これでALは3地区のペナントが決定
マジック2としていたミネソタ・ツインズですが、現地2019年9月25日のタイガース戦に5−1で勝利。この勝利でマジック1としました。その後、ホワイトソックス戦で苦戦していた2位のインディアンスの敗戦が確定。これにより自動的にマジックが減少し、一気にペナント制覇となったのでした。
おめでとうございます。
ア・リーグは東地区のヤンキース、西地区のアストロズに次いでこれで3地区全ての地区優勝が確定しました。
ドブナクが好投!終盤で逆転勝利
この日のツインズは6回を終了し0−1とタイガースに1点ビハインドを許す状況。しかし、7回表にランナーを一人置いてユーティリーでルーキーのルイス・アラエス(Luis Arraez 22才)が今季4号の2ランHRを放ち、2−1と逆転。
さらに8回表にはネルソン・クルーズの犠牲フライとエディー・ロサリオのHRで3点を追加。
ツインズが5-1で勝利しました。
ツインズ先発のランディー・ドブナク(Randy Dobnak 24才)は6回を被安打1、失点1に抑え、好投。これも光りましたね。ランディー・ドブナクは8月にメジャーデビューしたばかりの右腕。この日の勝利で2勝目となっています。
J・サンタナ&J・マウアー時代からのリビルド
そのミネソタ・ツインズですが、これでリーグが分かれてから11度目の地区優勝となりました(1969、1970、1987、1991、2002、2003、2004、2006、2009、2010、2019)。
クラブ創設119シーズン目ですが、クラブ史上もっとも強かった時期と言えば、2002年から2010年の9年間であると言えるでしょう。この間、地区優勝が6度。その6度の地区優勝のうち、ALCSまで勝ち進んだのは2002年、あとはALDSでの敗退。この強かった期間はワールドシリーズには出ていないのですが、優勝の頻度から黄金時代だったと言っていいでしょう。
その時期に活躍した選手の一人が左腕のヨハン・サンタナ。2000年デビューで2007年までツインズで活躍。
そしてもう一人が2004年にデビューし、2018年に引退したジョー・マウアー。
いみじくもその黄金時代は彼らのピークと一致しています。
その強烈なスター選手が段々と一線から遠のくにつれて、チームも弱体化。2010年以降では、2017年にワイルドカードで出場したのみでした。
やはりリビルドにはそれ相応の時間がかかるものですね。
2018年オフ、補強が大成功
ツインズの2018年オフのFA市場の動きは、とにかく地味でした。
- ネルソン・クルーズ(TEX)DH 1年契約
- ジョナサン・スコープ(MIL)2B 1年契約
- C.J. クロン(TBR)1B ウェーバーで獲得
- マイケル・リード(ATL)OF ウェーバーで獲得
- ロナルド・トレイエズ(CHC)3B 1年契約
- マーティン・ペレス(TEX)LHP/SP 1年契約
アダム・ロサレス(CLE)INF/OF マイナー契約→3/22リリースルーカス・デューダ(ATL)1B マイナー契約→リリース→6月、ロイヤルズとマイナー契約ティム・コリンズ(WSH)LHP/RP マイナー契約→3/22 リリース- マーウィン・ゴンザレス(HOU)UTL 2年契約
目立ったのは他球団が狙っていたネルソン・クルーズを電光石火で12月末で獲得したくらい。
とりわけ地味に映った理由は、レイズからDFAとなったC.J.クロンをウェーバーでクレームしたり、ブルワーズがノンテンダーFAとしたジョナサン・スコープを獲得したりとFA市場から漏れた選手の獲得を優先したからでした。
ただ、ふたりとも前年実績は申し分なく、C.J.クロンに至っては2018年に30HRを放っていたにもかかわらず構想上のアンマッチからDFAやノンテンダーとなっていたのでした。
よって、ツインズが獲得したのはFA市場としてのバリューは飛び抜けてはいなかったものの、仕事の出来る選手ばかり。そういう意味で狙い目の選手を積極的に補強したと言っていいでしょう。フィリーズファンの筆者からすると、見習って欲しい戦略でした。
そしてマーウィン・ゴンザレスのような目玉の選手を獲得できる余裕ができたのも大きかったです。しかも、市場より安い価格での契約。
トレード・デッドラインでロモを獲得
- セルジオ・ロモ(MIA)RHP: TDLで獲得 >>詳細
- サム・ダイソン(SFG)RHP: TDLで獲得
またトレードデッドラインではセルジオ・ロモを獲得。彼も年齢というバイアスを無くして見ると非常によい戦力です。
獲得後すぐにILとなったサム・ダイソンに関しては別記事にします。これはちょっと外れましたし、パドレスにも問題があったようです。
とにかく、仕事のできる人を獲得したいい補強だったと思います。
とんでもないHR数
そして今季のツインズで目立ったのは打撃でしたね。
以降は現地2019年9月25日時点の数字で、シーズンの確定ではありませんが、このようになっています。
【チームスタッツ】
- HR数:299(両リーグ通じ、ヤンキースとともにトップタイ)
- RBI:884 (両リーグ通じ2位。1位はヤンキースの885)
- RUN:924(両リーグ通じ2位。1位はヤンキースの924)
- 打率:.270 (両リーグ通じ2位。1位はアストロズの.275)
ドイツ出身、M・ケプラーが活躍
個人成績を見てみても、今季の躍進が伺える数字が出ております。
- HR 30本以上:5名
- N・クルーズ:40
- M・ケプラー:36
- M・サノ:33
- E・ロサリオ: 32
- M・ガーバー: 30
- 打率.260以上(AB 300以上):5名
- L・アラエス: .344 (ABは317)
- N・クルーズ:.305 (AB 446)
- J・ポランコ:.297(AB 626)
- E・ロサリオ:.278 (AB 554)
- M・ゴンザレス: .264 (AB 425)
- RBI 90以上:3名
- E・ロサリオ:108
- N・クルーズ:106
- M・ケプラー:90
(いずれも2019年9月25日時点の数字)
特に今季はMLBでは珍しいヨーロッパのドイツ出身、マックス・ケプラーが大いに活躍しました。彼の台頭で打線に厚みが出たと思います。契約延長して正解でした。
安定したローテーション
そして投手陣の方ですが、先発ローテーションは二桁勝利が5人も出ました。
- J・オドリッジ(Odorizzi, J):15-7/ ERA 3.51
- J・ベリオス(Berrios, J):13−8/ ERA 3.70
- K・ギブソン(Gibson, K):13−7/ ERA 4.88
- M・ピネダ( Pineda, M): 11-5/ ERA 4.01
- M・ペレス(Perez, M): 10-7/ ERA 5.13
なお、以前スピットボールでグラブに松脂をつけていたことを試合中に指摘されたことのあるマイケル・ピネダは今度はPeds(Performance Enhancing Drugs)使用で60試合のサスペンションを9月初旬にくだされております。
彼はヤンキース時代の肩の手術以降、2度目の不正ですが、もうぎりぎりのコンディションで仕事をしているのでしょうね。マリナーズでデビューしたときの衝撃は今でも忘れられません。糸を引くようなファストボールでした。よって、馬鹿なことはもうやめてもらいたいですね。
ブルペンもERAが良い
投手陣に関して、今度はブルペンの方ですが、ERAが非常によかったです。
登板試合数順に並べるとこのような感じです。
- トレバー・メイ(May, T):64 G/ 5-3-2SV/ ERA 2.98
- ラン・ハーパー( Harper, R):60 G/ 4-2-1SV/ ERA 3.71
- テイラー・ロジャース(Rogers, T):59 G/ 2-4-35SV/ ERA 2.65
- タイラー・ダフィー( Duffey, T): 57 G/ 4-1-0SV/ ERA 2.22
- ブレイク・パーカー( Parker, B): 37 G/ 1-2-10SV/ ERA 4.21
タイラー・ロジャースは双子メジャーリーガーとして話題になりました。話題だけではなくていい仕事をしています。
ブレイク・パーカーもノンテンダーFAからの獲得で、結局戦力に仕立てましたね。
ツインズ、人材の適材適所が半端なくうまくいきました。
イメージ:色使いがトロピカルになる
今季のツインズですが、イメージを変えています。
チームロゴなどの大事なところは変えていないのですが、SNSのバナーなどロゴ以外の枠とか、線とかの色使いがトロピカルな感じになりました。
イメージを明るくした戦略を採ったのではないかと推測します。特にチームカラーになかった水色、黄色、オレンジを多用し、ユーザーインターフェースのデザイン性が向上したと考えています。(とっつきやすくなったと思わないでしょうか??)
いままでのネイビー&レッドだけだと国旗カラーで他クラブもよく使っているので面白みがなかったのですが、上記のツイッターのバナーのように中南米系というか、とにかく「また見たい!」という色使いになったのではないかと思います。
その戦略はよかったのではないかと思います。
とにかく、優勝おめでとうございました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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