2人のスピード選手のディールが決定済み
本日はジャロッド・ダイソンとビリー・ハミルトンのディールについて記しておきたいと思います。メジャーきっての足を誇るこの2人ですが、2020のFA市場でなかなか決まりませんでした。
しかし、2月に入ってともにディールが成立。筆者も正直、見落としていたところがあったでここで記しておきます。
まずは足もそうですが、むしろ打撃が進化したジャロッド・ダイソンからです。
ジャロッド・ダイソンはパイレーツに決定
DバックスからFAとなっていたジャロッド・ダイソン(Jarrod Dyson)。2019年はそれまでの足と守備のみというイメージを覆すシーンを何度も見せてくれたのですが、このFA市場では苦戦しておりました。
しかし、現地2020年2月13日、ナ・リーグ中地区のピッツバーグ・パイレーツとディールが決まりました。
契約内容
パイレーツとダイソンの契約は1年$2M(2020)。オプションなどは確認できませんでした。とにかく、ディールが決まってよかったとは思います。
2019のジャロッド・ダイソン
ジャロッド・ダイソンは2019年、開幕からとにかく飛ばしまくったという印象でした。ジェイク・ラム、スティーブン・ソウザ・Jrのケガの離脱でチャンスを掴んだダイソンは、3月、4月に24試合に出場。そのうち14試合で先発出場。この1ヶ月あまりの成績は64打数20安打、打率.313、OBP .400、SLG .500、HR 3、二塁打1、三塁打1、RBI 8。
5月には打率.210と落ちたものの、6月には打率.256へ。
打撃がよくなった!とは言っても9月には50打数5安打で、打率.100という辛い結果を叩き出してしまったのですが、前半戦を引っ張ったのは間違いありません。前半だけは別人かと思ったほどです。
2019年は130試合、400打数92安打、打率 .230、OBP .313、SLG .320、HR 7、二塁打 11、三塁打 2、RBI 27、盗塁30。
年間を通じてOBP が.300を上回ったのと、盗塁も今までの年間の平均をキープできたことはよかったのではないかと思います。
前年の2018年が67試合で打率.189だったことを考えれば、かなり良かったシーズンだったと思います。なお打率のキャリアハイはロイヤルズ最後の年となった2016年の.278。このシーズンは107試合、299ABでした。
パイレーツではEvery Day CF
現地2020年2月15日の段階ではジャロッド・ダイソンはパイレーツのCFレギュラーとしての起用を予定されております。パイレーツの外野は、RFにはグレゴリー・ポランコ(G. Polanco)、LFにはブライアン・レイノルズ(B. Reynolds)が入る見込み。グレゴリー・ポランコは左打ち、ブライアン・レイノルズはスイッチヒッター。そのほか、OFのユーティリティーとしてキューバ出身のギジェルモ・エレディア(G. Heredia/左投げ右打ち)、ジェイソン・マーティン(J. Martin/ 右投げ左打ち)、SSのJ.T.リドル(J. Riddle/ 右投げ左打ち)がユーティリティーとして守るケースも出てきそうです。
左打者が多いですが、今季から3バッターミニマムが適用され、左のワンポイントは登板できませんから、左右投手で特別な打率の落ち込みがなければどんどんゲームに出るかもしれません。
ダイソン、パイレーツで足を絡めたプレーで頑張って欲しいと思います。
2020年4月の誕生日で36才となりますが、いいプレーを期待したいと思います。
そしてもう一人。
ビリー・ハミルトンがジャイアンツ入り
もう一人の韋駄天、ビリー・ハミルトン(Billy Hamilton)もディール決定です。
契約内容
ビリー・ハミルトンとジャイアンツは残念ながらマイナーディール。背番号は0をつける予定です。
2019年のビリー・ハミルトン
2018年終了後のノンテンダーでレッズからビリー・ハミルトンの名前が上がったのは衝撃的な記憶でした。
そのまま2018年11月30日にノンテンダーFAとなり、その後、2018年12月にロイヤルズとディールが成立。1年/$5.25M (2019)で 2020年はミューチュアル・オプションという内容でした。
ロイヤルズでは開幕当初はさすがというシーンを見せてくれたことがありました。
しかし、なかなか数字が上がってこないビリー・ハミルトンに対して、ロイヤルズは現地2019年8月16日にDFAに。ロイヤルズ自体が厳しいシーズンでしたから、どうせなら外野にプロスペクトをというはっきりと線引する考えが芽生えたようです。
ロイヤルズでは打率.211、OBP .275、SLG .269、二塁打12、三塁打2、盗塁18。2016年のOBPが.321でこれはキャリアハイの数字ですが、もともと.300を下回ることが多かったビリー・ハミルトン。とにかくOBPを上げないことには自慢の足も披露できなくなってしまいます。
ロイヤルズをDFA後、ウェーバー公示。このとき、ポストシーズンの作戦も見込んでのことだったと思いますが、アトランタ・ブレーブスがハミルトンをクレームオフ(獲得)しました。
ブレーブスではクレームオフされた翌日の8月20日からメジャー登録。約1ヶ月強の間に26試合に出場。打率.268、OBP .375、SLG .317、二塁打2、盗塁4と出場の機会をしっかりと掴んだいい数字は残しました。
ポストシーズンにも出場
そして当初のブレーブスの目論見どおり、ポストシーズンにも出場。カージナルスとのNLDSで2試合に出場。NLDS Game1(Oct 3)では代打で登場。四球を獲得。そしてNLDS Gm3(Oct 6)では代走で登場。2機会ともにホームベースを踏みました。
通算299SB
ビリー・ハミルトンは2014年から2018年まで5年連続ナ・リーグ盗塁数2位を継続。2014年と2015年は当時マーリンズにいたディー・ゴードンにその座を阻まれ、2016年はジョナサン・ビヤーに。2017年は再びディー・ゴードンに阻まれ、そして2018年はナショナルズのトレイ・ターナーに阻まれました。
その間、56(2014)、57(2015)、58(2016)、59(2017)、34(2018)というすごい数字を並べました。
この足があるだけに余計にOBPを上げてもらいたいところですね。
ジャイアンツのOF
ハンター・ペンスのジャイアンツ入りの際に書いたことですが、ジャイアンツの外野は左打者が多いです。
- マイク・ヤストレムスキー(Mike Yastrzemski)CF:左投左打
- アレックス・ディッカーソン(Alex Dickerson)LF:左投左打
- スティーブン・ダガー( Steven Duggar)RF:右投左打
- ハンター・ペンス:右投右打
スイッチヒッターのビリー・ハミルトンが入り込む余地はあります。監督がボウチーからキャプラーに交代し、どこまでスモールベースボールを徹底するかわかりませんが、ジャイアンツが今までのスタイルを継承するなら、ビリー・ハミルトンは使いたい選手。ぜひとも素晴らしいプレーを見せてもらいたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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