レッズ、ローテーション右腕を補強
現地2023年12月30日、シンシナティ・レッズがヤンキースからFAのフランキー・モンタス(Frankie Montas)と1年契約で合意しました。
今回はなかなかの高額ディールになった模様です。フランキー・モンタスのエージェントはあのボラス・コーポレーション。後述しますが、フランキー・モンタスは肩の手術後の契約です。にも関わらず、1年とは言えかなりの高額契約となったということは回復にはかなりの自信を持っていると見てよさそうです。ボラス・コーポレーションが良い材料を見過ごすわけがありませんから。
契約内容
1日待ってある程度、情報の確度が上がるのを期待したのですが、一旦は合意事項のまま記載します。上述のように右肩の手術の件があるので、フィジカルチェックは入念なようです。契約は大筋で以下の通り。
- 1年/$16M (2024)
おそらく総額で$16Mかと。何らかのべスティング(あるラインの成績をクリアーすれば良い)はオプションとして設定されているかもしれませんね。
レッズ、ニック・マルチネスも補強済み
なお、今オフのレッズは、ローテーション補強に熱心です。基本的には市場で中盤程度のランクの投手に接触していますが、その中でも最もランクが上だったのが、ソニー・グレイ。元レッズの投手でもあります。残念ながらカージナルスに持って行かれました。
その他にもパドレスからFAとなっていたセス・ルーゴにも接触。こちらはロイヤルズとのディールが決まりました。
大きめの案件に2度敗れたものの、現地2023年12月1日には、パドレスからFAとなったニック・マルチネスと2年/$26M (2024-25)でサイン。ニック・マルチネスはパドレスから2024年のオプションを拒否されFAとなっていました。彼はブルペンでの起用が見込まれますが、ローテーション・スポットも可能。柔軟な起用が出来るというメリットがあります。今回のフランキー・モンタスは完全にローテーション起用です。
レッズのローテーション
2023年のレッズはエリー・デラクルーズをはじめとしたプロスペクト達が躍動し、82勝80敗で黒字で幕を閉じました。
故障と体調不良が続いていた2013年のROYのウィル・マイヤーズをゲームから外したことで彼らの出場機会を創出。ウィル・マイヤーズは結局、ロスターからも外すことに(DFA)。
攻撃力がアップしたレッズですが、いかんせん投手陣が厳しかったです。最後は、アンドリュー・アボットくらいしか信頼出来る投手がいなくなり、そのアボットももう息切れ状態になりましたね。もう1枚、2枚、信頼できる投手がいればポストシーズンもあり得ました。
そんなレッズの2024年のローテーション候補は現時点ではご覧のメンバー。
- ハンター・グリーン
- アンドリュー・アボット:LHP
- グラハム・アッシュクラフト
- ニック・ロードロ:LHP
- ブランドン・ウィリアムソン:LHP
- コナー・フィリップス
- フランキー・モンタス
100mphを超えるファストボールを持ちながら、回転のせいか一発病に見舞われているハンター・グリーン、強いボールを投げるニック・ロードロなど良い投手がいるのは事実。アンドリュー・アボットが前年のような投球をするかどうかはスプリング・トレーニングが始まらないとわかりませんが、フランキー・モンタスが入ったことで厚みは出ました。
フランキー・モンタスとは?
元レッドソックス(2009)
さてそのフランキー・モンタスについて。1993年3月21日生まれで2024年の開幕時は31才になる右腕。ドミニカ共和国出身でもともとは、2009年に16才でアマチュアFAとしてレッドソックスとサイン。
3チームトレードでCWSへ(2013)
2013年、クラスAで投げていたフランキー・モンタスは同年7月のトレード・デッドラインでホワイトソックスへ移籍。このトレードはレッドソックス、タイガース、ホワイトソックスの3チームによるブロックバスター・トレードで、有名どころとしてはレッドソックスがジェイク・ピービーをホワイトソックスから獲得し、ホセ・イグレシアスをタイガースにトレード。タイガースはアビサイル・ガルシアをホワイトソックスへ。ホワイトソックスはレッドソックスからフランキー・モンタスとJ.B.ウェンデルケンらを獲得。
フランキー・モンタスはホワイトソックスへ移籍後の2015年にメジャー・デビュー。7試合、2先発で0勝2敗。
2度目の3チーム・トレード(2015)
デビューシーズンのオフの2015年12月にまたもや3チームトレードに巻き込まれます。今度の3チーム・トレードではドジャースに移籍。
このトレードは、ホワイトソックス、ドジャース、レッズが参加。有名どころとしてはモンタスと一緒にドジャースに移籍したのがOFのトレイス・トンプソン。ドジャースからレッズに1B/OFのブランドン・ディクソン、INFのホセ・ペラーザらが。レッズからホワイトソックスにはトッド・フレイジャーが動きました。
移籍後の2016年は怪我のため、MLBでの登板はなし。
今度はOAKへ(2016)
怪我の治療中だったフランキー・モンタスはドジャースでのMLB登板をせずに、2016年8月1日に今度はアスレチックスへ移籍。ドジャースがアスレチックスからジョシュ・レディックとリッチ・ヒルを獲得したトレードで一緒に動いたのがジャレル・コットン(Jharel Cotton)ら。
2017年、アスレチックスでMLBに復帰したモンタスは、リリーフとして23試合に登板するも、ERAは7.03。
本領を発揮するのは2018年から。このシーズンは13試合で11先発で、5勝4敗でERAが3.88に改善。
絶好調もPeds陽性!80試合のサスペンション
さらに良かったのが2019年。開幕から6月20日まで順当にローテーションを守り続け、15試合で9勝2敗、ERA 2.70をマーク。このままサイ・ヤング賞候補になるか?と思われました。
しかし、好事魔多しというべきか、フランキー・モンタスは2019年6月21日、Peds (身体強化物質)に陽性反応が出たこととでMLBの薬物規定に違反し、80試合の出場停止処分を言い渡される事態に。勿体なかったですね。これにより、オールスターの出場はキャンセルに。
モンタスは、禁止物質であるオスタリンを進んで摂取したわけではなく、市販のサプリメントを摂取したと主張したものの、摂取のミスの責任は認めました。復帰は同年9月25日。
2020年はコロナ・パンデミックで調子が上がらず、11試合で3勝5敗、ERA 5.60。それでもポストシーズン・デビューを果たし、10月1日のホワイトソックスとのワイルドカード・シリーズGm3では、シーソーゲームの中、3番手として2イニングを抑え、6-4の勝利に貢献。しかし、アストロズとのALDS Gm4では先発して、3.2 IPで5失点。敗戦投手に。
素晴らしかった2021年
翌2021年は開幕からローテーションを守り続け、32先発で13勝9敗、ERA 3.37をマーク。9月から10月にかけては、6試合に登板して3勝0敗、ERA 2.19、37 IPで40 SOをマーク。AL POM (Pithcer of the Month)を受賞。シーズン IPは、187.0 を数え、SO も207。サイ・ヤング賞投票で6位に入る活躍を見せました。
NYYへ(2022)
アスレチックスは2022年シーズン前にコストカットで多くの中心選手を放出。
フランキー・モンタスはアスレチックスで開幕を迎え、最初の4カ月で19試合に登板して4勝9敗、ERA 3.18と悪いチーム事情の中、奮闘しましたが、8月1日にルー・トリビーノとともにヤンキースに移籍。コナー・ボウマン、ルイス・メディーナ、JP・シアーズ、ケン・ウォルディチャックらがアスレチックスに動きました。2023年にA’sで奮闘した選手ばかりですね。
ヤンキース移籍後は振るわず、8試合に登板して1勝3敗、ERA 6.35。結局、2022年は5勝12敗、ERA 4.05に終わりました。ポストシーズンでもアストロズとのALCSGm1リリーフとして登板したのみ。ジェレミー・ペーニャにソロHRを打たれ、これが決勝点に。
2023年は肩の手術
さて、ここでようやく右肩の手術の件が出てきます。2023年のスプリング・トレーニングでフランキー・モンタスは右肩の手術の実施が必要となり、、シーズンのほとんどを離脱。
シーズン中に復帰したものの、9月30日のシーズン最終戦のロイヤルズ戦の5回から6回にかけて1.1イニングを投げたのみ。スコアレスだったものの、被安打2でした。
フランキー・モンタスの2023年のサラリーは1 年/$7.5M。今オフが初FAで、当然のことながらNYYからQOの提示はなし。今回の契約では単価が上がっています。
皆、NYYから卒業した後に良い成績を残しています。果たして2021年のような投球を見せることが出来るでしょうか?
お読みいただき、ありがとうございました。
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