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【ロイヤルズ・レジェンド】「鉄壁のLF」アレックス・ゴードンが2020シーズンで引退へ(追記あり)

GG賞7度!メジャーの外野守備を代表

 現地2020年9月24日はMLBの制度の話題で「おや!?」という変更点があり、記事にしようと思ったのですが、複数のソースに当たるも、確証には至らず。その話題はもう少し調べた後、記事にさせていただきます。

 ただ、この日は朝から衝撃的なニュースがありましたね。残念というか、もっと見たいと思っていた選手の引退のニュースです。

 カンザスシティ・ロイヤルズのLF、アレックス・ゴードン(Alex Gordon)が2020シーズンをもって引退することを表明しました。

MLB14シーズン、ロイヤルズ一筋

 アレックス・ゴードンはメジャーでのキャリアが14年で、ロイヤルズ一筋。カンザスシティにとって、これほど地元に根づいて愛された上に、かっこいいスタイルのプレーヤーはいないのではないかと思います。

生まれもカンザスシティ近く

 アレックス・ゴードンは1984年2月10日生まれの36才。

 出身はネブラスカ州で、高校、大学ともに同州のリンカーンで過ごしました。カンザスシティがあるのはミズーリ州で、ネブラスカ州はミズーリ州の隣。

 リンカーンはカンザスシティから北西に約200マイル(320km)ほど行ったところにあり、車で約3時間ほどの距離。距離の感覚としては新東名で大阪から静岡市ほどの距離感です(332km)。もっとも、日本の高速道路で走ると4時間ほどかかります。

 何が言いたいかといいますと、アレックス・ゴードンは州は違えど、地元中の地元の選手だったということです。

2005ドラフト全体2位

 そのアレックス・ゴードンのプロフェッショナルとしてのキャリアですが、2005年アマチュア・ドラフトでロイヤルズの1巡目指名でした。全体2位です。

 やや遡りますが、アレックス・ゴードンはNCAA時代(ネブラスカ大学 – リンカーン校)はスーパースターでした。NCAAのアウォードの中でMVPに値するゴールデン・スパイク・アウォードの2005年の受賞者です。

歴代ゴールデン・スパイク・アウォードはスターだらけ

 なお、このゴールデン・スパイク・アウォードの歴代受賞者をご覧ください。

歴代ゴールデン・スパイク・アウォード受賞者

 オールスターのような顔ぶれがずらりと並びます。ゴードンの前後においては、2004年は元エンゼルスのジャレッド・ウィーバー、2006年は元ジャイアンツのティム・リンスカムです。

 もう少しご紹介すると、デービッド・プライスは2007年の受賞者。バスター・ポージーは2008年、スティーブン・ストラスバーグは2009年、ブライス・ハーパーは2010年、トレバー・バウアーは2011年。現レイズのマイク・ズニーノは2012年、カブスのクリス・ブライアントは2013年、ホワイトソックスのAJ・リードは2014年、レッドソックスのアンドリュー・ベニンテンディは2015年。

 今季マリナーズで活躍しているカイル・ルイスは2016年の受賞者で、その後はレイズのブレンダン・マッケイ(2017年)、ホワイトソックスのアンドリュー・ボーン(2018年)、オリオールズのアドレー・ラッチマン(2019年)へと続いていきます。

 アレックス・ゴードンはそんな中、選ばれた一人ということですね。

ロイヤルズの守備を強くしたきっかけの選手

 2014年と2015年にロイヤルズはワールドシリーズに進出し、2015年についにワールドシリーズ・チャンプとなりましたが、その予兆でもあった2013年のゴールド・グラブ賞で、ロイヤルズからサルバドール・ペレス(C)、エリック・ホズマー(1B)とともに3人が選ばれるという快挙を達成。アレックス・ゴードンは、2011年からゴールド・グラブ賞を受賞し始め、ロイヤルズを足元から強くしていった先駆者でもありました。

アレックス・ゴードンのスタッツとアウォード

 ではアレックス・ゴードンのスタッツとアウォードを簡単にご紹介します。

  • オールスター:3度出場(2013-2015)
  • ALゴールド・グラブ賞:7度 (2011/OF、2012-2014 & 2017-2019/LF)
  • AL 最多二塁打:51本 (2012)
  • 20HR以上のシーズン: 2度 (2011 & 2013)
  • 100 Runs シーズン: 1度 (2011)
  • ワールドシリーズ・チャンプ(2015)

【現地2020年9月25日時点のスタッツ】

  • 通算打率.257、OBP .338、SLG .410
  • 安打数:1,641
  • HR: 190
  • RBI: 749
  • BB: 683
  • 盗塁:113
  • フィールディング%(LF): .994(現役1位/歴代LF2位)
  • DRS (Defensive Runs Saved): キャリア合計 111点

PS出場があやぶまれるほどの大怪我

 ロイヤルズが強くなる前に下支えした感のあるアレックス・ゴードンでしたが、2015年7月8日のレイズ戦で、ローガン・フォーサイスの打球を追った際に、打球を追った勢いとフェンスとの間で急ストップを余儀なくされ、その際に左のハムストリングの一部を断裂。カートで運ばれる大怪我を負いました。

 せっかくクラブを強くしたのに、ワールドシリーズに出るという果実をここで逃すのかと、当時はなんと神様もむごいことをなさるのかと嘆いた程でした。

 しかし、ゴードンはたった1ヶ月強で戦線に復帰。予想より大事には至りませんでした。そして9月1日からゲームに出始め、無事にポストシーズンにも出場。

大熱狂の2015 WS Game1でのHR

 そして何より印象深かったのは、2015年のメッツとのワールドシリーズGame1での活躍。ゴードンは9回裏1アウト、3−4の1点差ビハインドの状況で、同点となるソロHRをセンターバックスクリーンに叩き込んだのでした。このHRはまさに鳥肌もの。カンザスシティのスタンドを熱狂させました。2020年の今、これを見ると、考えられないほどの密集ぶりで飛沫も飛び散りまくっていたでしょう。

 2015年のポストシーズンでは、ALDS、ALCS、WSのすべてをあわせて16試合に出場。63PA、54ABで、13安打。打率.241、OBP .349、SLG .426、二塁打4、HR 2、RBI 6を記録。活躍しました。

まさに鉄壁の守備

 アレックス・ゴードンはその類まれなるアスリート力で、メジャーのフィールドで大活躍しました。やはり打撃より守備が目立ちました。

 ただ、その守備はレイズのケビン・キアマイヤーが感じさせるほどの派手さははなく、ヤンキースのアーロン・ヒックスが放つような100マイルを超えるスローイングをするわけでもありません。スローイングに関しては100マイルは出なかったと思いますが、かなりいいスピードは出していました。ただ、彼の守備は迫力さえ感じさせるほどの正確性のあるプレーのオンパレードでした。

 筆者がゴードンのプレーで好きなのは、外野手なのにランニングスローでランナーをアウトにするシーン。アレックス・ゴードンはもともとは内野手としてデビューしたほどの選手でした。よって、足さばき、捕球してからの投げるまでの速さは内野手としての下地があってこそ出来たプレーだと思います。

 ホーム、セカンド、サードへのストライク送球を何度も見せてくれました。

2019年GG賞受賞もクラブオプション行使されず

 2019シーズン、150 試合に出場し、ゴールドグラブ賞も受賞したアレックス・ゴードンでしたが、2019終了後、クラブオプションは行使されず、FAに。

 これは2016年1月に結んだ4年/$72Mの契約が重かったと言わざるを得ないです。2019年のサラリーが$20Mで、オプション行使時の2020年のサラリーは$23Mでした。

 2020シーズンは1年/$4Mに。

2020シーズンの成績

 また、2020年の現地2020年9月25日までの成績は、打率.206、OBP .297、SLG .310、HR 4、二塁打 4。

 たしかに数字は厳しいものになっているがゆえに、本人も次はないと諦めたのかもしれませんね。外野手は打撃さえよければ、プロスペクトを使いたくなるポジションでもあります。

 守備はまだまだ一級品ではありますが、FAでの需要、サラリーなど総合的に考えて今回の決断に至ったと思われます。

 彼の守備が見られなくなるのは残念でなりませんが、残り3日。しっかりとプレーを目に焼き付けておきたいところです。

追記:最後のゲームは1番LF

 現地2020年9月27日、アレックス・ゴードンが2020レギュラー・シーズン最後のゲームに1番LFで出場。

 1回の裏の第一打席がキャリア最後の打席に。ジョーダン・ジマーマンから三振を喫しました。

 そして2回表の守備についたところで、交代。家族も特別にスタンドから観戦し、エモーショナルな瞬間となりました。

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

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