センセーショナルな20才がロスターIN
現地2023年3月25日、カージナルスの発表によりますと、20才の3Bで、右投げ右打ちのジョーダン・ウォーカー(Jordan Walker)がオープニング・デーのアクティブ・ロスターに入ることが決まりました。
We have optioned LHPs Génesis Cabrera, JoJo Romero, and INF/OF Juan Yepez to the Memphis (AAA) roster.
— St. Louis Cardinals (@Cardinals) March 26, 2023
We have selected INF Taylor Motter to the team’s 40-player Major League roster.
Top prospect OF Jordan Walker and Motter have made the #STLCards 26-player Opening Day roster. pic.twitter.com/0TYWyV4PZr
ロスター調整
カージナルスはこのセンセーショナルな20才の内野手に加えて、33才のベテラン・ユーティリティーのテイラー・モッター(Taylor Motter/ 右投げ右打ち)もオープニング・デーのアクティブ・ロスターに入れることを発表しています。
テイラー・モッターもアクティブ・ロスターに
テイラー・モッターは、2022年11月にカージナルスとマイナー契約。今スプリング・トレーニングでは、22試合で51打数12安打、打率.235、OBP .361、SLG .412、OPS .773、HR 3、RBI 6、BB 10、SO 15と結果を出し、現地3月25日に40manロスター入り。そのまま開幕の26人のアクティブ・ロスターに入りました。
ロスター調整として、左腕のジェネシス・カブレラ、同じく左腕のジョジョ・ロメロ、ユーティリティーのフアン・イェペスがトリプルAにオプションされることとなりました。
ジョジョ・ロメロは、現地2023年3月20日のWBC準決勝のメキシコ@日本戦で、吉田選手が7回裏に同点3ランHRを打った時の投手です。
トリプルAを経ずにメジャーへ
さて、ジョーダン・ウォーカーですが、2002年5月22日生まれの20才(現地2023年3月25日時点)。
2020年ドラフトのカージナルスの1巡目(全体21位)でピックされた右投げ右打ちの内野手です。
2020年はマイナー・リーグがコロナ・パンデミックでキャンセルとなったため、プロデビューは2021年から。プロデビューのランクはクラスAからのスタートで、ルーキー・リーグを経ておりません。
2021年はクラスA+にも昇格し、双方のレベルを合わせた成績は、82試合で326-103、打率.317、OBP .388、SLG .548、HR 14、二塁打 25、RBI48、SB 14、BB 33、SO 87。
2022年はダブルAで開幕を迎え、そこでフルシーズンを過ごしました。119試合に出場し、461-141、打率.306、OBP .388、SLG .510、HR 19、二塁打 31、RBI 68、SB 22、BB 58、SO 116をマーク。
また秋にはAFL(Arizona Fall League)にも参加。ここでも結果を出していて、打率.286、OBP .367、SLG .558、OPS.925、HR 5、二塁打 6、RBI 16、SB 3、BB 10、SO 23。
今回のアクティブ・ロスターへの選出は、トリプルAを経ずにメジャー・デビューすることとなります。
ちなみに飛び級昇格と言えばブライス・ハーパーのイメージがあると思いますが、ハーパーの場合、デビュー・イヤーの前年の2011年はクラスAとダブルAで過ごし、秋にAFLに参加。そして、デビュー・イヤーの2012年は、開幕は一旦20日ほどトリプルAで過ごした後、2012年4月28日にメジャー・デビューしていますので、一応トリプルA経由です。
2023 スプリング・トレーニングでも結果
そのジョーダン・ウォーカーですが、今スプリング・トレーニングはNRI (Non-Roster Invitee)としてメジャー・キャンプに参加。ここでも良い結果を出していたのです。
19試合に出場し、63-18、打率.286、OBP .308、SLG .508、OPS .816をマーク。しかも、HRは3本、二塁打は5、RBIは9、SB は2、BB 2、SO 14。
トッププロスペクトランク4位(2023/1)
プロデビュー後、実に安定した結果を出し続けていたジョーダン・ウォーカーは、2023年1月に発表されたMLBパイプラインによるトップ・プロスペクト100で、4位にランクイン。そもそもはかなりの逸材だった訳です。
体が大きい
VTRでおわかりの通り、体がでかいです。身長は196cm。これは打席に立つと際立って大きく見えたフランミル・レイエスと同じサイズです。よって、非常にパワフル。
安打数が多いので、起用なところも見せております。しかもBBもかなり取ることから選球眼も良さそうです。気になるのは三振が多いところ。おそらくプロレベルの変化球を今現在は体験している最中で、ましてや今春はメジャーの変化球を見ているところでしょうから、これは通過儀礼のようなもので一時的であると思われます。長打力があるので、多少は三振はするとは思います。
3Bだが、OFも守れる!
ジョーダン・ウォーカーの本職は3B。ただ、ご存じの通り、カージナルスの3Bにはノーラン・アレナドがおります。
ノーラン・アレナドはデビューイヤーの2013年から10年連続でゴールドグラブ賞を受賞。併せて2017年から6年連続でプラチナグラブ賞も受賞し続けているというとてつもなく凄い存在です。
また、カージナルスの内野は、1Bには2022年NL MVPのポール・ゴールドシュミットがおり、三遊間のとちらかはトミー・エドマンが守ります。本来のSSのポール・デ・ヨングは、腰を傷めているため、2023年の開幕はILからスタートするする見込み。よって、SSはトミー・エドマンで決まりかと思います。
2Bですが、ついついコルテン・ウォンと言いたくなりますが、コルテン・ウォンは2021年オフにすでに出ています。ここがプロスペクトが入る余地ですが、おそらくブレンダン・ドノバン、ノーラン・ゴーマンで埋めそうです。
ということはジョーダン・ウォーカーに内野のポジションは空いていないので、どこを守るかというとDHかOF。
ヌートバーのライバルに
DHはある程度、野手の守備での負担軽減に用いたりしますので、もしもジョーダン・ウォーカーの打撃を活かすなら、OFを守るしかありません。
3Bが出来るゆえにフィールディングには問題がなく、しかも盗塁をビシバシと決めることからスピードもあります。
カージナルスのOFは今ひとつ決め手に欠けるところがあるので、ここはジョーダン・ウォーカーをかなりの頻度で起用することが見込まれます。
現時点で、OFのポジション争いでリードしていると思われるラーズ・ヌートバーですが、今回のジョーダン・ウォーカーの開幕ロスター入りはなかなか気が気でないかもしれません。もっとも、ヌートバーはチャンスメイクとしぶとさがあるので、そこは誰にも真似できないところですから、その価値を高めてくれれば良いなと思います。
今季はシフト・リストリクションでおそらく打率は上がると思われます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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