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【MLB2024】レッドソックス、アレックス・コーラと3年の契約延長!

BOS、早期に契約延長を決定

 現地2024年7月24日、ボストン・レッドソックスは監督のアレックス・コーラと2025年から2027年の契約延長にサインしました。この日は試合前から契約延長の交渉に入ったのでは?という噂が立っていましたが、試合後にオフィシャルとなりました。契約内容は3年/$21.75M(2025-2027)。

デバースが30才のシーズンまで

 今回の契約延長で2027年まで指揮を執ることになったアレックス・コーラ。チームの中心選手のラファエル・デバースは今季が27才のシーズン。3年後は30才のシーズンとなり、コーラはデバースのピークを現場で指揮することなりました。これは監督としてはかなりのプラス要素となります。

一転、契約延長へ

 48才のアレックス・コーラ監督は今季が現契約のファイナル・イヤーでした。 

 レッドソックスは2022年と2023年にアメリカン・リーグ東地区で最下位に終わり、今季も5月までは勝率.500をうろうろする状況で、このままではコーラの契約更新はないという状況でした。

 しかし、今季は新投手コーチのアンドリュー・ベイリーの力もあり、投手力が格段にアップ。ベイリーは現有戦力を底上げしての改革でその手腕はお見事というしかありません。ただ、春先は素晴らしい投手力に対して打線と守備が噛み合わず、勝率がさほど上がりませんでした。

 6月に入り、打撃力も上がってきたことで状況が改善。まだ守備に粗さはあるものの、特に足を使った攻撃でチームに勢いをもたらし、オールスター前にはワイルドカード3枠目に滑り込むというポジションに食い込んだのでした。

 後半戦はドジャースにスウィープされたものの、打線は好調でむしろトレード・デッドラインの補強ポイントがさらに明確になったという戦いぶり。

 現地2024年7月25日はコロラドに7-20と大敗しましたが、大きな流れの中で契約延長が決定。

 オフに大胆な補強をしていないにもかかわらず、現有戦力でポストシーズンが見えた戦いをしているということが大きな評価ポイントとなりました。現場の方針を早く固めたほうが選手もやりやすいという面もあるでしょう。

初就任でワールドシリーズチャンプ(2018)

 アレックス・コーラは2018年にレッドソックスの監督に就任。

 その前のレッドソックスの監督はジョン・ファレルで、彼は2013年から2017年までの5シーズン、監督を務め、ワールドシリーズ制覇が1度(2013)、地区優勝が3度(2013、2016、2017)という素晴らしい実績を残しました。しかし、フロントオフィスは2016年、2017年のALDS敗退が気にいらなかったようで、実質的に解雇してしまいました。

 そこでマネジリアル・サーチでヒットして採用したのが2017年にアストロズでベンチ・コーチをしていたアレックス・コーラ。選手時代はレッドソックスにも在籍し、OBでもあった訳です。

 就任初年度の2018年に108勝を上げ、ALイースト3連覇。そしてワールドシリーズ制覇に至ったのでした。 

2019年以降、苦戦したレッドソックス

 2018年に素晴らしい勝ちっぷりを納めたレッドソックスでしたが、ワールドシリーズ制覇のために注ぎ込んだ代償は大きく、当時の編成トップのデーブ・ドンブロウスキー氏は大胆に振る舞いすぎて、贅沢税が一気に増え、さらに主力と引き換えに多数のプルスペクトも失い、気づけばやせ細った土地しか残っていないという状況を作ってしまい、デーブ・ドンブロウスキーは2019年に解雇。

 その後、レイズのファームシステムを構築したハイム・ブルームが就任しますが、2019年以降の贅沢税対策による選手補強予算の削減およびプロスペクトの枯渇、さらには内部の問題に直面。レイズ時代にあれだけ優秀であったにもかかわらず、ハイムは力を発揮できないまま2023年にレッドソックスを去ることとなりました。

 その影響は現場にも直撃し、2019年、クローザーを補強できなかった現場は、パッチワーク・リレーを実施するなど工夫に次ぐ工夫をこらすも、ポストシーズンに進出出来ず。

 2019年、サイン・スティーリング問題が明るみとなり、当時アストロズのベンチコーチであったコーラにもその影響が及び、コーラは一旦はレッドソックスから解雇されます。

 2020年、ロン・レニキー暫定監督のもと戦ったレッドソックスは24勝36敗と惨敗(最下位)。

 2021年に向けて再び監督探しをしなければいけなかったレッドソックスはアレックス・コーラに再び指揮を託すことに。

 2021年、キケ・ヘルナンデス、ザンダー・ボガーツらの活躍もあり、レッドソックスはALCSまで勝ち進みます。コーラはまたも初年度で良い結果を出したのです。

 しかし、2022年、2023年は上述の2018年の後始末の影響もあり、2年連続で最下位。

 今季からCBOもクレイグ・ブレスローに代わり、新体制となったのでした。

目立った補強なしでも好成績

 編成トップに代わったとは言え、今オフのレッドソックスの補強はかなり控えめでした。最も注目すべき契約はルーカス・ジオリトとの2年契約やリアム・ヘンドリクスとの契約でした。しかし、ジオリトはシーズン前に手術を受けることとなり、リアム・ヘンドリクスもトミー・ジョンのリハビリ中。せっかくの補強もすぐに現場にその力を反映されず、そのため今季の期待値はかなり低かったです。

 しかし、タナー・ハウク、ジャレン・デュラン、ウィリヤー・アブレイユ、カッター・クロフォード、セダン・ラファエラらのブレイクのおかげで、今はプレーオフ圏内に。現場にいたことのあるクレイグ・ブレスローとの連携は良いようです。

 噂ではコーラはフロントオフィスにその軸足を移すのではないか?とも噂されていましたが、現場にいることになりました。

 現場の監督は守備の継続的なメンテナンス、投手力のチェック、攻撃の采配、投手交代の判断など様々な仕事がありますが、コーラはあまり癖のない監督だと思います。割と選手優先。投手交代や代打や守備の配置など、素人目から見て?となるときもありますが、監督としては筆者は結構好きです。

 フロントオフィスとも戦いながら、良い仕事をしてもらいたいと思います。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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