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【MLB2025】レイズのクラブ売却が現実味!フロリダの不動産デベロッパーが率いるグループが独占交渉に入る

球団売却交渉を認めるも、詳細はまだ不明

 現地2025年6月18日のこととなりますが、タンパベイ・レイズは声明を出し、クラブ売却の話し合いを行っていると発表。まだまだ詳細や結論は不明なものの、売却へ向けて動き出していることが判明しております。

 レイズの現オーナーはスチュアート・スターンバーグ(Stuart Sternberg)氏で、ウォール・ストリートの投資家。現時点で65歳で、2004年5月に前オーナーからデビルレイズの48%の株式を取得し、2005年10月にマネージング・ゼネラル・パートナーとして経営を引き継ぎました。買収価格は$200Mとも言われております。

そもそもレイズが出来たきっかけは?

 レイズはもともと前オーナーのビンス・ナイモリ氏率いるオーナーグループにより創設されました。このオーナー・グループは1995年3月9日にオーナー会議で承認され、1998年のレギュラー・シーズンからタンパベイ・デビルレイズとしてスタート。

 タンパベイ自体はヤンキースのマイナー・チームがあり、ヤンキースの人気が高い土地柄ではありますが、このオーナー・グループはそれまで30年近くに亘ってフランチャイズ拡大の機会や既存球団のタンパベイへの移転を誘致するなど地元のクラブ作りに尽力していました。

 最終的にはエクスパンション(拡大)により認められたということに。

 よって、スチュアート・スタンバーグ氏は2代目オーナー。

今春にマンフレッドから売却を打診される

 そんなレイズですが、今スプリング・トレーニングの期間にコミッショナーのロブ・マンフレッド氏からクラブを売却しないか?と持ちかけられていました。これにはその他複数のオーナーの意見もあったようです。

 マンフレッド氏がそう持ちかけたのは、1つはサラリーの問題。これは後述します。贅沢税上のサラリー計算ではいつも下から数えた方が早い位置につけており、それが一向に改善されません。

 そして2つ目は昨年秋に襲ったハリケーンの影響で使用するスタジアムの改修、そして生まれては消えを繰り返す新スタジアムの構想などとりまく環境が変わらないというのが大きなポイントでもあります。

買い手は?

 ロイターにも出た売却関連のニュースですが、18日、レイズは以下の発表を行いました。

 「レイズはパトリック・ザルプスキ(Patrick Zalupski)、ビル・コスグローブ、ケン・バビーを中心としたタンパベイの著名な投資家が率いるグループとクラブ売却の可能性に関する独占的な話し合いを最近開始した」と発表。また「レイズと同グループとは協議中でこれ以上のコメントは差し控える」ということも付け加えました。

 今後も筆頭になるであろうパトリック・ザルプスキ氏はフロリダ州ジャクソンビルにある上場している不動産デベロッパー、ドリーム・ファインダーズ・ホームズのCEOで、同社はフロリダ州で38,000戸以上の住宅を販売。フォーブスは彼の純資産を$1.4B、会社の評価額を$3.4Bと見積もっています。

 購入者の関係は筆頭がパトリック・ザルプスキ氏でケン・バビー氏とビル・コスグローブ氏は少数株主になる見込み。

 パトリック・ザルプスキ氏は現時点でプロスポーツのオーナーではありませんが、地元のNFLジャクソン・ジャガーズのスポンサーでもあります。

 ケン・バビー氏は現時点でマーリンズのトリプルA、ジャクソンビル・シュリンプスとガーディアンズのダブルA、アクロン・ラバーダックスの株式の過半数を持ち、父は弁護士でNBA フェニックス・サンズのプレーヤー・エージェントで後にサンズのバスケットボール・オペレーションズのプレジデントに就任しました。

 ビル・コスグローブ氏はユニオン・ホーム・モーゲージのCEO。

 買収価格は$1.7Bで話が進んでおり、ザルプスキー氏は他の2人とともにクラブを購入する意向を示す書簡にサインしたと。

成立となった場合はフロリダに残る見込み 

 もしも現在の売却手続きが完了した場合、パトリック・ザルプスキ氏のグループはタンパベイ地区に残る見込み。ただ、どこに新球場建設を求めるかはまだ明らかにしておりません。

 セントピーターズバーグ/タンパ周辺に新スタジアムを建設するための公的資金を確保しようと何年も試みたが、うまくいかなかった。しかし、ハリケーン・ミルトンがトロピカーナ・フィールドに壊滅的なダメージを与え、この計画は頓挫し、レイズは一時的にタンパのジョージ・M・スタインブレナー・フィールドに移転することになった。

現オーナー、スターンバーグ氏の努力が実らず

 サラリーの面ですが、レイズは小さなメディア・マーケットにあり、観客動員を増加させることができないため、選手獲得に資金を割けない状況でした。

 レイズはリーグのレベニューシェアリングシステムから高額な分配を受け取っているにもかかわらず、選手のサラリーは毎年リーグ最下位を争う状態。スターンバーグ氏による絶え間ないサラリー制限のせいで、レイズはスター選手を育成しては、他へ放出を繰り返し、いつもより若く、契約がコントロール出来る選手を優先。この点がさらにチームのイメージを悪くし、より観客をスタジアムから遠ざけていました。

唯一の大型契約は不幸な結果に

 エバン・ロンゴリアは上述のチームの顔が他へ移ってしまった好例。サイ・ヤング賞を受賞したデービッド・プラウス、ROYを受賞したウィル・メイヤーズらもその中の一人で、ランディー・アロウザリナ、ウィリー・アダムスもそうですね。

 そんな中、レイズが唯一と言っていいほど、長期で囲い込もうとしたのがワンダー・フランコ。2021年11月に、11年/$182M (2022-32) + 2033 $25M クラブ・オプションというクラブ史上最大の契約でサインしました。

 ところが、これと決めたそのワンダー・フランコが契約履行からわずか2年足らずで未成年との不適切な関係が判明。現時点では未成年者への性的・商業的搾取の罪で公判中です。MLBはフランコに対する疑惑の調査を現在も進行中ですが、まずはドミニカ共和国の判決を得てからの判断でしょう

 さらに2025年6月に入って、銃の不法所持で起訴もされております。父親の名義で登録していた銃だったようですが、この点もまだこれから審議に入ります。

 どう考えても復帰の見込みは少ないと言わざるを得ません。まあ、一応、スターンバーグ氏もスター選手を作ろうと投資はしましたが、最悪の結果になっております。そもそもワンダー・フランコの契約も途中でどこかに買い取ってもらうことが前提だったかもしれませんが・・・

スタジアム問題

 20年以上にわたってレイズのオーナーでスターンバーグにつきまとったもう一つの実らなかった努力はスタジアム問題。

 同じようにスタジアム建設が出ては消えていたアスレチックスはラスベガスへの移転が決まり、スタジアムもストリップ地区にある新本拠地へ2028年に移転することが決定しました。

 レイズのトロピカーナ・フィールドはかなり老朽化した施設ゆえに、現在とほど近いイボー・シティのダウンタウンに建設するプランが出来てましたが、これは消えました。

 さらにはホームゲームの半分をフロリダで、半分をモントリオールで開催するという分割開催案まで飛び出したことも。これも消えました。

 トロピカーナ・フィールドは古さだけでなく、その立地もファンにとってはしばしば悩みの種でこれも長年に亘ってレイズの観客動員難が伸びない原因の一つです。

ハリケーンで大打撃

 カナダとフロリダの折半案が消えた後、$1.3Bを投じてガスプラント地区に3万人収容の施設を建設する仮契約を結んでいました。

 しかし、2024年のハリケーン「ミルトン」の被害が発生。屋根全体が剥がれ落ち、レイズは数ヶ月間本拠地球場がない状態になる以前から。今季はヤンキースのキャンプ地であるスタインブレナー・フィールドを間借りすることに。しかし、これも現在のところ2025年シーズンまでです。

 大規模なハリケーン被害は、新スタジアムの資金調達どころではなくなり、トロピカーナ・フィールドの修復費用、レイズの暫定本拠地候補の実現可能性、その他様々なロジスティクスの問題などが発生。そしてスタンバーグは2025年3月にガスプラント地区への移転計画を追求しないことを発表。また消えたのでした。

 レイズが2026年にトロピカーナ・フィールドでホームゲームを行うまでに修復が間に合うかどうかは、まだ完全にはわかってはおりません。資金が足りないのです。

 果たして買収で当座の2026年のスタジアム問題が解決するかどうもわかりません。

スターンバーグ氏の功績

 ただ、スターンバーグ氏の大きな功績はあります。それは少資本でいかにレバレッジを効かせて良い結果を出すか?ということ。この辺りはもうMLB NO.1とも言っていい優秀さを誇るのはMLBファンの方ならご承知の通りです。オープナー考案チームでもあります。

 MLBは2球団のエクスパンションも考えており、ひょっとしたらそれもレイズの買収に影響を与えるかもしれません。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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