野球殿堂の投票について
HOF(野球殿堂)について、記しておきたいと思います。
投票時期は毎年1月。
HOFに選ばれる選手とは、以下の選手が対象となります。
HOFに選ばれる選手とは
- MLBで10年以上プレーし、そのうち引退後5年以上経過した選手
- 現役引退後20年以内※(内訳:引退後5年の待機期間+資格取得から15年)
- 不適格リストに入っていない選手
- 10年の要件を満たした現役選手が不慮の事故などで亡くなった場合、あるいは引退後5年未満で亡くなった場合は、亡くなってから半年経過後の次の選挙か、あるいは現役引退後5年経過の次の選挙か、どちらか早いタイミングで選挙となる。(例)ロベルト・クレメンテは現役中に亡くなり、その次の選挙で選ばれた例がある。また2013年が現役最後だったハラデーは引退後5年未満の2017年11月に亡くなり、2018年の投票の資格を得ている。
※2についての補足です。
通常、大物選手であれば1と3さえクリアーすれば、自動的と言っていいくらいに引退後5年で資格取得となります。そして後述する通り、10回(=10年)の選出チャンスが与えられているので、引退後合計15年というのが理解しやすい資格期間になります。
しかし、「引退後5年以上経過」とあるように、なんらかの事情、たとえば10年は在籍していたけれども、記録的に殿堂に入れていいものか?というケースもあるでしょうから(そういうことも記者が選びます)、そういった選手をどうするか考える期間が5年ほど与えられていると考えればいいと思います。つまり、5年の待機期間+(どうするかのバッファ期間5年)+投票チャンス10年で最長で引退後計20年というふうな表現になっていると考えればわかりやすいと思います。なお原文はもっと味気ない表現です。
A baseball player must have been active as a player in the Major Leagues at some time during a period beginning fifteen (15) years before and ending five (5) years prior to election.
https://baseballhall.org/hall-of-famers/rules/bbwaa-rules-for-election
いろいろ書きましたが、選ばれる選手の資格の覚え方としては、以下で足りるとは思います↓。
「現役10年、引退5年」
なお、過去には引退後9年で殿堂入りしたルー・ゲーリックの例もありますが、原則は上の要件を満たした選手ということになります。
この選考対象となった選手をBBWAA(全米野球記者協会)が殿堂入りに適正であるかどうか議論したのち、投票にかけるという仕組みです。
その要件に当てはまった選手が通常30人から40人ほど選ばれます。投票のルールは以下です。
BBWAAの投票
- 投票の有資格者は当該記者協会に10年以上所属している人
- その有資格のBBWAAの記者約の400名ほどが投票
- 最大10名の選手の名前を書く
- 選手の記録、能力、品位、スポーツマンシップ、性格、チームへの貢献などが考慮される。
そして、以下の得票を得た元選手が晴れてHall of Famerとなります。
殿堂入り決定方法
- 得票率が75%以上を得た選手が晴れて殿堂入りとなる
- この際、得票率5%未満だった選手はその年限りで殿堂入りの機会は無くなる(^_^;)
- 得票率が5%から74%の間で、その年に選ばれなかった候補者は次年度の審査・選考に持ち越される。
- 持ち越しは最大10年(2014年にルール改正。それまでは15年だった)。11年目からはリストに名前がなくなる。
2018年1月に選出されたHOFメンバー
同じことですが、投票の対象から外れるケースも明記しておきます。
【HOFの投票リストから外されるケース】
- 得票率5%未満だった選手
- 引退後21年経過した選手。
この辺がドキドキするところですね。BBWAAとしては上記の過程から漏れた場合、再審査することはありません。
ただし、5%未満だった選手や、10年繰越期間を経過しても選ばれなかった選手、つまり現役を引退してから21年以上の選手はベテランズ委員会で再審査されます。
ベテランズ委員会とは
- BBWAAの選考から漏れた選手の殿堂入りを審議する団体
- 構成員は元選手など
ベテランズ委員会が投票するのは以下の選手達。
【ベテランズ委員会が投票する対象】
- 不適格リストに含まれなくて、10年以上プレーし、且つ現役引退から21年以上を経過した選手:投票は2年に1度
- 10年以上務めて、引退から5年以上経過した監督・コーチ・審判:投票は2年に1度
- 引退してから5年以上経過した発展貢献者:投票は4年に1度
なお対象は野球界の不適格リストには含まれない人たちなので、歴史的な話ですが、「フィールド・オブ・ドリームス」で我々日本人の間でも知られるようになったたシカゴ・ホワイトソックスの”シューレス・ジョー”ことジョー・ジャクソンと、野球賭博にかかわったピート・ローズは残念ながら不適格リスト(Ineligible list)に入っております。
↓不適格リスト(Ineligible list)
その他、Baseball Black Listというのもありますが、時期を見てリンクを貼りたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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