スポンサーリンク

【MLB移籍2022】レッズがウェイド・マイリーをカブスに渡してしまった事情

カブスがウェイド・マイリーをウェーバーで獲得

 現地2021年11月6日、ちょっと首をかしげてしまうディールがありました。シンシナティ・レッズの左腕、ウェイド・マイリーがウェーバーにかけられ、カブスがクレームオフしてしまったというディールです。

ノーヒッターも成し遂げたウェイド・マイリー

 ウェイド・マイリーは2021年、ノーヒッターも成し遂げた左腕なのはご承知の通りです。

 今季はコンバインド(複数人のリレー)も含め9度のノーヒット・ノーランが誕生しましたが、ウェイド・マイリーのノーヒット・ノーランは4度目の達成でした。

 2022シーズンで35才のシーズンとなるウェイド・マイリーは、2021シーズン後半に10Day ILの延長を繰り返し、出場機会が減りましたが、それでも28スタート、163.0イニングを投げ、12勝7敗、ERA 3.37をマーク。Baseball referenceのWARでは6.0というすごい数字を上げました。なお、FanGraphsのWARは2.9とかなり開きがあります。

ウェイド・マイリーの契約

 そのウェイド・マイリーの契約ですが、このような内容です。

  • 2 年/$15M (2020-21)+2022 $10MクラブOpt($1Mバイアウト)

 2022年が$10Mのクラブオプションで、もし行使されれば残留となり2022年のサラリーは$10M。そしてレッズがオプションを行使しなければ、$1Mのバイアウトでウェイド・マイリーに$1Mが入り、FAとなるという契約。

マイリーをウェーバーにかけたレッズ

 ところが、レッズはウェイド・マイリーをウェーバーにかけ、あろうことか、地区ライバルのカブスにクレームオフ(獲得)されてしまったのです。

レッズがマイリーをウェーバーにかけた理由

 通常、上記の契約で来季のオプションを行使しないのであれば、バイアウトとなってレッズが$1Mを支払い、FAになるというのがその流れ。

 しかし、そうとならずにウェーバーでクレームオフされたことでマイリーにバイアウトの$1Mが支払われないことに選手会からクレームがくるのではないか?と思われました。その点に関してはどうやらセーフらしく、レッズはややテクニカルな手法でレッズがそれを回避しました。

 レッズが採用したウェーバーの種類としては、Irrevocable Outright Waiversという種類かと思います(これは、公式にそのような発表ではないので、事実関係からそのように推測するしかありません)。

 というのも、2022年1月でMLSが10.025となる予定のウェイド・マイリーなら、すでにアウト・オブ・オプションでマイナー・オプションを使い切っていると考えるのが通常。よって、このウェーバーで打診したと思われます。

GMニック・クラルの見解

 なぜ、ウェイド・マイリーをウェーバーにかけたかという点ですが、レッズのニック・クラルGMの見解として、どうやらウェイド・マイリーに関して数週間前からトレードの打診をしていたとのこと。

 ところが、そのオファーに対してまるで引きがなかったようです。一応、クラルGMとしては、12勝左腕を出す代わりに、プロスペクトをゲットしようという試みだけはしていたことは伺えます。

最大の理由は、バイアウトのMの削減

 2022シーズンのオプションの行使のデッドラインが迫る中、サラリー削減のミッションを帯びているクラルGMとしては、なんとかオプション拒否とする前にトレードを成立させたかった。バイアウトとなれば、何もせずに$1Mを支出するだけになりますから。

 よって、トレードの打診という意味を込めてウェーバーにかけたということのようです。

 最大の理由はサラリー削減ではあるのですが、ことこのディールに関してはバイアウトの$1Mを削減したかった。そういうことのようです。

カブスがオプションを行使する予定

 レッズのメリットしては、$1Mのバイアウトを削減出来たこと。ただ、それにより地区ライバルにローテーション左腕を供給してしまったということになりました。

 ウェーバーでクレームオフしたカブスはマイリーの2022年の$10Mのオプションを行使することになります。

 カブス・ファンとしては、有能な左腕が入り、万々歳ということに。

皮算用もあり

 なお、トレードが不発に終わりプロスペクトが入ることもなくなり、ライバルにほぼいい価格でローテーション投手を手渡したこのディールですが、クラルGMとしては見込みがあったためそのように踏み切ったディールだったようです。

 その見込とは、トップ・プロスペクト3名の台頭。

  • リーバー・サンマルティン(Reiver Sanmartin)
  • ハンター・グリーン(Hunter Greene)
  • ニック・ロードロ(Nick Lodolo)

 リーバー・サンマルティンは2021年にデビュー済みの25才の左腕。2試合に先発し、11.2イニングで2勝0敗、ERA 1.54をマーク。

 ハンター・グリーンはご存じの通り、100mph右腕ですね。

 そしてニック・ロードロは2019年のアマチュア・ドラフト、レッズ1巡目指名の左腕。

 どうやらこの3名が控えているので、割と大風呂敷なディールをやってしまったようです。

リビルドのレッズ

 今オフ、レッズはすでに主要プレーヤー3名を失いました。ウェイド・マイリー、タッカー・バーンハート、そしてオプトアウトとなったニック・カステヤーノスです。

 レッズ・ファンは泣くに泣けない状況となっていますが、サラリー削減は引き続き、行われるようです。厳しいオフですね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

コメント

スポンサーリンク

NEW

【MLBトレードDL2024】マリナーズ、レイズからランディー・アロウザリナを獲得
【MLBトレードDL2024】Dバックスがブルペン補強に動く!マイアミからA.J. パックを獲得!
【MLB2024】レッドソックス、アレックス・コーラと3年の契約延長!
【MLB2024】ドジャース、SSの緊急補強でニック・アーメッドとメジャー契約でサイン
【MLBトレード2024噂】打撃不振が続くマリナーズ、オリオールズのライアン・マウントキャッスルに手を出すか?!
【MLB2024】ドジャース、ジェームス・パクストンをDFA!25才の右腕を招集
【MLB2024】ブレーブス、今度はオジー・アルビーズが長期離脱!マックス・フリードもILへ
【MLB2024】勝率5割超え、NLウエスト2位で上昇気流に乗ったDバックスはトレードDLでバイヤーへ
【MLB2024】レッドソックス、終盤に大失速し、逆転負け!またもピベッタの好投を活かせず
【MLB2024】ジェイコブ・ウィルソン、守備と打撃で華麗にMLBデビューを果たすも、故障で途中交代
【MLB2024】「マイナーで打ちまくり!」A’sのNO.1プロスペクト、ジェイコブ・ウィルソンがメジャー・デビューへ
【MLB2024】大苦戦のホワイトソックス、来季を見据え、ワールドシリーズ捕手のマーティン・マルドナードをDFAに
【MLBオールスター2024】大谷が先制3ランHRを放つも、MVPは決勝2ランのジャレン・デュランが受賞
【MLB移籍2024】ロイヤルズ、ハンター・ハービー獲得でリリーバーのERA改善を狙う!
【MLBオールスター】2024HRダービーを制したのはテオスカー・ヘルナンデス
【MLBドラフト2024】左右両投げでともに95mph以上!ジュランジェロ・セインチェ(Jurrangelo Cijntje)はマリナーズがピック!
【MLBドラフト2024】ガーディアンズ・ピックの全体1位はオージー生まれのトラビス・バザーナ!2Bでは史上初
【MLBオールスター】2024フューチャーズ・ゲームはレッズのキャム・コリアーがMVP
【MLB2024】フューチャーズ・ゲームのプレ・イベント、「スキル・ショーケース」が初めて開催される
【MLB2024】フィリーズがウィット・メリフィールドをリリース!目的はA’sのあの人?(追記あり)
【MLB2024】O’sのブランドン・ハイド監督がキャースタッドへの頭部死球に激昂!ベンチ・クリアー案件に
【MLB2024】ブルージェイズ、ケビン・キアマイアーをウェーバーにかける
【MLB2024】今永がまた輝く!オリオールズを相手に6回スコアレスで8勝目!ERAは再び2点台に
【MLB2024】メッツ、フィル・メイトンをレイズからトレードで獲得
【MLB2024】注目カードのドジャース@フィリーズ戦Gm1は、フィリーズが圧勝!マーシャン、ターナーが併せて6安打!
【MLBトレードDL噂2024】マイアミ、クローザーのタナー・スコットに加え、ジャズ・チザム・Jr.も放出の可能性大
【MLB2024】オールスターのピッチャーとリザーブが明らかに!今永、ポール・スキーンズ、ジャレン・デュランらが選出
【MLB2024】ラファエル・デバースが27才でキャリア通算1000安打を達成!得意のゲリット・コールからHRも(追記)
【MLB2024】ダルビッシュ投手がリストリクティッド・リスト入り
【MLB2024】ウィル・スミスが3HRと大爆発!ドジャース、逆転でブルワーズに勝利(追記あり)
タイトルとURLをコピーしました