レイズ、オープニング・ピッチャーが開幕に間に合わず
現地2023年2月27日のブルペン・セッション中に腹斜筋を傷め、急遽病院に向かってMRIを実施し、患部の診察を行っていたタイラー・グラスノーですが、現地2023年2月28日、レイズのケビン・キャッシュ監督から大まかな診断結果が発表されました。
最長8週間の離脱
症状は予想よりも重く、タイラー・グラスノーの腹斜筋はグレード2というレベルの症状で、6〜8週間の離脱であることが判明しました。4-6週間という報道もありますが、リハビリからの実戦復帰を見込めば、最長で2ヶ月、4月後半から5月頭にかけて復帰できればというタイム・テーブルとなりました。
よって、レイズのオープニング・ピッチャーの最有力は、開幕はサイドラインで迎えることが決定しました。
TJ手術から復帰後初のフルシーズン
タイラー・グラスノーは、現地2021年6月14日のホワイトソックス戦で4イニングを投げたところで肘の違和感を覚えてゲームから離脱。深刻な怪我ということで即座に精密検査を実施。診断の結果、違和感は右肘の尺骨側副靭帯(UCL)の部分断裂と屈筋のハリが原因であることが判明。この時点でトミー・ジョン手術の一歩手前という症状でしたが、1ヶ月半ほど様子を見たのち、現地2021年8月4日にトミー・ジョン手術実施に踏み切りました。
トミー・ジョン手術は投手の場合、復帰まで約1年半というのが余裕のある復帰タイム・スケジュール。グラスノーの場合、2023年2月がそれに該当することから、2022年は全休するかと思われていました。
2022年に2試合登板
ところが若さゆえの驚異的な治癒力なのか、2022年9月28日のガーディアンズ戦で実践復帰。先発して、3イニング50球を投げ、被安打2、失点1、3SO、1HRという投球を披露しました。
2022シーズンはもう1試合に登板し、計2試合でいずれも3イニング程度の登板となりましたが、たった13ヶ月でマウンドに戻ってきたのには驚かされました。
なお、タイラー・グラスノーが早期復帰したのはレイズがポストシーズンに進出したからなのですが、グラスノーはガーディアンズとのワイルドカード・シリーズのGame2に登板。5イニングを投げ、被安打2、失点0と好投しました。このゲームは、投手戦となり、延長15回まで両クラブともに0が並び続けるすごい展開に。最後は、延長15回裏にオスカー・ゴンザレスがコーリー・クルーバーからサヨナラHRを放ち、ガーディアンズがALDSに勝ち上がりました。
タイラー・グラスノーにとっては2023年が術後初のフルシーズンだっただけにちょっと残念でしたね。
ここまでTBで50先発、17勝
タイラー・グラスノーは、もともとは2011年のパイレーツの5巡目指名の投手。このとき、高校卒です。デビューはパイレーツ時代の2018年。パイレーツには2018年の7月まで在籍。
同年のトレード・デッドラインでパイレーツがクリス・アーチャーを獲得したトレードで、オースティン・メドウズとPTBNLとともにレイズへ移籍。後日、PTBNLはシェーン・バズに。
このトレードはクリス・アーチャーは機能せず、とびっきりのプロスペクトを易々と渡したということで史上まれに見る最悪のトレードとして名高いですね。
レイズではここまで5シーズン在籍し、50回先発して17勝9敗、ERA 3.05、WHIP1.00、268.1イニング、364 SOをマーク。
【YOUTUBE】Tyler Glasnow Dominant 14K
6フィート8インチ、203センチの身長から100mph近辺のボールを投げ下ろすのが魅力で、それこそサイ・ヤング賞を狙える逸材でもあります。ただ、ここまでは怪我により、稼働が抑えられてきた傾向があり、IPのMAXはトレード・イヤーの2018年の111.2です。ヘルシーさを保てるかどうかが鍵の投手でもあります。
レイズの開幕投手候補
開幕投手の最有力候補を欠くことが決まったレイズですが、もともとは右のタイラー・グラスノー、左のシェーン・マクラナハンというダブル・エース体制でもありました。
よって、大きな怪我のニュースなどが全く入ってきておらず、ヘルシーなシェーン・マクラナハンがそのままオープニングを務めそうです。レイズの2023年3月30日のオープニング・カードはタイガース戦。タイガースとの3ゲームをこなした後、ナショナルズ、アスレチックスが3試合ずつ続き、いよいよ現地2023年4月10日から同地区ライバルのレッドソックスとの4ゲームシリーズが始まります。
左の好打者の多いレッドソックスに対して、Game1でシェーン・マクラナハンを当てたいところでしょう。そこから逆算してもやはりオープニングはシェーン・マクラナハンのように思います。
その他、レイズのローテーションに入りそうなのは、ドリュー・ラスムセン、ジェフリー・スプリングス、新加入のザック・エフリンらを軸に、ジョシュ・フレミング、ルイス・パティーニョ、ヨニー・チリノス、そしてトッププロスペクトのタジ・ブラッドリーらが狙います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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