから、かなり厳しい立場に立たされる可能性があります。
まだ事件の概要がはっきりしていませんが、仮にフリオ・ウリアスに非があった場合、ドジャースだけでなく、MLBのフロントオフィスもかなり厳しい処分を下すと考えることは容易です。
現時点ではまだ何も言えませんが、キャリアに大きな影響を与えそうな気配です。
状況を静観したいと思います。
追記:アドミニストレイティブ・リーブに
フリオ・ウリアスは現地2023年9月6日、アドミニストレイティブ・リーブに入りました。これはもう手続き上、そうなるでしょうねというものです。これから調査が進んで行きます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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