注目左腕のショーン・マナエアも決まる
現地2024年12月23日、ニューヨーク・メッツが非常に大きな武器を手に入れました。自軍からFAとなっていたショーン・マナエア(Sean Manaea/33歳)と3年契約で合意です。現時点ではフィジカルチェックの結果待ちで、間もなくオフィシャルになる見込みです。
後述しますが、2024年に腕を下げて大成功した左腕は左打者にとって厄介なサウスポーとしてどこに行くのか?注目されていましたが、ソトとのディール成功で贅沢税がとんでもないことになっているメッツが前年の契約を上回る内容でサインしました。
なお、マナエアは今オフにメッツからQOを提示されましたが、それを拒否し、市場に出ていました。
契約内容
両者の合意内容は大筋では以下の通り。
- 3 年/$75M (2025-27)
- $23.25M が繰り延べ払い (メッツが2035-44にかけて10度に分けて支払い)
AAVは$25Mですが、特筆として大谷選手のように繰り延べ払いが入っています。総額$75Mのうち$23.25Mがそうですから、約1/3がそれに該当。これにより贅沢税へのインパクトはAAV $25Mから$22Mほどになる見込みです。
メッツとは2年連続でサイン
ショーン・マナエアは2024年1月にもメッツとサインしており、この時は2年/$28M (2024-25)で1年目終了後にオプトアウト可となっておりました。今オフはそのオプトアウトを行使。AAVは$14Mでしたから、大幅増ですね。
マナエアはその前もオプトアウト付きの2年契約を結んでおり、2022年12月にジャイアンツと2 年/$25M (2023-24)でサインし、2023年終了後にオプトアウトしていました。
なお、その前の2022シーズンは開幕直前にトレードでアスレチックスからパドレスに移籍。パドレスでは30試合(28先発)に登板。7回ノーヒット・ピッチングをしたゲームもあったのですが、158.0イニングを投げ、8勝9敗、ERA 4.96と振るわず。
そんな中でのジャイアンツとの契約でした。
モデルチェンジで大成功!!
ジャイアンでの2023シーズンはマナエアは、2023年は4月3日にリリーフでデビュー。その後は先発に回りますが、5月10日までの8試合(6先発)で失点29 (ER 26)をマークし、ERAは7.96とかなり悲惨な結果となり、一旦はローテーションから外されるほど。
2023年後半、スウィーパーで蘇る!
しかし、5月後半から投球が安定。9月6日の登板まではローテーションのチャンスはなく、全てリリーフだったのですが、24試合で66.0 IPでER 28をマーク。この間のERAは3.82と整えてきました。
そして9月12日からの4試合はローテーションに復帰。この間のERAは2.25です。シーズン後半に尻上がりによくなりました。この追い上げがあって、このオフにオプトアウトして市場に打って出てメッツとの契約を勝ち取ったという流れです。
その好調の要因はスウィーパーを武器にした点にあります。
2024年にさらに進化
筆者が知っている限りでは6月19日のレンジャーズ戦から腕が下がり始め、そしてメッツの猛ラッシュの推進役となった8月、9月にはさらに踏み出す足もクロス気味となり、かつてのマナエアとは全く違うフォームになりました。
それまでのマナエアはローテーションを守ってはいたものの、4月1日から6月14日までは13試合で4勝3敗、ERA 4.11とパッとせず。相手打線の成績も.244/.318/.380、OPS .698でした。
ところが腕を下げ、足もクロスステップにしてそれが馴染んできた頃合いの7月からの投球は別人で、17先発で7勝3敗、ERA 3.16と大幅改善。さらぶ際立ったのが相手打線の成績です。.182 /.251/.327、OPS .578! もはやマナエアが出てくれば嫌な顔をするほどの成績です。
2024年は32先発で181.2イニングを投げ、12勝6敗、ERA 3.47に。これはオプトアウトしますよね。
際立ったのがポストシーズン。まずブルワーズとのNLWCで1勝。そしてフィリーズとのNLDSの登板前、フィリーズはマナエア対策としてなんとこのような練習を行っていたほど。もはやプレート3枚ほど1塁側に寄せたところにマシーンを設置。マナエアの軌道をなんとかイメージできるようにしていたのでした。
This is how the Phillies prepared for Sean Manaea today pic.twitter.com/xn28VlITUg
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) October 8, 2024
NLDSではフィリーズを圧倒。7イニング、被安打3、失点1のピッチングを披露。
NLCSでは2度投げたのですが、1度目はさすがのドジャースもお手上げ状態。この2試合の登板が効いて市場での評価が高まったのでした。もっと競り合っても良いというくらい。
2024年はコマンドにまだばらつきがあったのですが、これをどうチューンナップしてくるのかが楽しみです。
メッツのローテーション
メッツは千賀滉大、若いサウスポーのデビッド・ピーターソンが中心でここにショーン・マナエアが入ったことで一揆にローテーションが安定。メッツは今オフ、フランキー・モンタスとクレイ・ホームズもローテーションに加えており、彼らがどれくらいの威力を発揮するか楽しみです。
他にもポール・ブラックバーン、タイラー・メギル、グリフィン・カニングと候補はおり、層が厚くなりました。怪我はつきものなので、その意味でも厚みを増したことは良いことだと思います。
メッツの贅沢税
2025年の贅沢税の閾値は$241Mですが、ソトとの破格のディールはAAVで$51Mを計上。現時点での贅沢税上のサラリーは約273M。2023年は$374M、2024年は$347Mと異次元の金額となったメッツはまだまだ行くかもしれませんね。
果たしてピート・アロンゾと再契約するのか?はたまた噂のアレックス・ブレグマンとのディールもあるのか?そしてブルペン補強にも手を出すのか? 注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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