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【MLB2023】オリオールズ、100勝でALイーストを制覇!

2014年以来9シーズンぶりの地区優勝

 現地2023年9月28日、レッドソックスのトレーバー・ストーリーの当たりを3Bのラモン・ウリアスがさばき、1Bのライアン・オハーンのミットに送球が吸い込まれた時、オリオールズがのALイースト地区優勝が決まりました!

 Congratulations!

【YOUTUBE】The Baltimore Orioles are American League East champions for the 10th time in franchise history!

 シーズン159試合目、強いレイズを制してのALイースト制覇は100勝を達成しての堂々たる地区優勝でした。オリオールズがALイーストを制覇したのは2014年以来9年ぶりのこと。 

10度目の地区優勝

 球団創設は古く、1901年のミルウォーキー・ブルワーズ(現在のブルワーズとは起源が違います)からスタートし、1902年からセントルイス・ブラウンズに変わり、現在のボルチモア・オリオールズとなったのは1954年から。

 セントルイス・ブラウンズ時代の1944年にワールドシリーズに進出。この時の優勝はリーグ優勝としてカウントされています。当時は計16クラブでALとNLでそれぞれ8クラブずつ。ALのチャンプとなったセントルイス・ブラウンズはワールドシリーズでカージナルスと対戦。2勝4敗で敗れました。カージナルスのレジェンド、スタン・ミュージアルの時代です。

 また、1966年にはワールドシリーズを制覇。この優勝もリーグ優勝としてカウントされています。

 各リーグで地区制(東西)が採り入れられたのは1969年から。オリオールズは1969、 1970、 1971 、1973、 1974、 1979、 1983、 1997、 2014、2023と計10度の地区優勝を数えます。このうちの6度が1980年までのものですから、1970年代がいかに強かったかがよくわかります。

地区優勝シーズンは恐ろしく強い

 オリオールズの面白いところは、地区優勝を決めたシーズンはほぼ100勝シーズンであること。1969から1971年までは3年連続100勝オーバー。1973年と1974年は90勝台でしたが、1979年は102勝、1983年(WS制覇)は98勝、1997年も98勝、2014年は96勝、そして2023年は100勝を達成(まだシーズンは終わっていませんが)。地区優勝を決めるシーズンは恐ろしく強いという傾向があります。

暗黒の2018-19から4年でALイーストを制覇

 2014年にスティーブ・ピアースが中心となって地区優勝を果たしたオリオールズ。ちなみにスティーブ・ピアースはその4年後、2018年にレッドソックスがワールドシリーズを制覇した時のシリーズMVPに輝いた選手です。

 そこから2016年までの2年間はコンテンダーとして地区優勝争いに食い込みを見せましたが、2017年から解体状態に。ここから暗黒時代が始まります。

 2018年にはシーズン成績が47勝115敗。これは今季のアスレチックスが現地2023年9月28日時点で159試合を消化して49勝110敗ですから、いかに苦しいシーズンだったかがよくわかると思います。勝率は.290です。

 そしてさらに悲惨だったのが2019年。このシーズンは54勝108敗で勝率が.333。2018シーズンよりも勝率はよかったものの、打たれに打たれたシーズンでした。

 チームERAは5.59で当然MLBワースト。981失点もダントツでワースト、なかでも被本塁打305は、ワースト2位のロッキーズの270HRを大きく上回る数字。

 特にヤンキースにはコテンパンにやられました。16連敗を含む2勝17敗で被本塁打が61。見ていられないような惨劇が続きました。

ドラフトで再生

 悪いことがあれば良いこともあるもので、この時期にオリオールズはドラフトで素晴らしい編成を行いました。

 2018年のドラフトでは1巡目(全体11位)で右腕のグレイソン・ロドリゲスを指名。

 なんと言っても2019年全体1位のアドレー・ラッチマンの指名です。2巡目指名ではガナー・ヘンダーソンを指名。

 2020年は全体2位でヘストン・キャースタッドを指名。同年はCOMP BALANCE ROUND Aでジョーダン・ウェストバーグも指名しています。

 ライアン・マウントキャッスルはもう少し前の2015年の1巡目ですが、今季活躍しているロスターにいる中心はドラフトでの指名が効いた賜物でした。

トレードでも奏功

 トレードで良い選手も獲得しています。カイル・ブラディッシュはエンゼルスの2018年の4巡目指名の投手です。エンゼルスは誰を獲得したのかというと、ヤンキー・スタジアムでゲロったディラン・バンディー。たしかに2020年だけは良かったですが、逃した魚は大きすぎました。

 ディーン・クレマーは2016年のドジャースの14巡目指名で、ドジャースがマニー・マチャードをトレードで獲得した時の交換要員としてオリオールズへ。

 トレードで言えば、藤浪投手も効きましたね。見事にものにしました。目立った活躍はしていないですが、ジャック・フラハーティーを獲得したのは心強いところです。

 FAでは目立つところではカイル・ギブソンくらいです。

2022年に予兆

オリオールズは、2022年開幕から変化の予兆がありました。投手力がよくなったのです。特に、8回、9回はディロン・テートとホルヘ・ロペスが素晴らしい投球を継続し、他が羨む8回、9回でした。 

 そのディロン・テートは前腕部を傷めて今季はビッグリーグでの登板はありません。マイナーでのリハビリです。40manにはおります。

 その仕上げを行ったのがアドレー・ラッチマンになるかと。彼の加入でオリオールズの野球の質がグンと上がりました。

 それが完全に機能したのが今季になるかと。

今季は穴らしきものがほとんどなし

 そして今季のオリオールズは、先発、ブルペン、打撃陣、守備力と全てのバランスが良く、穴らしいものがほとんど見当たりません。

 いずれも現地2023年9月28日終了時点の数字になりますが、ローテーションでは、カイル・ギブソンが15勝、ディーン・クレマーが13勝、カイル・ブラディッシュが12勝。グレイソン・ロドリゲスとタイラー・ウェルズがそれぞれ7勝。

 そしてゲーム後半には、IL中ではありますが、フェリックス・バティスタがおり、セットアップにイェニエル・カノー、この2人に加えてブルペンは藤浪投手、豪球左腕のシオネル・ペレス、難しい場面を任されるダニー・クーロムがおり、起用には色々なオプションで対応できます。

 打撃ではアドレー・ラッチマンが91 BB を取りつつも、BA .277、HR 20。ライアン・マウントキャッスルは怪我から復帰してRBI 67、HR 18。アンソニー・サンタンデアが28 HRで93 RBI、セドリック・マリンズも74 RBIをマーク。オースティン・ヘイズは143安打で、RBI 67。守備が光るラモン・ウリアスとホルヘ・マテオ。そしてガナー・ヘンダーソンは142安打で、28 HR、62 RBIをマーク。ジョーダン・ウェストバーグも.259/.312/.403と貢献。ヘストン・キャースタッドも頭角を現しつつあります。そして、ジェームズ・マッキャンの補強も効きました。ラッチマンがマスクをかぶらない日を作りましたし、いぶし銀の活躍を見せています。

強いレイズから首位を奪還

 そして4月に無敵を誇ったレイズを徐々に追い詰め、7月後半には首位に躍り出ました。レイズに怪我人が出たこともありましたが、あの強いレイズから首位を奪った勢いはすごかったです。

 優勝を決めたこの日、クリス・セールから初回にアンソニー・サンタンデアがソロHRを放ち、先制。その後はレッドソックス投手陣の前に苦戦しましたが、9回にはILから復帰したザック・ケリーから1点を奪いました。投げてはディーン・クレマーが6回途中までスコアレス投球。その後もブルペンがスコアレスでリレーして3安打しか許しませんでした。2-0で勝利です。

 100勝を上げているオリオールズはプレーオフでは勝率1位ゆえNO.1シードに入り、ALDSからの登場となります。このまま行けばALDSではレイズかブルージェイズの勝者と対戦。ALイースト同士の戦いになりそうです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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