9度目登板のDバックス戦は2番P(NLホーム)
日本中が沸き立つ大谷選手の登板日。現地2021年6月11日(金)、チェイス・フィールドでDバックスを相手に今季9度目のマウンドに立ちました。なお、この日はナ・リーグホームのゲームなので、DHはありませんでした。
前回のマリナーズ戦では6回を被安打4、失点2、10Kで今季2勝目を上げた大谷選手。今回はナ・リーグ西地区最下位のDバックスを相手に、3勝目も期待したいところでしたが、残念ながら勝ち星はつかきませんでした。しかし、先発投手として見事にゲームメイク。
それだけでなく、打撃でもチームの勝利に大きく貢献しました。
ギアアップでほぼ100mph
投げる度に調子を上げてきている大谷投手。5月中旬から下旬にかけての疲れはもう見られず、むしろ進化してきているように感じました。
この日は5イニングを投げ86球。うちストライクは54球。四球は2つしかなく(デッドボールは1つ)、三振を8個奪ったのでやや球数は増えたものの、投げる度に精度が上がってきているようです。
ベロシティーはMid-90mphで移行しつつ、ランナーがスコアリングポジションに進むとギアを上げるという投球を披露。この日のMaxはほぼ100mphの99.6mph(160.29mph)をマークしました。
3回に自打球で悶絶も、即二塁打
Dバックス先発はメリル・ケリー。先制点はエンゼルス。3回表、この日もコンビを組んだカート・スズキがLFポール際にソロHRを放ち、まずは1点を先制。スズキのLFポール際への対空時間の長いHRはよく見ますね。
2アウト後、リードオフに入っているジャスティン・アップトンが四球で出塁。次打者は大谷選手。その大谷選手は初球のカーブを空振り。2球目、インコースへのカットボールを狙うも、やはりボールが動いている分、ややバットの根本に。これが右足の膝を直撃。悶絶するシーンがありました。
自打球で骨折もあるので、「ヒヤリ」としましたが、なんとか痛みをこらえてゲーム再開。6球目、シンカーをものすごいスピードで弾き返した打球は右中間を割る二塁打に。これに1塁ランナーのジャスティン・アップトンが還り、エンゼルスは2-0とリード。
さらにアンソニー・レンドンもCF前に弾き返し、2塁から大谷選手がホームイン。エンゼルスが3点をリードする非常に良い展開に。
5回に2つのボーク
5回裏、大谷選手はメリル・ケリーの代打で登場したティム・カストロにデッドボール。次打者のジョシュ・ロハスはSSゴロでホセ・イグレシアスがさばいてまずは1アウト。ランナーが入れ替わりました。しかし、ケーテル・マルテにストレートのフォアボールを与え、1アウト1,2塁という状況に。
そこからギアを上げ、アズドルバル・カブレラはスプリットで1Bポップフライで2アウト。
1つ目のボーク
つづくバッターは今季好調でHRランキングにも名を連ねるエドゥアルド・エスコバー。その初球。2塁への偽投を試みた大谷選手に対し、塁審がボークを宣告。どうやら偽投前にピクっとした動きがボークと取られた模様。これでランナーは2、3塁へ進塁。
2つめのボークは微妙
さらに1ボール2ストライクのカウントで、スプリットを投じたのですが、今度は3塁塁審からボークの宣告。これはしっかりと止めていなかったと取られたようです。これにより、またランナーがそれぞれ進塁し、スコアは1-3に。
この時に投げたスプリットは、ボークの発生が投球前(もう投げてしまいましたが)であったことから、ノーカウントです。投げる前にボークだったという判定。
しかし、ちょっと厳しすぎでしたね。
ワイルドピッチで2点目
エドゥアルド・エスコバーには最後、スプリットで空振り三振を奪い、これでチェンジだったのですが、ワイルドピッチとなり、2アウトで振り逃げが可能でしたから、エスコバーは振り逃げでセーフ。その間に3塁ランナーが生還し、2 点目を与えてしまいました。
このイニングに安打を許したのはこの後のパヴァン・スミスのシングル1本だけでしたので、ちょっと悔しい2失点でした。
6回裏からRFへ
大谷選手は結局、5回で降板。被安打5、失点2、BB 2、奪三振8。ERAは2.85でまだ2点台をキープ。
エンゼルスは6回表にカート・スズキがタイムリーを放ち、大谷選手に1点をプレゼント。エンゼルスが4−2のスコアでリードを2点に拡げました。
降板後、大谷選手はRFの守備に。
中継ぎキーマンのクリス・ロドリゲスが打たれる
エンゼルスの2番手はクリス・ロドリゲス。ナイス・デビューを果たした後、怪我で戦列を離脱していましたが、6月7日のロイヤルズ戦から復帰。
かなり期待していい投手なのですが、この日は打たれました。クリス・ロドリゲスは代わりばなから2長短打を許し、大ピンチに。結局、フィルダースチョイスとシングルで2点を奪われ、残念ながらこの時点で大谷選手の勝ち星は消えました。
クリス・ロドリゲスは1アウトも取れずに降板。この日は復帰2戦目ですが、ちょっとおかしいですね。連打が続いています。
エンゼルスは3番手にマイク・マイヤーズを起用。彼が後続をきっちり抑えて、二次災害は防ぎました。スコアは4-4。
7回に勝ち越し
エンゼルスは7回表、Dバックスのテイラー・クラークの乱調につけ入り、ワイルド・ピッチで勝ち越し。スコアは5-4。
なおこの得点には大谷選手も絡み、二塁打を放っています。あわやHRかという当たりでした。そして、大谷選手はこの攻撃でお役御免に。打撃では4-2、1RBIで打率は.267。OPSは.961です。
さすがにエスコバー、土壇場で同点HR
このまま逃げ切りたいエンゼルスは9回裏に守護神のライセル・イグレシアスをマウンドに。ライセル・イグレシアスは2アウトまで順調に奪ったものの、ここで打席にはエドゥアルド・エスコバーを迎えます。イグレシアスは2ストライクまで奪っていたのですが、7球目、チェンジアップが甘く入り、これをRFスタンドに放り込まれ、土壇場で5-5の同点にされてしまいました。
やはり右投手の投げる左打者へのチェンジアップは高さを間違えるとこういうことも起こるんですね。
Dバックス、リリーフが崩れる
この流れで行けば、Dバックスが有利だったのですが、ライアン・ブッチャーが乱調でした。1アウトを奪ったものの、テイラー・ウォードに死球を与え、オートマチック・ランナーを含め、1アウト1、2塁に。
3バッターミニマムを忘れたDバックス
2020シーズンから3バッターミニマムは禁止されていますが、ここでDバックスはライアン・ブッチャーを降板させようとしたところをエンゼルスがクレーム。これにより、ライアン・ブッチャーは再度マウンドへ。ちょっと主審もおかしかったですね。
ライアン・ブッチャーはカート・スズキに死球を当て、3人を投げたところで降板。ちなみにカート・スズキには投手のグリフィン・カニングが代走で入りました。
エンゼルスは1アウト満塁でライセル・イグレシアスの代打に、マックス・スタッシを起用。
マックス・スタッシの内野ゴロの間にエンゼルスが1点を勝ち越して5-4に。
10回裏、エンゼルスはスティーブ・シーシェックをマウンドに。先頭打者に四球を与えた時点でまた同点になると思ったのですが、さすがにマイアミでクローザーを経験していた投手です。後続2人をポップフライで打ち取り2アウト。最後は、アレックス・クロウディオにスイッチ。エンゼルスがなんとか5-4で逃げ切ったというゲームでした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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