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【2020プレーヤーズ・チョイス】MOYにネルソン・クルーズ、POYにフレディー・フリーマン!カート・フラッド賞が新設される!

2020 プレーヤーズ・チョイス

  現地2020年10月22日、ワールドシリーズがGame2まで消化し、休息日設定となったこの日、選手間で投票する年間Awardが発表されました。

  プレーヤーズ・チョイスは選手から認められたという点に価値があります。MVP、サイヤング賞らは全米野球記者協会が選びますが、それは記者の客観的な視点による投票にその価値がある訳ですが、現場から認められたという意味では選手にとってはこちらで選出されることも多いに誇りに思えることでしょう。

2020年受賞者

 では今季の受賞者を見てみたいと思います。

マン・オブ・ザ・イヤー(MOY)

ネルソン・クルーズ(MIN)

 この賞は”Marvin Miller Man of the Year”が正式名称で、フィールドやコミュニティーにおいて、リーダーシップを発揮して他の選手をインスパイアーし、もっとも尊敬できる選手に与えられる賞です。

 ネルソン・クルーズは今季開幕前の7月1日に40才の誕生日を迎えたにもかかわらず、16本塁打(AL5位)を放ち、打率.303、OBP .397、SLG .595、RBI 33 (AL 17位)を記録。シーズン途中までは3冠を期待させるほどの活躍を見せました。 

COVID-19の最中でもしっかりと準備

 今季はCOVID-19の蔓延によりクラブ内クラスターが発生したり(マーリンズ、カージナルス)、選手はチューンナップが非常に難しい年。しかし、それにも関わらず、ネルソン・クルーズはきっちりと準備してシーズンイン。姿勢そのものが選手のお手本となり得ました。まさにインスパイアーしていたと言っていいでしょう。

プレーヤー・オブ・ザ・イヤー

フレディー・フリーマン(ATL)

 プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(POY)はアトランタ・ブレーブスのフレディー・フリーマンに決定。もう文句なしですね。

 フレディー・フリーマンは打撃主要部門の指標でHR数を除いた項目できっちり上位にランクインしました。

  • RBI (53): NL 2位
  • 安打数(73):NL 3位
  • OPS (1.102): NL 2位
  • OBP (.462): NL 2位
  • Runs Scored (51): NL1位

 面白いのはRuns Scored で1位を獲ったところですね。MLBおなじみの長打期待ゆえに入った2番という打順でしっかりと仕事をしてきた証ですね。

カート・フラッド賞

アンドレ・ドーソン

 2020シーズンから新設されたCurt Flood Award(カート・フラッド賞)には野球殿堂入りのアンドレ・ドーソンが選ばれました。

カート・フラッド賞とは

 選手会への貢献と選手の権利の向上に寄与した元選手に与えられる賞です。カート・フラッドとはいわばフリーエージェントへの道を切り開いた司法闘争があった選手で、今年はその司法闘争から50周年となることから新設されました。

 カート・フラッド(Curt Flood)は1956年から1971年までプレー。レッズ、カージナルス、ワシントン・セネターズでプレー。外野手です。オールスターに3度出場。ゴールドグラブ賞を7度受賞、ワールドシリーズ・チャンプに2度。

 司法闘争とは「カート・フラッド事件」と呼ばれるもので、カート・フラッドがフィリーズへの移籍を拒否したことに端を発する一連の法廷闘争のことです。カート・フラッドはトレード無効の書面を送るも当時のMLBコミッショナーのキューン氏に却下。これに対し、選手会事務局長のマービン・ミラーが支援。当時は保留条項といって、選手の自由意志による移籍や、トレード拒否を認めない規定があったのですが、それを奴隷制度に例えて独占禁止法違反と主張して1972年に米国の最高裁判所で評決を得た動きを指します。なお、判決は選手側敗訴でした。

 この動きを見ただけでもFAへの道を開く発端となったことが伺えます。

アンドレ・ドーソン

 アンドレ・ドーソン(Andre Dawson)は現時点で66才。1976年から1996年までプレー。モントリオール・エクスポズ、カブス、レッドソックス、フロリダー・マーリンズに所属し、ROY(1976)、MVP (1987)、ゴールドグラブ賞を8度受賞、オールスター8度出場、シルバー・スラッガー賞を4度受賞し、野球殿堂にもなった外野手。

 1986年オフにFAとなったもののオーナー側が共同戦線を張って、FA選手の契約を排除する方向に。これは1972年の最高裁で選手側が敗訴している影響を受けていたとも言えるでしょう。完全な買手市場となったFA選手達はたとえばボブ・ホーナーがヤクルトへ移籍するなどして行き場を失いました。アンドレ・ドーソンはカブスとの契約が決まりましたが、その際には金額ブランクで合意。つまりカブスに好きな価格を書けということでしたが、当時のカブスGMダラス・グリーンが書いたのはバーゲンセール価格の$0.5Mプラスインセンティブでした。 

 なおエクスポズを出たのは相当な意地悪価格を提示されたこともさることながら、オリンピック・スタジアムが人工芝で膝の痛みに耐えきれなくなったため、天然芝のスタジアムでプレーしたいという考えもあってのことでした。

 今のFAは天国のようですね。それを勝ち取ってきたということでもあります。

AL アウトスタンディング・プレーヤー

ホセ・アブレイユ(CWS)

 ア・リーグの際立った活躍をしたプレーヤーにはホワイトソックスのホセ・アブレイユが選ばれました。

  • 打率(.317): AL 3位
  • HR (19): AL 2位
  • RBI (60):AL1位
  • 安打数(76): AL1位 
  • Runs Scored (43): AL3位

NL アウトスタンディング・プレーヤー

フレディー・フリーマン(ATL)

 フレディー・フリーマンはこちらでも選ばれました。

AL アウトスタンディング・ピッチャー

シェーン・ビーバー(CLE)

 こちらも文句なしですね。シェーン・ビーバーはWIN(8)、ERA(1.63)、SO(122)と投手主要部門のトリプル・クラウン達成でしたので。

NL アウトスタンディング・ピッチャー

トレバー・バウアー(CIN)

 トレバー・バウアーはERAが1.73、WHIPは0.79でともにナ・リーグトップ。奪三振100はナ・リーグ2位。果たしてサイヤング賞も奪うことが出来るか?ちなみにナ・リーグ勝利数1位は8勝のダルビッシュ投手です。

AL アウトスタンディング・ルーキー

カイル・ルイス(SEA)

 ア・リーグの選手会版ROYはマリナーズのCF、カイル・ルイスが受賞しました。2020シーズンは打率.262、OBP .364、SLG .437、HR 11、RBI 28。WARは1.4でした。開幕前はぶっちぎりでホワイトソックスのルイス・ロバートかと思われましたが、失速したのが痛かったですね。ルイス・ロバートは打率.233、OBP .302、SLG .436、HR 11、RBI 31でWARは1.6でした。数字においてもカイル・ルイスですね。

NL アウトスタンディング・ルーキー

ジェイク・クロネンワース(SDP)

 ナ・リーグの選手会版ROYはパドレスのジェイク・クロネンワースに決まりました。もうポストシーズンにおいても2Bとして欠かせない存在となりました。ジュリクソン・プロファーはLFに回されましたから。26才の遅咲きのルーキーです。

 打率.285、OBP .354、SLG .477、HR 4、RBI 20。

AL カムバック・プレーヤー

カルロス・カラスコ(CLE)

 2019シーズンにルキミアにかかっていたことは衝撃的でした。それでもカルロス・カラスコは2019年中に復帰。持病との因果関係も取り沙汰されていたCOVID-19の蔓延はさぞかし気を使ったことでしょう。難しい環境の中で、2020シーズンは20スタートで3勝4敗、ERA 2.91。

NL カムバック・プレーヤー

ダニエル・バード(COL)

 ナ・リーグで劇的な復活を果たしたのは、元レッドソックスのセットアップ・マンのダニエル・バードでした。イップスからのカムバックは他の投手にも勇気を与えたと思います。

 

 以上、2020シーズンのプレーヤーズ・チョイス・アウォードでした。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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