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【MLB2022】エンゼルス、チェイス・シルセス(Chase Silseth)がメジャー・デビュー

ダブルAからの大抜擢

 現地2022年5月13日、オークランド・コロシアムで始まったエンゼルス@アスレチックスの4GameシリーズのGame1で、前日にダブルAから昇格したチェイス・シルセス(Chase Silseth)が先発。

 デビュー戦にもかかわらず、6イニング、2ヒッター、2BB、4SOと見事なクオリティー・スタートを果たし、味方の援護もあり初勝利を飾りました!

 Congratulations!

名前の発音 現地では「セルザ」「セルセ」「セルサ」

 タイトルでは、Silsethの発音をそのまま「シルセス」と記しました。

 英語読みだと、Chaseの最後のseにつられて、Silsethの最初のSiの音が変わり、さらにseとthが混ざります。ターン・タン・タンという3つの音節で発音するのがよいようで、最初のターンでChaseを全部読み切り、残りの2音節でシルセスを詰めようとすると、「セルゼ」あるいは「セルサ」、または「セルセ」というふうに聞こえます。現段階では人によって変わっているので、今後、Baseball Referenceで発音記号が表示されるようになりましたら、それにリライトするつもりです。

2021ドラフトで一番乗り 

 チェイス・シルセスは2021年ドラフトの指名選手。2021年も2020年同様、短縮ドラフトで20巡目までしか指名されませんでした。ちなみに2020年は5巡目で終了しましたね。

大学を転々

 シルセスはエンゼルスの11巡目指名。

もともとニューメキシコ州の高校を卒業。この当時からパーフェクト・ゲームに選ばれていたので、注目されていたということですね。ニューメキシコ州でNO.2 RHPでもありました。ちなみにパーフェクト・ゲーム時は、RHP、1B、3B、Cと色々なところを守っていたようです。ベストがどれかまだ決めかねていたのですね。

 ドラフトでは、アリゾナ・ワイルドキャッツの投手として指名されました。アリゾナ大学のことです。実はその前に2019年にテネシー大学でプレー。しかし、2020年にサザン・ネバダ大学(the College of Southern Nevada)に転籍。ところがコロナ・パンデミックの影響もあり、またしても転籍することに。それが2021年のアリゾナ大学でした。

 アリゾナ大学ではカレッジ・ワールドシリーズにも登板。ヴァンダービルド大のクマール・ロッカーと投げ合っています。

 アマチュア時代に少し変わったキャリアを持っているのでした。

トラッシュ・パンダ(ダブルA)で進化

 2021年7月31日にエンゼルスとサイン。同年8月31日にルーキー・リーグにアサインされ、まずはプロデビュー。そして、エンゼルスはすぐに9月6日にクラスAを飛ばして、ダブルAにアサイン。ロケット・シティー・トラッシュ・パンダで投げることになりました。2021年はまずはプロとしてデビューしたというところ。

 2022年、同トラッシュ・パンダで開幕を迎えたセルシスは、以降5試合に先発。26イニングを投げて、2勝0敗、ERA1.73、SO9が12.8、BB9が2.4。

 トラッシュ・パンダではすでにその能力を高く買われていて、98mphまで上がる4シーム、大きなブレーキを持つカーブ、高速スライダー、そしてスプリットの4球種を駆使することは地元ファンにも発信されていて、「ぜひ、球場に彼を見に来て!」と呼びかけるほど。シーズン開幕前はその精度にまだクエスチョン・マークがついていたのですが、その精度が本物になったことが今回の昇格の根拠ともなりました。

ダブルヘッダーで先発を補充

 なお、エンゼルスは、現地2022年5月14日(土)にダブルヘッダーが組まれており、先発ローテーションが足らない状況でもありました。

 そこで脚光を浴びたのがチェイス・シルセスだったのです。選手を大胆に起用するのが大好きなジョー・マッドン監督ですから、「上げてこい!」ということになり、この日の先発に抜擢されることに。

 チェイス・シルセスは当然、2021年のドラフトでエンゼルスではメジャー・デビュー1番乗り。また、MLB全体で見ても2021年のドラフト指名でデビューを飾ったのは、チェイス・シルセスが一番早いということになりました。

オークランド打線を6回1ヒッター

 まるでベテランのような雰囲気をマウンドで放っていたチェイス・シルセスは非常に落ち着いていました。相棒となったチャド・ウォーラックとも息がぴったりで、お手並み拝見ということで初回からウイニング・ショットにスプリットを披露。

 評判通り、ファストボールも強く、Maxで98.4mphをマーク。

 結果、6回1ヒッターでスコアレス、BB2、SO3という内容。球数も81球とペース配分もバッチリでした。

ベラスケスがHR 

 エンゼルスは4回表にブランドン・マーシュがタイムリーシングルを放って先制。さらに、守備に大きな価値をもたらしているアンドリュー・ベラスケスが広いコロシアムのRFファンスを超えるソロHRを放ち、2-0とリード。

 オークランド先発のドールトン・ジェフリーズも素晴らしい出来だったのですが、エンゼルスはブルペンも完璧な仕事をして、オークランドをシャットアウト。

 ルーキーに初勝利をプレゼントしたというゲームでした。

 エンゼルスはロスター次第でセルシスを下げるかもしれませんが、ハード・ヒッティングのクラブとの対戦も見てみたいですね。今日のスプリットならかなり通用すると思われます。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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