SFG、ローテーションを強化
現地2020年12月16日、サンフランシスコ・ジャイアンツがレッズからFAのアンソニー・デスクラファニー(Anthony DeSclafani )と1年で合意。ローテーションを強化を図りました。
OFFICIAL: #SFGiants have signed RHP Anthony DeSclafani to a one-year Major League contract for the 2021 season. pic.twitter.com/W2MW4GgaNw
— SFGiants (@SFGiants) December 16, 2020
契約内容
契約は1年/$6Mに加え、イニング数によって$0.25Mのパフォーマンスボーナスつき。こちらはすでにジャイアンツから正式にサインしたと発表されていますが、現時点は2022年のオプションなどは明らかになっていません。
相場より高め
トレード・ルーモアさんのプロジェクション(見込み)では1年/$4Mという数字が出ていましたが、ジャイアンツはそれより高いサラリーでサインしました。ただ、アンソニー・デスクラファニーの2020年のサラリーはレッズと調停を避けて1 year/$5.975Mで合意。今回のディールはそれを上回りましたので、通常のシーズンの感覚であれば割と適正だったかと思います。もっとも、COVID-19によるクラブの収益悪化がなければレッズも再契約していたかもしれませんし、ジャイアンツも複数年でサインしていたかもしれません。
また、アンソニー・デスクラファニーは2021年1月でMLSが6.062で今オフが初FAでしたが、クオリファイング・オファーは提示されていませんでした。
アンソニー・デスクラファニーとは
アンソニー・デスクラファニーは1990年4月18日生まれの30才。2021年は開幕してすぐに31才のシーズンを迎えます。
高卒時の2008年にレッドソックスから22巡目で指名されるも、フロリダ大学に進学。3年後の2011年にブルージェイズから6巡目指名を受けプロ入りしました。
ブロックバスタートレードでマイアミへ
ドラフト翌年の2012年11月、ブルージェイズとマーリンズ間で行われたブロックバスター・トレードでマーリンズへ移籍。
【TOR→MIA】7名 | 【MIA→TOR】5名 |
ユネル・エスコバー/SS ヘンダーソン・アルバレスIII/RHP アディニー・エチェバリア/INF ジェイク・マリスニック/OF アンソニー・デスクラファニー/RHP ジャスティン・ニコリーノ ジェフ・マシス/C | ホセ・レイエス/SS ジョシュ・ジョンソン/RHP マーク・バーリー/LHP ジョン・バック/C エミリオ・ボニファシオ/OF |
このブロックバスターはかなり衝撃的で、12名という人数もさることながら、ユネル・エスコバーやホセ・レイエス、マーク・バーリーというビッグネームがいたこと。また、のちに名をはせることになる選手がプロスペクトとして複数いたことで、かなり伝説的なブロックバスタートレードと言っていいでしょう。
元アストロズのジェイク・マリスニック、アンソニー・デスクラファニー、アデイニー・エチェバリアが入っていました。アデイニー・エチェバリアはこのトレードでマイアミに行ったがゆえに、あの伝説のマイアミの実況、「ワーオ!」が生まれたとも言えるでしょう。
2014年にレッズへ
話をアンソニー・デスクラファニーに戻しましょう。彼のチーム在籍履歴の続きです。2014年12月、デスクラファニーはようやくレッズへ。この時はマイアミがマット・レイトスというタトゥーというよりは、もはや入れ墨と呼びたくなるような手首までもんもんが全開の右腕を獲得したトレードの交換要員でした。マット・レイトスは有名ではあります。
Remember Matt Latos? pic.twitter.com/FPLo0AncwF
— Remember That Guy? ⚾ (@GuyRemember) July 24, 2018
デビュー2年目で184.2イニング
2014年、マイアミでメジャーデビューを果たしたアンソニー・デスクラファニーはこの年、先発とリリーフで13試合に登板し、2勝2敗、ERA 6.27。
2年目となった2015年、レッズでローテーションに入り、31スタート、184.2イニングを投げ、9勝13敗、ERA 4.05。
前年が登板過多だったのか、翌2016年は4月から2ヶ月離脱。肘の腱炎でした。ただ、UCLはヘルシーで6月10日からシーズン終了までローテーションに参加。20試合に先発し、9勝5敗、ERA 3.28。ERAはむしろ向上しました。
しかし、翌2017年は肘のリハビリで1年を費やしました。ただ、トミージョン手術は受けませんでした。
2018年は21試合に先発し、7勝8敗、ERA 4.93。2019年は31試合に先発、166.2イニングを投げ、9勝9敗、ERA 3.89でした。
よって、ヘルシーなら150イニングは任せられそうな右腕と言えます。
2020年は苦しむ
なお、2020シーズンは9試合中、7試合に先発し、1勝2敗、ERA 7.22と苦しみました。デビュー2年め以降、2.0台を誇っていたBB 9が4.3と悪化していました。
ピッチャーでグランドスラム
アンソニー・デスクラファニーと言えば、2018年6月23日のカブス戦でグランドスラムを放ったのは印象的です。彼の通算HRは1本ですが、それがこのグランドスラムです。
なおレッズにはマイケル・ローレンツェンという二刀流がおりますが、そのマイケル・ローレンツェンも2018年6月30日のブルワーズ戦でグランドスラムを放ち、同月で二人の投手がグランドスラムを放つという離れ業を演じて見せました。
ジャイアンツ、ローテーションが強化される
アンソニー・デスクラファニーを獲得したジャイアンツはローテーションがかなりよくなりました。
QOを受諾して残ったケビン・ゴーズマン、ジョニー・クエト、ローガン・ウェブの3人に加え、アンソニー・デスクラファニー。
左腕のワンディー・ペラルタはリリーバーとしてブルペンに置いておきたいでしょうから、もう1枚、左のローテーションを補強する可能性が高いです。
地味にいいローテーションが組めているジャイアンツ。2020シーズンは29勝31敗であと少しのところで勝率5割を逃しましたが、ライバルのドジャース、そしてパドレスに差をつけられないようにこれからザイディ社長が頑張るようです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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