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【選手会への提案1日目】MLBPAはユニバーサルDH導入に賛成の見込み。MLBはヘルスプラン、レベニューシェアリングを提案せず

1日目は大きな進展はなし

 現地2020年5月12日、MLBはMLBPA(選手会)に2020年シーズンに開催における提案を行いました。

 MLBからオーナーへの提案・承認はスピード感をともなって行われましたので、情勢からすると提案初日に全項目に関して賛否の結論だけは出る可能性もあると思っていたのですが、結論から言うと、この日は大きな決定事項はなし。

重要事項

 重要事項は前日の記事の通りです。

  1. プレーオフ参加クラブは10から14へ拡大
  2. レギュラーシーズンは162試合が82試合の設定に
  3. 州、連邦政府の承認を得たホームスタジアムの使用
  4. スプリングトレーニング2.0は6月スタート、シーズン開幕は7月初頭
  5. ユニバーサルDHの採用
  6. 同一地区の対戦。インターリーグも同地区での対戦に
  7. アクティブロスターは30manに 、枠は50人に
  8. レベニュー・シェアリング: 50/50

ヘルスケア・プランとレベニューシェアリング

 中でも大きな柱は、ヘルスケア・プランとレベニューシェアリングのプラン。

 ヘルスケア・プランは上記の8項目の中で複数の項目に渡っていますが、特に3の「州、連邦政府の承認を得たホームスタジアムの使用」、4の「スプリングトレーニング2.0は6月スタート、シーズン開幕は7月初頭」、6の「同一地区の対戦。インターリーグも同地区での対戦に」に影響してきます。

 そして8の「レベニューシェアリング:50/50」は選手のサラリーのさらなる削減提案。

 この日はその根幹となる2つの柱については結論は出ておりません。

ヘルスケア・プロトコルの設定

 この日、MLBは後日に80ページほどにわたるメディカル・ガイドラインが記載されたドキュメントを準備すると説明。メディカルに関してはこの段階でとどまりました。

 さすがに地域によって感染の度合いが違いますので、行動にまで落とし込んだメディカルなプロトコルを定めるのは一朝一夕には出来ません。ここはある程度時間をかけた方が、よい項目です。選手、コーチ、その家族、クラブのスタッフ、球場のスタッフの安全をしっかりと打ち出したことが適正であると思います。

レベニューシェアリングも話し合われず

 肝心要のレベニューシェアリングについてはほぼノータッチと言ってよかった初日でした。ハラの探り合いということでしょうか。

 これに関してはMLBPA側の風向きはよろしくありません。

 社会情勢からすると、もう当月の家賃の支払いに窮する人、あるいは先が見えず明日の買い物も控えるような状態の人がいる中で、MLBの選手のサラリーはフルではないとは言え、多額ではないか!という意見を持ち出されれば非常に厳しい立場になります。

 イリノイの州知事は「野球が戻ってくることは大歓迎だが、選手たちにはがっかりだ」と、レベニューシェアリングを拒否する見込みの選手会側をチクリと刺しています。

 いろんな意見があるのは承知の上で、まずはしっかりと選手側の主張も行うことが大事かと思います。たぶん、批判されるとは思います。

「無観客」のインパクトは大きい

 シーズンが始まって観客を入れるかどうかというのもまだ決まっていません。アリゾナの州知事は5月16日からプロスポーツがアリゾナで開催できるようにすると宣言しました。ただし、「NO FAN」、無観客での開催のOKです。

 被害の少ないアリゾナでもこの態勢ですから、開幕はあと1ヶ月半後とは言え、他の地域も無観客で始まる可能性は高いです。ただし、アリゾナは「開始時点では無観客で」と言っているだけです。

 メディカルなガイドラインはここでも大きな要素となっています。

 この無観客により、全体の収益の中のゲート収入が占める割合が40%もあることから、オーナー達はさらなるサラリー削減策としてはのレベニューシェアリングの導入を提案しているので、この「無観客」というのも両者間の話合いで今後の大きな要素であることは間違いありません。

ユニバーサルDHは導入される見込み

 こちらはジョン・ヘイマンさんの情報ですが、ユニバーサルDHは導入される見込みです。

 ユニバーサルDHとは、「ユニバーサル:普遍的」という意味から、「DHがデフォルトになる」という考え方。特に、ピッチャーが打席に立つナ・リーグに向けた主張でもあります。

 こちらも現時点では選手会が承認してはいませんが、容易にOKを出すであろうということです。

 特に、ナ・リーグの打者にとっては、STATS(成績)が上がるチャンスでもあり同時にサラリーが上がる要素が増えるということゆえに歓迎されるという見方です。

ずっとデフォルトになる可能性あり

 2020年の短縮シーズンではそれもよいでしょう。ただ、MLB側はずっとユニバーサルDHを主張していて、一旦導入されれば2021年以降も導入される可能性があります。

 ピッチャーが打席に立つことを良しとする立場の筆者としてはこれは困ります。野球の魅力の一つが失われることは阻止してもらいたいところではあります。

 以上、MLBとMLBPAのミーティングの1日目に関する情報でした。

 数週間かかるかもしれませんね。開幕が待ち遠しいです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. Arin より:

    私も、今年限りのDHであってほしいなぁとおもうばかりですが、分業制が際立つメジャーだとメリットを重視しそうですし、悩みどころですね。
    ただ、メジャーが導入すれば、自ずとNPBもセ・リーグもDH推進さらに進めそうですし…。原さんだけか?
    しかしながら、国内外でも 2-way player 目指して頑張ってる子供達もたくさんいますし、現に学生スポーツだと双方こなす子もいますからね。そういう子達の夢がついえないことを願うばかりです。
    DHありきでの2-way より強打のピッチャー ってのが個人的にはかっこいいとおもうんですがね…。なにはともあれ、開幕が少しずつですが見えてきたのは嬉しい限りですね。

    • hirotee より:

      Arin様
      こんにちは。
      ピッチャー・バッティングについて同じご意見で嬉しいです。
      2020年に関してはとにかく出場する野手を増やすという意味で、それなりに思いやりのある救済になるか?とも思っています。
      ヘイマンさんも書いていましたが、ドジャースなどはいいヒッターが多いのでハッピーかと思います。依然、左偏重ではありますが、
      得点力アップにつながりそうです。
      本当に開幕が見えただけでも嬉しい限りです。昨年までがいかにラッキーなことだったのかと日常のありがたさを痛感する次第です。
      コメントありがとうございました。

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