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【MLB契約2020】レッドソックスが現レイズ幹部のハイム・ブルームをGM相当に起用

フロントオフィス人事のお話

 現地2019年10月25日のお話になりますが、ボストン・レッドソックスは現タンパベイ・レイズのエグゼクティブ、ハイム・ブルーム(Chaim Bloom)を新しいベースボール・オペレーションのトップ(他クラブで言うGM職)に据えることを発表しました。

 非常にお若い方で、36才です。上の動画は2018年のドラフトの際に感想を聞かれたときのインタビュー。

契約詳細

 契約の詳細はまだ明らかになっていませんが、レイズでの残務もあるでしょうからなるべく早いうちにレッドソックスでの活動開始ということになりそうです。

ハイム・ブルーム氏とは?

 ハイム・ブルーム氏は2019年時点で36才(1983年生まれ)。フィラデルフィア出身で2004年イェール大学を卒業。学位はClassics(Latin)ですので古代ギリシャの古典学。

レイズでの現タイトル

 ハイム・ブルーム氏の現在のレイズでのタイトルは”Senior Vice President, Baseball Operations”。ベースボール・オペレーション副社長。

 レイズのGMではありません。レイズのGMはエリック・ニーアンダー(Erik Neander)でタイトルは”Senior Vice President, Baseball Operations / General Manager”。

 ハイム・ブルーム氏はエリック・ニーアンダー氏よりも上のポジションの人です。階層をつけるとするなら、1. オーナー→2. プレジデント(2人)→3. Chief Development Officer→4. Senior Vice President, Baseball Operationsなので、4番目というところでしょうか。GMは6番目当たりになりそうです。今はあえてプラミッド型組織にしないですが、実質オーナーに向かって人が少なくなっていくプラミッド構造には違いありません。

 振り返って過去の実績を見てみるとこのような経緯です。

レイズでのキャリア

 レイズには2005年から在籍。

  • 2015-2019: Vice President, Baseball Operations
  • 2011-2014: Director, Baseball Operations
  • 2005-2010: Minor League Operations
VPの仕事(2015-19)

 現在は主に編成を担当。現場と連携して選手の獲得などを行っているのですが、非常に高いレベルでの決済を行っていた人です。

ダイレクター時代(2011-2014)

 この時代の主な仕事は契約交渉、年俸調停、予算、サポートスタッフの管理、国際スカウティングなど。2014年からは新しく作られたベースボール・パフォーマンス・サイエンス・デパートメントにて国内外(ドミニカなど外国リーグに出していることもあるので)の選手の育成を管理。その他、トレードでの交渉、プロアマの国際スカウティングの方針の策定、ベースボール・オペレーションに関わる人的、金銭的資産を短期・長期に渡って総合的に管理など。

 言ってみれば限られた予算でうまくやりくりするためのあらゆるレベルでの仕組みを構築されてきたということかと思います。

マイナーでの仕事

 もともとは2005年にレイズのマイナーのインターンから入り、その年中にフルタイムで雇用されてから、2年後の2008年にマイナーのアシスタントダイレクターに就任。

マイナーでの働きぶりがすごいです。

 要は現在の”Rays System”を作った張本人です。選手が確実に育つように評価方法、配属の仕方、コンディショニング方法、メンタルの鍛え方などをすべてマニュアル化。これをデファクト・スタンダードに押し上げました。

 これが昇進の決め手だったのでしょう。

レイズの成績

 ブルーム氏が在籍していた主なレイズの成績です。限られた予算でこの成果を出すのに知恵を絞りまくったということですね。

  • 2019: 2位 ALDS進出
  • 2013: 2位 ALDS進出
  • 2011: 2位 ALDS進出 
  • 2011: 地区優勝 ALDSで敗退
  • 2008: 地区優勝 WSで敗退

【2018年のシーズン終了後の40manのペイロール比較】

レイズレッドソックス
$ 95.56M (29位)$239.48M ( 1位)

 その差$143.92M。どれだけレバレッジを利かして運用してきたかというのがよくわかりますね。

レッドソックスでの仕事

 デーブ・ドンブロウスキ社長(=GM)の仕事を継承することになりますが、レイズとは違って予算はふんだんにあるものの、オーナーからの大きな宿題があります。

2020シーズンは贅沢税を基準値以下に

 超過に関する件は以下の記事に詳しく書いております。要は3年連続の贅沢税基準額の超過をなんとしてでも阻止。贅沢税の税率が50%に上がってしまうという、金銭的な考慮が1点。

  • 超過1年目:20%
  • 2年連続超過:30%
  • 3年以上連続で超過:50%
  • 基準額を下回ればリセットされる

 もう1点はドラフトピック。2019年は全体順位43位(2巡目)がファースト・ピックとなるなどただでさえマイナーの人材が大物とのトレードで枯渇している中、十分な補強ができませんでした。よって、基準額を下回れば一旦リセットされますので、2020シーズンはなんとしてでも基準額内を達成しなければなりません。

M・ベッツの処遇

 2020シーズン終了後にFAとなるムーキー・ベッツの処遇がこの贅沢税の基準額内に納めることとリンクしており、年俸高騰を抑えつつも良い選手は良い条件で囲い込むというその必要性との板挟みをいかにクリアーするかという課題をクリアーするかが問われています。

 そしてそれと呼応した他の高騰選手の扱いも難しいです。無慈悲過ぎてはアツいボストンファンからの非難も幹部に届いてしまうので、ドンブロウスキ前社長が広げた大風呂敷をいかに収めるか、手腕が期待されています。

 要は誰をファイアーするのか、もしファイアーしたとしてもどんな哲学があるのかそれをファンは知りたがっていると思います。

 レイズをつくった知恵に注目したいと思います。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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