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【MLB移籍2023】エンゼルスがツインズからジオ・ウルシェラ(Gio Urshela)を獲得したトレードについて

エンゼルス、3Bを獲得!?

 現地2022年11月18日、この日はノンテンダー・デッドラインの日でしたが、ミネソタ・ツインズは3Bのジオ・ウルシェラ(Gio Urshela)をエンゼルスにトレードに出しました。

 まずはトレードの概要から。

トレード概要

 今回のトレードは1:1です。実績のある経験豊かな内野手と10代のプロスペクト右腕とのトレード。

エンゼルスGet

  • ジオ・ウルシェラ(Gio Urshela/31)3BorSS/右投げ右打ち

ウルシェラに変更します。

 今まで当ブログは「アーシェラ」と記載してきました。これはかつて実況を聞いた時に「アーシェラ」と発音するケースが多かったからです。おそらく英語の発音としては「アーシェラ」と読むケースが多かったからでしょう。

 ところが近年は色々な観点から、その人の名前の本来の発音での実況に変わってきております。

 Baseball Referenceを見ると、 “\ur-SHELL-uh\”という記載になっていることから、これを機に「ウルシェラ」に表記変更いたします。正確には「ウーシェラ」に近いと思いますが、「ー」の部分は下を巻くので小さな「ル」が入る感じです。

 なお、ギブン・ネームの”Gio”は、”Giovanny(ジョバニー)”の略称です。

ツインズGet

ウルシェラもノンテンダー候補だったか?

 ジオ・ウルシェラはMLSが2023年1月の計算で5.127。つまり、調停ステータス。彼の存在感から行けばどうしても外せない選手であることは確かなのですが、2022年の$6.55M のサラリー、あるいは後継となる3Bとしてホセ・ミランダらが育ってきている面からいけば、ウルシェラも十二分にノンテンダーがあり得た中でのトレード成立でした。

 ツインズにとっては、どう化けるかわからない19才のプロスペクト右腕でまずは当面のコストも抑えられるし、この右腕をじっくり育ててみようというところかと思います。

SSでの起用

 このトレードにいささか「?」をつける方も多かったと思います。それは「エンゼルスには3Bにアンソニー・レンドンがいるじゃないか?」ということです。

 しかも、レンドンのAAVは$35M!出場すれば非常に生産的な仕事をするアンソニー・レンドンですが、怪我が多いのが大きな難点。とは言え、$35Mの選手にわざわざ怪我に備えたバックアップを準備しておく?仮にレンドンもしくはウルシェラを他のポジションで起用したとして、ルイス・レンヒーフォ、デービッド・フレッチャーはどうする?などです。

 この点で行けば、レンドンはあくまで3B。もちろん、長いシーズンなのでDHもありますし、ひょっとしたら、他のポジションもあり得ますが、あくまで3Bはレンドン。

 ジオ・ウルシェラはSSでの起用ということで獲得したと言っていいでしょう。

SSの打撃が壊滅的だった2022のLAA

 エンゼルスの2022年のSSは、守備の達人のアンドリュー・ベラスケスが124試合と最多出場。たとえ、打率が.196でOPSが.540であってもゴロを打たせる投手の多いエンゼルスにとっては守備で欠かせない存在でもありました。OPS .540は終盤にやや挽回した名残のある数字で、シーズン中は.300台とかなり厳しい状態が続いていたのも確か。

 終盤に期待のプロスペクトのリヴァン・ソトが出てきたのは光明ではありました。

 デービッド・フレッチャー、ルイス・レンヒーフォは2Bもしくは3Bで起用したい選手。

 エンゼルスのSSの打率は.224でMLB26位。最下位でなかったのが驚きなくらい。OPSは.602でMLB28位。

 このアンバランスをどうにかしたいというのがこのトレードの背景でもあります。

グラブさばきはすばらしいウルシェラ

 そのウルシェラは、もともとはSSの選手。ヤンキースではディディ・グレゴリアスがいましたし、SSが守れる内野手として3Bなどをこなしていた選手なので守備にはもともと素晴らしいものがあります。グラブさばきはとても美しい選手。

 キャリア7シーズンで最も多く守ったのは3Bですが、SSとしても計43試合に出場しています。

【YOUTUBE】Giovanny Urshela Defensive Plays

ツインズの3Bはホセ・ミランダが最有力

 なお、このトレードにより3Bスポットが空いたツインズですが、2022年に1Bを守ったホセ・ミランダが3Bに就くと見られています。ユーティリティーのアレックス・キリロフは1Bに固定となりそうです。

 ツインズはSSのカルロス・コレアも出てしまいましたが、2022シーズンにバッティング・チャンプ(打率)となったルイス・アラエズが2Bに、2Bを守ったホルヘ・ポランコが本来のSSに戻るということになりそうです。

 2023シーズンは前田投手も戻ってきますから、しっかり守って上げてもらいたいですね。

ジオ・ウルシェラとは

 簡単な選手紹介を。ジオ・ウルシェラは1991年10月11日生まれの31才。コロンビア出身です。もともとは2008年にインディアンスとアマチュアFAとしてサイン。

 デビューもインディアンスで2015年6月でした。23才の時です。ルーキー・イヤーは81試合に出場し、打率.225、OBP .279、SLG .330、HR 6、RBI 21。このシーズンの守備は3Bのみ。

 2016年は終年AAAのコロンバス・クリッパーズで過ごしました。大きな怪我などではないです。2016年、インディアンスはカブスとワールドシリーズを戦いましたが、ウルシェラは出場しておりません。

 2017年にメジャーに復帰。67試合で打率.224、OBP .262、SLG .288、HR1。

2018年はシーズン開始当初からハムストリングスを傷め、DL入り(今はILですが、当時はDL)。そして5月にはDFAとなってしまいます。DFA後にマイナーへオプションとなりましたが、拒否。トレードでブルージェイズに移籍しました。ブルージェイズからは後日指名の選手がインディアンスに。

 この当時ブルージェイズはSSのトロイ・トゥロウィツキ、そしてアレドミス・ディアスが同時にDL入りとなり、この機にジオ・ウルシェラはチャンスを得ました。トロントでは19試合で、打率.233、OBP .283、SLG .326、HR 1。ただし、昇格後に好調を維持出来ずにAAAバッファローに落ちました。

 その後、2018年8月にマイナートレードでヤンキースのAAAに移籍。ここでウルシェラは打撃に良いきっかけを得、9月までの1ヶ月で、打率.304、OPS .815をマーク。これがメジャーで安定する契機となったのです。

 ヤンキースでは2019年に132試合に出場。打率.314、OBP .355、SLG .534、OPS.889、HR 21、RBI 74と活躍。一躍、スターダムへ躍り出たのでした。 

 短縮シーズンとなった2020年も60試合中、43試合に出場し、打率.298をマーク。

 2021年も116試合に出場。打率.267、OBP .301、SLG .419、OPS .720、14HR、49RBIをマーク。次から次へと外部からFAが来てポジションを獲られる中、この出場試合数、この数字は素晴らしいの一言です。

 2022年3月のCBAの交渉明け、ジョシュ・ドナルドソンとアイザイア・カイナー=ファレファらと引き換えに、ゲイリー・サンチェスとともにツインズへ移籍。

 2022シーズンは144試合、打率.285、OBP .338、SLG .429、HR 13、RBI64をマーク。

 このようにヤンキースへ移籍してからは非常に安定した数字を出しているのがジオ・ウルシェラの特徴。しかも球際に強く、得点、失点の嗅覚も効く選手なので、非常に実戦向き。ヤンキースがどうしてトレードに出したかわからないくらいの逸材でもあります。

アレハンドロ・ヒダルゴとは

 アレハンドロ・ヒダルゴは、2003年5月22日生まれの19才。ベネズエラ出身です。

 2021年、18才でプロデビュー。2022年にはクラスAで投げており、10試合、39.0イニングでERAは4.62。BB9が4.4とコントロールに難があるものの、SO9は13.9。ツインズとしてはここを買ってのトレードかと思います。エンゼルスのトップ30プロスペクト中22位にランクされておりました。コントロール次第です!!

 以上です。お読みいただき、ありがとうございました。

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