NLイーストも佳境
その勝利数と高いレベルでの争いに、ナ・リーグではついつい西地区のジャイアンツ、ドジャースの争いに目が行ってしまいがちですが、ナ・リーグ東地区も激アツです!
現地2021年9月24日、アトランタ・ブレーブスはパドレスと対戦。この日、ブレーブス先発のマックス・フリードが素晴らしい投球を見せました。
その前にこの日、ブレーブスとパドレスはちょっと特殊なスケジュールをこなしましたので、まずその整理から。
ダブルヘッダーなのに9回まで!?
実はこの日、ブレーブスとパドレスは2試合をこなしました。マックス・フリードが好投したのはGame2。ダブルヘッダーだったのです。
どんなスケジュールが組まれたかというと、結果を含めて整理すると、ご覧の通りです。
- Game 1 パドレス 6, ブレーブス 5(@ペトコ/5:20 PM)7イニング
- Game 2 ブレーブス 4, パドレス 0 (@ペトコ/ 8:05PM)9イニング
ご覧の通り、ダブルヘッダーなのに、Game2は9イニングをこなしています。
シーズン終盤の特殊なリスケ
そもそもこのカードが組まれていたのは、Game2の方です。9/24-26までの3ゲームシリーズで行われてるはずでした。
ところが、7月にアトランタで組まれていたゲームが雨で流れて、この日のGame1にリスケジュールされたのです。
もう少し正確に記すと、7/19日から21日で両者はアトランタで3Gameシリーズを組まれていたのですが、このうち7月19日のGame1が雨で中止に。そこで一旦は、7月21日にダブルヘッダーが組まれ、Game1に入れられました。その結果は、6-5でパドレスが勝利。ところが、7月21日もGame1の後、お天気が悪くなり、Game2が中止になったのです。
よって、7月21日のGame2を、9月24日のGame1に組み入れ、ペトコ・パークでの開催ではありましたが、便宜上、ブレーブス・ホームという扱いで、こなしたというのがこの特殊な事情です。結果はパドレスが6-5で勝利。
2020シーズンは移動がCOVID19の感染のリスクを伴うことから、このようなケースを実施したことがありました。
ブレーブスとパドレスは同じナ・リーグではありますが、地区が違うため、対戦の機会が少ないのです。シーズンの残りを考えた時に、パドレスが東海岸に1日だけ遠征に行くよりは、この機会にこなしてしまおうじゃないかということでこのようなスケジュールが組まれました。メジャー・リーグの柔軟性の一例です。
マックス・フリードの双肩に
さて、現地2021年9月24日のGame2に移ります。
ブレーブスのマックス・フリードは、今季27度目の登板。現時点でナ・リーグ東地区の首位に立つブレーブスは、パドレスとのこの4試合が非常に重要。
ブレーブス、重要な局面での登板
なぜなら、パドレスとのシリーズの後に、28日から30日まで地元アトランタでフィリーズとの直接対決を控えているからです。これがブレーブス、フィリーズ双方ともに自力で地区タイトルをものにするラストチャンス。最終カードは、他力も望まないといけなくなります。つまり、相手が負けろと。
Game1で星を落としたブレーブスは、負けられない状況。フィリーズが猛追しており、ここで負ければ首位に並ばれてしまう。
マックス・フリード、SD打線を98球で完封!
そんなプレッシャーのかかるマウンドでしたが、マックス・フリードはまさにキレキレの状態に。
味方も援護
また、ブレーブス全体でこのゲームの大事さが共有されていたようで、初回から打線が援護。パドレス先発のルーキーのリース・クニア(Reiss Knehr)から、アルビーズ、ライリーのコンビで1点を先制。
さらに2回表には、ダンスビー・スワンソンの2ランHRでリードを3点に!チームとしても非常にいい入りでしたね。
球数
非常に落ち着いた立ち上がりのマックス・フリード。味方の援護もあったからか、どんどん精度が増して行ったという投球。得意の「浮いて止まるカーブ」も有効でした。
ご覧のような球数です。
- 1回:6球
- 2回:14球
- 3回:14球
- 4回:13球
- 5回:9球
- 6回:8球
- 7回:8球
- 8回:13球
- 9回:13球
マックス・フリードは被安打3、四球0。投球のペースは1イニング15球というのが一つの目安ですが、一桁のイニングが4イニングもあります。しかも、中盤の握力が厳しくなる場面で3イニングを10球以下でこなしたのはすごいですね。
なおブレーブスは6回にはアダム・デュバルのタイムリーで1点を追加。上記の通り、4-0のスコアで勝利しました。
フリードは元パドレス
ちなみにマックス・フリードは元SDで、2012年のアマチュア・ドラフトのパドレスの1巡目指名です。
2014年12月にパドレスがジャスティン・アップトンを獲得したトレードで、ブレーブスへ移籍しています。
まるでマダックス
少ない球数での勝利と言えば、ブレーブスOBのグレッグ・マダックスですね。1997年7月22日にリグレーで行われたカブス戦で、たった76球で勝利。この時は、コンプリート・ゲーム(完投)でした。失点ありです。
直近で思い出すのは、カイル・ヘンドリクスが現地2019年5月3日にカージナルスを相手に演じた81球のシャットアウト勝利。マックス・フリードはこの球数の少なさには及びませんでした。なお、下記のリンク記事に書かせていただいていますが、最少投球数は”58”と言われています。
ブレーブス、首位を死守
現地2021年9月24日を終えた状況はご覧の通り。フィリーズはパイレーツに8-6で勝利しています。
【NL イースト】
- ブレーブス:81-72
- フィリーズ:80-74 (ゲーム差1.5)
もう1勝が相当なインパクトを持つことがおわかりになると思います。
【NLワイルドカード】
- ドジャース: 99-55
- カージナルス: 85-69
- フィリーズ:80-74 E# 4
- レッズ:79-75 E# 3
カージナルスは現地2021年9月24日段階で、14連勝。最後の最後に揺れ戻しがくればフィリーズもチャンスがあるものの、現時点では地区優勝の芽の方が大きいという特殊な事情ができております。
残り、10試合を切りました。非常にドキドキする展開となっております。
お読みいただき、ありがとうございました。
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