Indians→Guardians
現地2021年7月23日、東京五輪開会式のクライマックスに近づこうかというタイミングで、クリーブランド・インディアンスが新ニックネームをアナウンス。Guadians(ガーディアンズ)に決定しました。
すでに23日中に一部メディアで、新ニックネーム決定の報道がありましたが、アナウンスはまだ行わないということでした。よって、筆者などは東京五輪開催中は、注目度が薄れるから公表は避けると考えていたのですが、むしろSNSに人が集まるタイミングで行いましたね。
2021シーズン終了から解禁
新ニックネームは2022年からということですが、シーズンオフでも例えばウィンターミーティングなどの大きな催しもありますので、2021年のシーズン終了から解禁になる予定。
実際には物販などはインディアンスの2021年シーズンが終了後に動き出すでしょうし、チームとしてはワールドシリーズが終了後に新ニックネームで動くことになると思われます。
Together, we are all… pic.twitter.com/R5FnT4kv1I
— Cleveland Indians (@Indians) July 23, 2021
スパイダース、ロックスのどちらかと思われたが・・・
もともとインディアンスのニックネームのスタートは1915年。それ以来、約100年以上にわたり、このニックネームを使ってきました。
インディアンスのニックネームの遷移
球団としての創設は1901年のクリーブランド・ブルース(Blues)。その後、1902年にブロンコス(Bronchos)と名乗り、1903年から1914年までナップス(Naps)と称していました。
Napsとは当時の中心選手であったナップ・ラジョイ(Napoleon Lajoie)に因んだもの。
そして、それ以前に現在のインディアンスの母体とはまた違い、どちらかというと今のカージナルスに縁があるのですが、クリーブランドには1887年から1899年までクリーブランド・スパイダースというチームがありました。
よって、新ニックネームはクリーブランド由来でスパイダースがかなり有効ではないか?とも思われていました。
また、2019年はクリーブランドでオールスターが開かれましたが、クリーブランドはロックの殿堂ということで、ロゴもギターのデザインが採用されるなどロックが強調されたこともありました。よって、新ニックネームとしてロックス(Rocks)という案もありました。
ただ、どちらも一長一短で、スパイダースだと結構縁起が悪く、クラブ最終年の1899年は20勝134敗という信じられないシーズン最低勝率をマークして解散したという経緯がありましたし、それにクモがキャラクターで子供人気はどうか?という面もありました。
また、ロックスは、例えばNBAでユタ・ジャズという音楽由来のチーム名がありますが、MLBでも音楽由来があっても面白いかもとは思うものの、現在のコロラド・ロッキーズの愛称がロックスと表記することもあり、重複してしまいます。
筆者などはロックスがいいなどと思っていたのですが、結局こちらも採用ならず。
そもそもの変更の契機
そもそもどうして名称変更を検討していたかというと、これはもうかなり前からネイティブ・アメリカンの人たちからはクレームがあり、特に真っ赤な肌というのがネイティブ・アメリカンへの偏見を助長するという声が上がっていました。
そしてインディアンスのイメージと直結していたワフー酋長のロゴが2018年で終了。その数年前から具体的な動きが始まっていて、インディアンスはオルタネイトして昔のロゴの「C」を多く採用していました。
そして決定的となったのが、2020年のBLM。白人警官が黒人の容疑者を銃で殺害したことをきっかけとしたあの運動ですね。
ポリティカル・コレクトネスの動きが強まり、これが人種差別の方向へと拡がっていったこともあり、インディアンスはついにニックネームを変えるという決断をしたのでした。
そして今回、Guadiansに決定したという経緯がありました。
クリーブランド住人の意見も調査
名称変更に当たり、インディアンスはファンの声を大量に拾っていて、4万人に計140時間もインタビューしたそうです。その中から候補は1,200も出たようです。
わからなければユーザーに聞けというのはある意味で鉄則ですから、それはいい動きだったと思います。
なぜガーディアンズ?
どのニックネームにどれくらい票が集まったか?などの情報は公開されていません。多数決でもないでしょう。おそらく、オーナーの意向も大きな要素だとは思います。
なぜ、ガーディアンズなのか?
それはインディアンスのホームグラウンドの近くに位置するホープ・メモリアル・ブリッジ(Hope Memorial Bridge)の支柱についている石の彫刻、ガーディアンズ・オブ・トラフィック(Guardians of Traffic)に由来するというものでした。
Gurdianは番人とか、警護人とかそういう意味ですが、日本語にするなら、交通の守り神というところでしょうか。この彫刻はクリーブランドの住民にとって象徴ともいうべきものなのだそうです。
また、「強さ」を感じる名前でもあるということでこれを推す方が多かったようです。
ある意味朗報(スルーでも)
これは主観のお話なので、スルーしていただいて結構です。筆者の今までの傾向からすると、どうも新しいものに違和感を感じることが多いです。
たとえば、アストロズがクレメンスがいた時代から今のユニフォームのデザインに変わった時も、メッツのロードと同じじゃないかと思いましたし、マイアミの今季のシンプルなデザインもどうも受け入れがたいものがありました。
しかし、今ではともにいいデザインだと思っています。特にマイアミの現ユニフォームは非常に好きです。見慣れてくるのでしょうね。
ということで、この違和感は新しいものを作ったという証拠でもありますし、筆者などより下の世代の方々なら違うふうに受け取ったかもしれません。
まあ、ジャイアンツが筆記体でオルタネイトを作った時、Gが今回のGuardiansのGと同じで大文字と小文字の中間のようなデザインでした。この時は正直かっこ悪かったです。人それぞれだとは思いますが。
ガーディアンズは結構ローカルなところを衝いていますね。
Gがボールを挟んでいるロゴはかっこ悪いなと思ったのですが、あらためてよく見てみると、あれは上記の橋をイメージしているのでしょうね。だがらあんなデザインなのだと書きながら思いました。
また日を置いてデザインをよく眺めてみたいと思います。違うように見えると思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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