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【MLB2022】メッツ、ロビンソン・カノーをDFAに(追記あり3)

28人→26人ロスター減時に決断

 メジャーリーグは、シーズン前に行われていた新CBA更新の交渉が長引き、スプリングトレーニングの期間が3週間と短くなってしまったことから、開幕時のロスターを本来の26人から28人に拡大してきました。その期限が現地2022年5月1日まで。2日からは26人となります。

 よって、各クラブともアクティブ・ロスター枠を2人減らすために、大きな決断をしています。そのうちの一つが前の記事にも書かせていただたレッズのアリスティデス・アキーノのDFAでもありました。

 そして現地2022年5月2日、メッツが大きな決断を行いました。内野手で実績豊富なロビンソン・カノーのDFAとしました。

2022年、カノーは苦戦中

 カノーがそもそもロスター減の対象となったのは苦戦している成績にもあります。今季はここまで12試合出場で、41-8、打率.195、OBP.233、SLG .268、OPS .501、HR 1、RBI 3。壊滅的とまでは言わないまでも、メッツの野手陣で打率1割台なのは、まずは守りを優先せざるを得なかった正捕手のジェームズ・マッキャンのみ。

ビリー・エプラーGM、苦渋の決断

 ロスター減に関し、GMのビリー・エプラーは必要な情報をすべて集め、新オーナーであるスティーブ・コーエンに報告。エプラーはロビンソン・カノーのDFAが現在のメッツにとって最善の選択であると報告。しかし、そのデメリットとしてメッツはカノーとの契約の残債務である約37.6Mを捨てることになるとも。

お金のバイアスに目が曇らない新オーナー

 この報告を受け、新オーナーであるスティーブ・コーエンは、GMに”Make the baseball decision” と伝え、ロビンソン・カノーをDFAにする方向で動くことになりました。

 総資産170億ドル(2兆2千億円 現在、超円安の@129.29ドル/円で換算)とも言われるスティーブ・コーエン。今回の決断は、もはやお金に目をくらますこともないほど潤沢な資金を持っているオーナーだからこそ出来た決断であるととも言えるでしょう。通常であれば、投資した金額に少しでも見合うようにアウトプットを要求するところです。ただ、そうすることはピークを過ぎたプレーヤーをフィールドに置くことにもなり、生産性が上がらないのも事実。

 コーエン氏のメッツに勝利を!というぶれないフォーカスぶりはすごいと言えますね。

 2021年12月にはマックス・シャーザーと3年/$130Mでサイン。年俸は $43,333,333/年です。これもメッツに勝利をというぶれないスタンスの証でもあります。

カノーの契約 

 ロビンソン・カノーの現契約はご覧の通り。

  • 10 年/$240M (2014-23)
    • 支払い:$24M均等

 これは、2013年12月にヤンキースをFAとなり、マイナーズとサインした時のディール。もともとスコット・ボラスをエージェントとしていたロビンソン・カノーでしたが、この時にRoc Nation Sportsに変更。

JAY-Z創設のエージェントに(2013年12月)

 Roc Nation Sportsは、”JAY-Z”が2013年に立ち上げたエージェントで、当時はかなり話題となりました。カノーはその第1号。今ではスポーツの分野ではNBA、NFL、ラグビーなど多彩。そしてMLBではC.C.サバシアがそうです。また、現役選手で行けば、マーリンズのジャズ・チザム・Jr.もそうです。

 カノーのマリナーズでのファースト・イヤーは2014年。31才の時です。マリナーズはかなり釣り上げられたのでしょうが、41才のシーズンまでというメガディールでありました。

トレードでメッツに移籍

 そのカノーがメッツに移籍してきたのは、2018年12月。この中の一人だったのが、現マリナーズのジャレッド・ケルニックです。このトレードを決めたジェリー・ディポートGMは、いい仕事をしたと言っても過言ではないと思います。

 カノーは年齡的にもピークにあったヤンキース時代の2010年から2013年の4シーズンに華々しい活躍を見せました。4年連続オールスター出場、4年連続シルバースラッガー賞を受賞、4年連続でMVP6位以内の得票、そしてゴールド・グラブ賞を2度受賞など。

 ところがマリナーズへ移籍後は、2016年に39HR、103RBI、打率.298をマークしたものの、上記の期間のようには行きませんでした。

マリナーズが2022年まで一部負担 

 このトレードはマリナーズが$20Mをつけて動かしています。$20Mの内訳は、2018年の12月に$5M、そして2019年から2022年までの4年間に毎年12月1日に、$3.75Mずつ。

 また、このトレードを決めたメッツ側の担当者は、前のGMのブローディー・バン・ワゲネン。そしてオーナーはウィルポン家ですね。2019シーズン時点で36才になるロビンソン・カノーの獲得に、当時も疑問視する声が高かったのは言うまでもありません。

2度のサスペンション

 ロビンソン・カノーは今後、HOF(野球殿堂)への道は絶たれたと言われています。その要因がPEDs (Performance Enhancing Drugs)検査で2度、陽性反応を示したこと。これにより、カノーは2度もサスペンションを科せられています。

 また、1度目のサスペンはメッツへの移籍後すぐのことだったので、トレードを決めたワゲネンに批判が集まったのは自然の摂理です。

  1. 80試合(2018年5月15日にリストリクティッド・リスト入り)
    • カレンダー日で91日、計$11,741,935のサラリーを放棄
  2. 162試合(2020年11月8日にリストリクティッド・リスト入り)
    • 2021年のサラリーを全額放棄

思い切った決断の裏(推測)

 なおスティーブ・コーエン新オーナーが上述の通り、カノーの今後のサラリーを捨てる決断が出来たのは、勝利への執念もさることながら、このサスペンション期間に支払い免除となった金銭的な計算もあると思います。もちろん、1度目はウィルポン家がオーナーの時代ではありましたが、2度目はすでにコーエン時代でした。足が出ることは承知だが、2021年の1年分の負担は無くなっていると。

カノーの今後→決まるかも

 DFAとなったカノーはトレード、ウェーバー、リリース(FA)、マイナーという道がありますが、トレードはメッツに選手を与えることになりますから、よほど不要な選手でなければ成立しないと思われます。まさか、ドジャースがバウアーとカノーをスワップすることはないでしょう。

 おそらくウェーバーでどこかがクレームオフすると思われます。カノーの場合、残りのサラリーはメッツが負担。そして新しい獲得先はメジャー最低年俸の$0.7Mの日割りというお得ぶり。

 DHが欲しいところはあると思いますので、おそらく決まるのではないか?と思われます。

追記:メッツはリリース

 現地2022年5月8日、ロビンソン・カノーはウェーバー公示されていましたが、結局、クレームオフするところはなく、リリースということに。

 これでFAとなったカノーは次のクラブでは、メジャー最低年俸$0.7Mの日割りでの契約となり、手を上げるところも出てくるのではないか?とも思われます。

追記その2:パドレスに決定

 現地2022年5月13日、ロビンソン・カノーはサンディエゴ・パドレスとサインしました。メジャー契約です。パドレスは40manロスターを空けるため、今季調子の上がらないディネルソン・ラメットをマイナーにオプションしています。

追記その3:パドレスからリリース

 結論は早かったです。現地2022年6月1日時点で、まだオフィシャルではありませんが、パドレスはロビンソン・カノーと袂を分かつ決断をした模様で、すでに本人には通知済み。

 手続きとしては2日にマイナーにオプションになり、それをカノーは辞退する形に。そして再びFAとなる見込みです。パドレスでは12試合、34打席で、33打数3安打、打率.091、OPS.118と苦戦しました。

ヨアン・ロペスもマイナーへ 

 またロスター減に伴い、リリーフのヨアン・ロペスもトリプルAに行くことに。ヨアン・ロペスはメッツとカージナルスとのベンチクリアー案件でアレナドに抜けたボールを投げてしまった投手。伏線は端折らせていただきます(すみません)。

 また、現地2022年5月1日は、カイル・シュワーバーに報復投球をしたことでサスペンションをくらいました。こちらも伏線は端折らせていただきます(すみません)。

カノー・ロスの影響は懸念

 ここまで非常にうまく行っているメッツですが、今回のカノーのDFAで絆に影響を与えないか、懸念される面もあります。

 カノーはロッカールームではとても人気者で、ベテランが偉そうにするということは一切なく、とにかく好かれていたようです。

 エプラーも前を向く決断をしたとはいえ、「彼を失うことは、間違いなく我々の帆から少し風を奪うことになる」とも発言していることから、その痛みは十分に認知しているようです。

 ちなみにエプラーは2004年から2015年までヤンキースに在籍。2012年からはアシスタントGMに就いていました。よって、カノーとは旧知の仲だった訳ですね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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