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【MLB2023】前季、マイナーで36HR! カブス期待のマット・マーヴィスがMLBデビューへ

噂のトップ・プロスペクトがついにメジャー・デビュー!

 2022シーズンにマイナーで36HRを放ち、強烈なスラッシュライン(打率/OBP/SLG)をマークした、カブス期待のトップ・プロスペクト、マット・マーヴィス(Matt Mervis)が現地2023年5月5日のマーリンズ戦でついにメジャー・デビュー!しかも、最終打席で痛烈なタイムリーヒットを放ちました!

マット・マーヴィスとは?

 マット・マーヴィスは1998年4月16日生まれの25才。ワシントンDCの出身で、メリーランド州の高校の2年生の時には打っては打率.409、投げてはERA0.10をマーク。3年生時には121イニングでERA1.13、打率.348をマークしました。

 MLBの有名選手の高校時代はかなり二刀流で名を馳せた選手が多いのですが、マット・マーヴィスもそういったタイプの選手であったということですね。

 その素質を買われて2016年のアマチュアドラフトでは39巡目でワシントン・ナショナルズから指名されましたが契約には至らず、マーヴィスはデューク大学に進学。

2020年のアンドラフティッド

 デューク大学でも二刀流を継続。投手としては1年生時に21試合に出場して2勝2敗、ERA 7.83。2年生時には3勝0敗、ERA 4.91。2019年の3年生時には7試合で1勝0敗、ERA 2.16をマーク。徐々にを上げては行ったものの、むしろ1Bや3Bなどのコーナー・インフィールダーとしての起用が増えて行きました。

 打撃でも1年生のときから出場し、最も多く打席に立ったのは3年生時の2019シーズン。56試合で190-52、打率.274、OBP .358、SLG .421、HR 6、RBI 31をマーク。ただ、3年生時にドラフト指名はありませんでした。

 大学4年生のシーズンがちょうどコロナパンデミックの2020年に当たり、カレッジ・ベースボールも短縮を余儀なくされました。リーグ戦が中断する前にマット・マーヴィスは投手としては2試合で2イニングに登板。ショート・イニングとなりましたがERAは0.00。打者としては16試合に出場し、.304/.458/.589、15RBIをマークしました。

 カブスはその素材に惚れ込み、ドラフト指名するつもりでおりましたが、この年のドラフトは5巡で終了という短縮ドラフトとなったため、マット・マーヴィスはアンドラフティッドとしてカブスとマイナー契約を結び、プロ入りしたのでした。

 プロ入り1年目となった2021シーズンは最終的にはトリプルAに昇格したものの、シーズンのほとんどはクラスAで過ごしました。ちなみにプロになってからは野手に専念しております。クラスAのマートルビーチ・ペリカンズでは69試合で打率.204、OBP .309、SLG .367と際立った成績ではありませんでした。

2022年、マイナーで36HR & 119 RBI

 爆発したのは2022年。クラスA+でシーズンをスタートさせ、打率.350、OBP .389、SLG .650、7 HR、29 RBI でwRC+189をマーク。

 AAに昇格後も、打率.300、OBP .370、SLG.596、14 HR、51 RBI でwRC+148。さらに、AAAでも、打率.297、OBP .383、SLG.593、15HR、39 RBIで152wRC+をマーク。

 さらには昇格ごとにBB%は4.6%→8.7%→10.4%にアップ、さらに三振率は24.1%→20%→14.6%に低下するという進化を見せ、2022年の3レベルでの合計HR数は36 、RBI は119。まさに、マイナーリーグの投手を粉砕したという数字を残したのでした。

他のトップ・プロスペクトよりも多いRBI

 3レベルでのRBIの合計数119はカブスのファームにいたプロスペクトの中ではダントツです。ピート・クロウ=アームストロングでクラスAとクラスA+のRBIの合計は62。アレクサンダー・カナリオでクラスA+、AA、AAAの合計が97。

 HR数36は、アレクサンダー・カナリオが37で1本上回っていますが、二塁打40本は、アレクサンダー・カナリオの26を大きく上回っています。

2023年の開幕はAAA 

 ただ、2023年の開幕はAAAでした。というのも、今季の開幕ロスターが大いに期待されたマット・マーヴィスでしたが、スプリング・トレーニングでは結果が出ませんでした。出場機会も大いに与えられたのですが、28-5で、打率.179、OBP .294、SLG .250、0 HR、1 RBI。

 カブスはかつてクリス・ブライアントのMLSを操作し、開幕メジャーを遅らせた実績がありましたが、新CBAでそれもできなくなりましたので、マット・マーヴィスの開幕ロスター落ちは単に成績での判断です。

エリック・ホズマーが開幕当初は頑張る

 また、マット・マーヴィスは1Bを守るのですが、今オフに獲得したエリック・ホズマーが今季は開幕から好調。特に9試合目までは打率も.300を超えるなどかなり頑張ったこともマーヴィスのマイナー行きを決定づけた要素でもあります。

 なお、エリック・ホズマーは、それ以降は打撃が下がり気味で、現地2023年5月3日時点で打率.250、OBP .294、SLG .363、HR 2、RBI 13となっています。

マーヴィス、7番1Bでデビュー

 さて、ゲームの方ですが、マット・マーヴィスは7番1Bで先発出場。エリック・ホズマーがベンチ・スタートとなりました。

 マーリンズ先発は前回のマイアミでのカブス戦で5回/12Kをマークしたエドワード・カブレラ。カブスにとっては厄介な相手です。

 マット・マーヴィスの第1打席は、2回裏に回ってきましたが、94.5mphのチェンジアップで翻弄されてまずは空振り三振。

 4回裏の第2打席では、96.5mphのシンカーを打たされて2Bゴロ。

 6回裏の第3打席は、変則左腕のスティーブン・オカートにスライダーを3連投されて空振り三振でここまで3−0。

 カブスが3-1と2点をリードして迎えた8回裏、マーリンズのピッチャーは左腕のタナー・スコット。カブスは1アウトからコディー・ベリンジャーがRFへの2塁打で出塁。ここでマイアミはトレイ・マンシーニとの勝負を故意四球で避け、マット・マーヴィスとの勝負を選択しました。

 そのマーヴィスに対して、タナー・スコットはスライダーを連投。4球目、そのスライダーを真ん中に失投。これを見逃さなかったマット・マーヴィスはCFへラインドライブの強烈な打球のシングルヒットを放ち、メジャー初ヒットを記録したのでした。

 また、このヒットで、2塁ランナーのコディー・ベリンジャーが生還し、初RBIも付きました。観戦しに来ていた家族も大喜びでした。

ジャスティン・スティールが5勝目

 カブスは初回に鈴木誠也選手がタイムリーを放って1点を先制。5回裏にはイアン・ハップが2ランHRを放ってリードを拡大。6回表にマイアミに1点を奪われたものの、8回裏に上述のマット・マーヴィスのタイムリーで1点を追加して、4-1のスコアで勝利。

 カブス先発のジャスティン・スティールは7回まで投げて、被安打6、失点1、BB 0、SO 4。当然、彼に勝利数がついて今季無傷の5勝目を上げました。

 マット・マーヴィスはスイング・スピードが非常に速く、選球眼もある程度良いので、今後もカブス打線に貢献してくれそうです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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