スタンディング・オベーションの嵐
現地2019年9月1日のインディアンス@レイズ戦でルキミア(白血病)と診断され、戦列を離れていたカルロス・カラスコ(Carlos Carrasco)が復帰登板を果たしました!
予め予告されていたことではありますが、よくぞ年内復帰を果たしたと思います!
リリーフとして渾身の19ピッチ
カルロス・カラスコがマウンドに上がったのは、1-4と3点ビハインドの状況の7回裏。イニングの頭から登板しました。
2アウト後、トミー・ファム、トラビス・ダーノーに連打を浴び1点を失い1-5とリードを広げられてしまいましたが、渾身の19球でした。
とても重病の治療の最中とは思えないMAX 96.3 mph (154.97kmh)を記録しています。
ルキミアの公表まで
現地2019年6月5日にIL入りとなったカルロス・カラスコですが、この時病名はふせられておりました。ただ、血液の状態が思わしくなく、野球の活動からは一旦離れるという深刻な発表だけがなされました。
倦怠感、血液の状態・・・素人の筆者が考えてもおそらく日本でも有名なスイマーの方が患ったあの病としか思えませんでした。
そして1ヶ月後の7月7日に発表されたのがルキミア(白血病)でした。
年内復帰意欲で周囲に勇気を与える
ルキミアの発表から約1週間後。毎年持ち回りとなっているオールスターゲームが今年はクリーブランドでの開催でした。
相当重い病であるにも関わらず、カルロス・カラスコはプレゲーム・セレモニーに出席。ルキミア公表後、初めてファンの前に姿を見せてくれたのでした。
この時は緊張もあったのかもしれませんが、さすがに笑顔が痛ましい感じがしました。
そしてそれからしばらく経過した後、なんとカラスコは年内での復帰に意欲を見せているとの報道がありました。
これは周囲に勇気を与えましたね。
インディアンスを一つにしたカラスコ
下記は2019シーズンの月別のインディアンスの勝敗数です。
【2019 CLE 勝敗】(現地2019年8月31日時点)
- 3月:1勝2敗(月末順位 4位)
- 4月:15勝10敗 (月末順位 2位)
- 5月:12勝17敗 (月末順位 2位)
- 6月:17勝9敗 (月末順位 2位)
- 7月:18勝6敗 (月末順位 2位)
- 8月:16勝13敗 (月末順位 2位)
開幕前は戦力の喪失が著しく、エドウィン・エンカーナシオン、マイケル・ブラントリー、ヤン・ゴームズ、ヨンダー・アロンソら2018シーズンに計314RBIを稼いでいたプレーヤーが抜け、フランシスコ・リンドーアも開幕前はふくらはぎの状態が思わしくなく、復帰は4月20日となりました。
その影響が5月に現れました。現地2019年5月1日にエースのコーリー・クルーバーの右腕に打球が直撃し、骨折というトラブルもチーム内にショックを与えていたと思います。
このまま崩れていくのかと思われました。
そして6月にカルロス・カラスコのIL入り。
おそらくクラブ内には口外禁止でカラスコの病状が伝えられていたのではないか?と思います。
8月の首位争いで1位を奪う
カラスコをもう一度マウンドに。公開されてはおりませんが、インディアンス内にそういった意図が現れたのは6月、7月の好成績を見れば誰でもわかります。
カラスコがIL入りとなった直後の6月6日から8月31日までのインディアンスの成績は48勝27敗。
8月8日から11日までのツインズとの4連戦を3勝1敗。惜しくもスイープはなりませんでしたが、8月9日に1日だけ首位を奪っていました。
この喪失戦力で首位争いを演じたのはカラスコを中心とした結束力があったと考えてよいと思います。
レイズにスイープされる
8月後半からやや疲れが見えてきているインディアンス。この日のゲームは2-8で落とし、レイズとのこのシリーズはスイープされてしまいました。
あと1ヶ月踏ん張ってもらいたいです。
なお、インディアンスは現地2019年9月1日時点でワイルドカード二枠目に入っています。
カラスコの今後
まだ顔にやつれは出ておりますが、この日の投球を見る限りインディアンスはカルロス・カラスコを重要な戦力と考えて上に上げたと見られます。
体調次第でILになるかもしれませんが、そうでない限りはこのままリリーフとして使うでしょう。9月の一番大事な時ですから、本人との了解の上、行けるところまで投げさせると思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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