選手からもそしてファンからも愛されたエイドリアン・ベルトレ
現地2018年11月20日、テキサス・レンジャーズのエイドリアン・ベルトレ(Adrian Beltre)が現役引退を表明しました。
通算21年。楽しいシーンをたくさん見せてくれて、「お疲れ様でした」と言いたいです。
2018年でレンジャーズとの契約が切れたことでその去就が注目されていましたが、残念ながら、40才を前に引退となりました。
A_ベルトレのキャリア
エイドリアン・ベルトレは1979年4月7日生まれ、ドミニカ共和国出身。メジャーデビューは1998年6月24日のANA(アナハイム・エンゼルス)戦。
あらためてエイドリアン・ベルトレのキャリアを見てみますと、やはりすごい数字が並びます。数字は2018年11月21日現在のものです。
キャリア概要
- 通算安打: 3,166(現役1位、歴代16位)
- 通算HR:477 (現役2位、歴代30位)
- 通算打点: 1,707(現役2位、歴代24位)
- オールスター 4度
- シルバースラッガー賞 4度
- ゴールドグラブ賞 5度(プラチナ・グラブ賞2度)
- 2012 ウィルソン・ディフェンシブ・プレーヤー(3B)
- WAR position player: 95.7 (現役2位、歴代 26 位)
現役で2位になっているのは、1位にプホルズがいるからです。安打数はイチロー選手の3,089を抜いて1位です。
名シーン
フェリックスと
強打者で、好守備を誇るベルトレですが、やはり”Funny”なシーンも上げないわけにいきません。マリナーズのフェリックスとは1番の親友関係でもあり、ライバルでした。2人だからこそ出来る絶妙のやりとりは見ていて楽しかったです。
アンドラスと
そしてSSアンドラスとはもはやコンビ芸とも言える域でした。下の動画には他の選手との絡みもあります。
良い立ち位置
筆者はベルトレのお笑いシーンを見ながら、「これが会社内であったら、かなり絶妙なポジションだな」などと思いながら見ていました(笑)。
仕事が出来て支配するタイプは昨今ではもっとも嫌われるタイプのリーダーですが、仕事が出来て道化役にもなれるリーダーは「ある意味最強だな」などと思って見ていました。
ベルトレには後輩に対する「圧」がなく、常にいじられる立場を貫いていたように見えました。
仕事が出来たからなめられなかったのでしょうね(笑)。
社内での人間関係とMLBについてはまた追って記事にしたいと思います。
膝をつくフォロースルー
ベルトレと言えば、膝をつくこのポーズが有名です。
当初は「またこんなことして、大げさな」と思っていたのですが、実は結構、理にかなっているようなのです。
重心を下げる
昨今のMLBはスイングの時というか、インパクの直後、前足(右打者なら左足)の膝を少し折るのが流行っているようです。なぜそれをやっているかというと、後ろの軸足が腰の捻りととともに前に行ってしまうと、インパクトの力が弱まる、差し込まれるなどの難点がある。しかし、前側の膝を少し曲げてスイングのあと重心を下げるような形にすれば、後ろの軸足が動かず、地面をしっかり掴んで、強いインパクトを実現する、そういう理屈だそうです。
さすがに、ベルトレのように膝をつける必要はありませんが、結構そういう動きの選手が多いので注意深く見ると面白いかもしれません。
セイバーメトリクスの弊害
昨今のセイバーメトリクスは、選手の実力を花開かせる機会を与えている点では素晴らしく、くすぶっていた選手が蘇生する様は見ていてとても共感できる点がたくさんあるのですが、そもそもは年俸を抑えるためのものであるのも事実です。
セイバーメトリクス重視により、ベルトレのような40才前後の魅力あるベテランがグランドから姿を消して行っているという事実もある面では正当な見方ではないかと思います。選手の年俸高騰がそもそも悪いというのももちろん正解なのですが、セイバーメトリクスの意外な面も知っておく必要があるのではないかと思いました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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