BAL、最下位ながらも大投手王国のメッツと並ぶ
現地2022年4月20日、コロシアムで行われたオリオールズ@アスレチックス戦は、オリオールズ先発のジョーダン・ライルズ、アスレチックス先発のドールトン・ジェフリーズが好投。アツい投手戦の展開に。
1-0でアスレチックスに勝利
中盤の5回表、オリオールズがイニング先頭のライアン・マッケンナのLF線への二塁打でチャンスメイク。つづくケルビン・グティエレスが放ったCFへのラインドライブの当たりを、アスレチックスのSSで、名手のエルビス・アンドラスが対応出来ずに打球はCFへ。この当たりで、マッケンナがホームに還り、オリオールズが1点を先制。
Gutiérrez up the middle! pic.twitter.com/PSfinGZBoB
— Baltimore Orioles (@Orioles) April 20, 2022
その後、ゲームは両ブルペンが好投。オリオールズはジョーダン・ライルズの後、左腕のポール・フライ、セットアップの役割を果たしているディロン・テート、右腕のブライアン・ベイカー、そして8回途中からクローザーのホルヘ・ロペスへと繋ぎ、アスレチックスの反撃を抑えて勝利。1-0の渋いスコアでシャットアウト勝利をおさめ、今季4勝目を上げました。
5回、8回のピンチを凌ぐ
アスレチックスも計7安打を放っており、特に5回裏、8回裏には、2連続シングルが出て、スコアリング・ポジションにランナーを進めたものの、オリオールズの投手陣が厳しいシチュエーションを乗り越えたというところです。
シャットアウト勝利はAL1位
このゲームを終えてオリオールズは4勝8敗。まだ負けが混んでおります。
しかし、オリオールズが相手チームを0点のスコアレスに抑えてシャットアウト勝利するのはこれで3度目。実はこれは現地2022年4月20日時点で、ア・リーグ1位の成績です。
念の為、ここで言うシャットアウト勝利は、一人の投手がいわゆる完封したのとは違い、リレーでありながらも0点に抑えたという意味で使っています。
大投手王国のメッツと並ぶ
現地2022年4月20日時点での各クラブのシャットアウト勝利の状況を調べてみました。その結果、シャットアウト勝利数で行けば、ナ・リーグ東地区のニューヨーク・メッツの3勝に並んでいることが判明。
【各クラブのシャットアウト勝利数】
ALイースト
- オリオールズ: 3
- ヤンキース:2
- レイズ:1
- レッドソックス:1
ALセントラル
- ホワイトソックス:0
- ガーディアンズ:0
- ロイヤルズ:2
- タイガース:0
- ツインズ:1
ALウェスト
- エンゼルス:2
- マリナーズ:0
- アスレチックス:0
- アストロズ:1
- レンジャーズ:0
NLイースト
- メッツ:3
- ブレーブス:0
- ナショナルズ:1
- マーリンズ:0
NLセントラル
- カージナルス:2
- ブルワーズ:0
- カブス:1
- レッズ:0
NLウェスト
- ドジャース:1
- ロッキーズ:0
- ジャイアンツ:0
- パドレス:2
- Dバックス:0 (2022年4月20日時点)
まだ開幕して12戦(各クラブで若干の差)ですし、オリオールズは敗戦数がダブルスコアの状況ではありますが、逆に言えば4勝中3勝もシャットアウト勝利を上げているのはなかなかレアなことかと思います。オリオールズが変化したとはまだ言えないかもしれませんが、その兆しあり!と見て良さそうです。
投手陣のスタッツ
現地2022年4月20日までの投手陣の状況を見ると、このような感じです。
- チームERA:2.57 (AL: 2位/MLB: 5位)
- チームWHIP: 1.25 (AL: 8位/ MLB: 15位)
- スターターERA: 2.68 (AL1位/ MLB: 5位)
- リリーバーERA: 2.47 (AL: 3位 / MLB: 6位)
ジョン・ミーンズ離脱もブルース・ジマーマンが奮闘
スターターはエースのジョン・ミーンズがちょっと厄介な左肘の故障で離脱。4月15日の時点では10 Day ILでしたが、17日には60 Day ILに変わりました。ひょっとしたら、あの手術か?というほど嫌な箇所を傷めています。
この離脱でまたもや崩壊!かと思われたのですが、頑張っているのが左腕のブルース・ジマーマン。2試合、9イニングを投げて、未だERAは0.00(現地2022年4月20日時点)。
ミーンズ離脱の後、ローテーションの軸はジョーダン・ライルズでこの日の投球のように、いい内容が3試合続いています。スペンサー・ワトキンスは2試合、8イニングでERAが2.25。タイラー・ウェルズはちょっと苦戦して2試合でERAが6.35なものの、クリス・エリスも出てきました。
他が羨む8回、9回
先発も頑張っていますが、さらにいいのがブルペンの後半2人。セットアップのディロン・テートは6試合でERAが1.23。彼は2021年の62試合登板の経験が活きていますね。
Dillon Tate’s Insane Changeup with 27 inches of Run…with Tail. pic.twitter.com/uNjfDSTygc
— Rob Friedman (@PitchingNinja) April 17, 2022
そしてクローザーのホルヘ・ロペス。彼が非常に良いです。ERAは2.57とクローザーとして完璧ではありませんが、99mphほどのファストボールは威力があります。もともと、2011年のブルワーズの2巡目指名の投手で、ムスターカスとのトレードでロイヤルズへ。ロイヤルズではニア・パーフェクトも経験。変化球の良い投手かと思っていましたが、ファストボールも速くなっていますね。
ロイヤルズからも期待されていたのですが、2020年8月7日にDFA。そこをオリオールズがウェーバーでクレームオフし、今に至っています。
このようにオリオールズは内容がよくなっています。
今季はタンキング防止効果あり?
2021年12月から2022年3月11日にかけてMLBは新労使協定(CBA: Collective Bargaining Agreement)をめぐり、99日も選手たちをロックアウトしていたのはご承知の通りです。
その中のトピックの1つがタンキングの防止でした。タンキングとは簡単に言えば、あえて勝利にお金をかけずに現有勢力で戦うというもの。その目的は、ドラフトの上位指名権の獲得で、こうすることで、将来の大スターを獲得し、しかもFA前の単価の安いうちに、言葉は悪いですが、コスパよく勝利をもぎ取ろうというもの。
オリオールズ、レンジャーズ、パイレーツなどはその典型と言われていましたが、レンジャーズがオフに大補強を行ったのはご承知の通りです。今季の滑り出しは投手陣が苦戦し、勝利数も伸びていませんが、あと一歩で勝利という戦い方は見せています。オリオールズはご覧の通り、変化の兆しはあります。パイレーツも昨年のようなことはありません。
ファイヤー・セールを行った2クラブに明暗
このオフにファイヤー・セールを行ったのはアスレチックスとレッズ。アスレチックスはもう切なくなるくらいに主力を放出。しかし、これをチャンスと捉える選手も多いようで、現地2022年4月20日時点では7勝6敗と勝ち越し。AL西地区3位でアストロズより上におります。
ただ、レッズは2勝7敗で、リビルドのつけに苦しんでいる状態。
なお、開幕前にオーナーが身売りする気か?との噂の出たナショナルズは6勝8敗で負け越してはいるものの、ブレーブスと並んでいます。
まだまだ序盤ですが、前年とは違った変化が見られてなかなかおもしろいです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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