【MLB称賛2020】「給与削減せず、リリースもせず」のロイヤルズを応援したい!そしてそれを実施できる理由とは

ロイヤルズはわかっている!

 非常に厳しい削減の嵐が吹きすさんでいるMLB。その代表的な出来事はここ数日の記事に記載させていただいている通りです。

 そんな中、クラブとして独自の道を歩もうとしているのがカンザスシティ・ロイヤルズです。

NO Pay Cut,NO release

 カンザスシティ・ロイヤルズは以下のことを決めております。まずはマイナーリーガーに対して。

  • 週400ドルのサラリー支払いはマイナーリーグのシーズン・エンドにあたる8月31日まで続行
  • またこのコロナパンデミックによる経営危機を理由としてリリース(解雇)はしない

雇用を守る対象は全スタッフ

 そしてすごいのがその対象が全従業員であること。

  • 150人近くいる従業員の給与は削減せず
  • さらに、レイオフも行わない

 そしてこういう決定事項もあります。

  • ただ、高額サラリーの上級社員に関しては段階的にサラリーをカットを実施するつもりではある
  • 収益が戻ってきた際にはその穴埋めはする

 現時点ではMLBで一番ファミリー的な組織と言えるかもしれません。

 ではロイヤルズはどうしてそれができるのか?を見て行きたいと思います。しかし、その前にロイヤルズの収益の現状も抑えておきたいと思います。

むしろ経営は厳しいはず

 このような良いマインドで雇用対策を行えるというのはよほど経営がいいのかと言えばロイヤルズはそうではありません。むしろ30クラブ中、厳しい部類に入る方です。

 2019シーズン、59勝103敗でア・リーグ中地区4位に沈んだロイヤルズは当然、成績不振に比例して収益も落ちています。

  • 企業価値:$1.025B :MLB 29 位
  • 2019収益:$251M: MLB 28位
  • 2019営業利益:$27M : MLB 28位
  • 借金の割合:24%: MLB ワースト3位

小規模でありながらも熱心なファンが多いカンザスシティですが、放映権などの収入よりもゲート収入の割合が多いのに、2019年は悪いタイミングが重なり、観衆が500人ということもありました。もっともこれは最悪だったケースです。

レイズ@ロイヤルズ戦で観衆500人を記録したことから、2019年5月1日までの観客数と2018年1年間の観客数について調べてみました。

 とにかく経営は厳しい部類のクラブであることは確かです。

それでも成し遂げた理由とは?

 それでもロイヤルズが選手、従業員の雇用を守るのには理由があると思っています。

(1) 新しいオーナー

 今季からロイヤルズはオーナーが変わりました。地元のエネルギー産業で財をなしたジョン・シャーマン氏がオーナーに。

 シャーマン氏はロイヤルズのオーナーに就任するに当たり、他の多くのオーナー同様にファンドを組んで金融面を向上させる手法を取りました。それが奏功しているかどうかはこれからのお話ですが、とにかく地元愛の強い紳士であることは間違いありません。

 就任1年目から派手に財政的なナタを振るうタイプの人がいる中で、シャーマン氏はロイヤルズの価値を上げて売りぬこうという発想ではなく、社会の公器としてクラブを考えている人ではないかと思います。

 よって、できる限りのことはやり抜いて、人件費は最後の手段として手をつけようとなさっているのではないかと思います。

 実際、ファンドがこのパンデミックでどうなのかは不明ですが、少なくともお大崩はしていなさそうです。よって、そういう状況でない限りは従業員をファミリーとして扱おうしているのかもしれません。

(2)リビルド中であったこと

 また、現実的な路線として、これが一番大きいのではないかと思うのですが、ロイヤルズは2015年にワールドシリーズチャンプとなりましたが、すぐにリビルドに入りました。リビルドとは高額サラリーの選手をFAとして他のクラブに移籍させ、単価の低い若手を起用させサラリーコストを抑えようというやり方。よって一時的に成績が下がるのは覚悟の上という手法でもあります。

 現地2020年5月30日時点でのロイヤルズの贅沢税上の40manのサラリー総額は$91.7MでMLB30クラブ中26位。

 高額サラリーの選手も以下の金額で抑えられています。

  • イアン・ケネディー(RHP):5 年/$70M (2016-20):2020は$16.5M
  • ダニー・ダフィー(LHP):5 年/$65M (2017-21): 2020は$15.25M
  • サルバドール・ペレス(C):5年/$52.5M (2017-21): 2020は$13M
  • ホルヘ・ソレアー(OF/DH):1 年/$7.3M (2020)
  • ウィット・メリフィールド(2B/OF): 4 年/$16.25M (2019-22) + 2023 option : 2020は$5M
  • アレックス・ゴードン(OF):1年/$4M (2020)
  • マイク・モンゴメリー(LHP):1年/$3.1M (2020)

 など。

 $10M以上のサラリーのプレーヤーが3人しかいないのです。これは大きいです。アレックス・ゴードンが2019年オフにクラブオプションとなりましたが、$23Mのそれを拒否しました。ゴードンにとっては厳しい対応で、今季の税金の支払いが大変になったでしょうが、ただクラブとして結果的にこの決断もよかったことになりました。

アレックス・ゴードンとロイヤルズと合意間近!アレックス・ゴードンは最後の契約の可能性も

 よって、贅沢税上の額が26位という順位にも表れているように他のクラブよりも高額サラリーの選手がいないのでまだこの良きマインドを実施できる金銭的都合もありました。

(3)マイナーこそこれからのロイヤルズの宝

 あとはマイナーのプレーヤーこそがロイヤルズがこれから勝ち抜いていく上で必要な戦力であるという認識をもっていることも大きいと思います。実際、プロスペクト達が稼働しないとゲームが成立しません。マイナーリーガーの支払いを継続し、リリースしないことを表明したことは彼らにとってもよいメッセージにもなったと思います。

戦力はSPECだけではないという考え方

 このようなツイートがありましたので、掲載しておきます。

「名もなきマイナーリーガー、埋もれてしまってルーキーリーグやシングルAから這い上がってこられないマイナーリーガー、チームの成長には欠かせない存在なのだという旨が書かれてあります。」

 これを読んでふと思ったことは企業でも同じであるということ。

 上位2割の社員が売上の8割を作ると言われますが、果たしてそんな花形社員ばかりで企業はもつのかという面。上位2割のトッププレーヤーをどんどん増やしていったところで、やがてその2割の社員も比率的にその他8割の方へと回るだけです。しかも、もともと花形だったような社員が残り8割の人がこなしていた雑用などこなすでしょうか?たぶん辞めていくでしょう。

 結局、SPECを追求したところでパレートの法則は続いていくだけであり、人事面で言えば、2:6:2の割合に落ち着いてくるものだと筆者は思います。

 そして下位2割の怒られることも多く、時には皆から疎まれることもある社員が実は重要な役割果たしていたりします。つなぎ目のような役割です。この人達が地味な仕事をやってくれるおかげで上位2割とその他中間の6割のしごとも成り立っている。

 このツイートを読み、ロイヤルズはこういうところがわかっているクラブではないかと思った次第です。思いやりのある組織は強いと思います!

 以上、ロイヤルズを今後も暖かく見守りたいなと思った次第です。そしてこういうクラブこそ、ぜひとも強くなったもらいたいと思います。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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