ALサイ・ヤング賞候補のタリク・スクーバル
現地2024年6月10日、デトロイト・タイガースの左腕、タリク・スクーバル(Tarik Skubal)がブルワーズ戦で先発。唸る豪球を何度も披露し、NLセントラル首位を行くブルワーズ打線を力でねじ伏せる圧巻の投球を見せました。
タリク・スクーバルは今季8勝目。ALサイ・ヤング賞も見えてくる素晴らしい投球でした。
今季は熾烈なALセントラル
今季のALセントラルはガーディアンズ、ロイヤルズが牽引し、非常に熾烈な争いを繰り広げています。2023年はALイーストの最下位の勝利数とALセントラルの首位の勝利数が拮抗するという厳しい憂き目にあいましたが、今季は3位のツインズまでが勝率5.00を上回り、非常に面白いですね。これはナ・リーグも同じことで、中地区はAL・NLともにここ数年はポストシーズンでも勝ちきれおらず、盛り上がりにかける傾向がありましたが、今季は面白いですね。
デトロイト・タイガースも4月半ばまでは好調で、首位争いを演じていましたが、5月は3連敗と5連敗をそれぞれ1度ずつ経験し、11勝16敗と負け越しました。5月は、ヤンキース、ガーディアンズ、ロイヤルズなどハードなマッチアップも多く、まだ若いメンバーが多いチームとしては要所要所で勝ちきれないシーンもありました。
ただ、6月に入り、再び持ち直しつつあります。
タリク・スクーバルが10K
ブルワーズとの3ゲームシリーズに連敗したタイガースはエースのタリク・スクーバルが先発。圧巻の投球でした。1回表、タリク・スクーバルはジョーイ・オルティズ、リース・ホスキンスそしてクリスチャン・イエリッチの1、2、3番を三者連続三振に仕留める好調な立ち上がり。しかも初回はコントロール重視で、4シームは94-95mphに抑えていたところがまた憎らしかったですね!
タイガースは1回裏の攻撃でブルワーズ先発のブライス・ウィルソンからライリー・グリーンのタイムリー・ダブルなどで2点を先制し、スクーバルを援護。
2回表はウィリー・アダムス、ブレイク・パーキンスにシングルを浴びてランナーを2塁に背負うも、ジャクソン・チューリオ、アンドリュー・モナステリオを打ち取り無失点。このイニングは86mph前後のチェンジアップを使うなど、徐々に投球の幅を拡げていきます。
MAX 101.7mph
そして中盤からギアが上がって行きます。4シームは97-99mphへ上がり、しかも90mph前後のスライダー、79mph前後のナックル・カーブも交え、ブルワーズ打線を翻弄。
リース・ホスキンスへの 3球目にはなんと101.7mphをマーク。まさに豪球でしたね。ちなみにホスキンスのこの打席では7球目に87.7mphのチェンジアップ を投じ、キャッチャー・ファウル・フライに打ち取りました。
3回表、4回表はとりわけ速かったですね。5回表を三者凡退に斬った直後は味方打線もさらに援護。5回裏、タイガースは3本のシングルと2つの四死球で2点を追加した後も攻撃の手を緩めず、最後はジェイク・ロジャースが3ランHRを放ち、この回は一気に8得点で10-0。もうゲームを決めました。
タリク・スクーバルは、6回、7回の4シームの大半は94-95mphで、肝心なところで97mphにギアを入れるといううまい投球。結局、7回2アウトまで投げて6.2 IPで被安打5、失点1、自責点1、BB 2、SO 10をマーク。
10-2のスコアでタイガースがブルワーズを下しました。タリク・スクーバルは8勝目。
タリク・スクーバル、CY候補
この日の勝利で8勝目を上げたタリク・スクーバルですが、もはやALサイ・ヤング賞候補と言っていいくらいの数字を残しています。
- 勝利数: 8(AL 2位タイ)
- ERA : 1.92 ( AL 2位)
- SO: 96 (AL 3位)
- WHIP: 0.89 (AL トップ)
ERAの良さとSOの多さは品質の高さを表していると思います。ERA 1位はレッドソックスのタナー・ハウクでERA 1.91。
タリク・スクーバルは2022年8月に投球肘の屈筋腱手術を実施。復帰したのは2023年7月。2023年9月には4勝0敗で、ALピッチャー・オブ・ザ・マンスも受賞しており、今季への伏線もありました。今季は術後初のフルシーズンということで、このまま良い状態がつづくことを願います。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント