ブルージェイズ、SPを補強
現地2025年11月26日、トロント・ブルージェイズはパドレスからFAとなっていた先発右腕のディラン・シーズと7年契約で合意しました。現時点ではフィジカル・チェックの結果待ちで、まもなくオフィシャルになる見込みです。
2025年のWSの激闘
2025年はワールドシリーズ制覇まであと1歩というところまで迫ったブルージェイズ。Gm7までもつれ、しかも延長11回に至る激闘となりました。その背景にはとにかく破壊力抜群の強力な打線があったわけですが、打線だけではそこまで勝ち上がれません。
エースのケビン・ゴーズマンに加えて、トレイ・イェサベージという強力な救世主が現れたことも大きかった訳です。
そんなブルージェイズが安定感のある先発投手を獲得し、埋めておきたいピースをまずは埋めたということになりました。
契約内容
ブルージェイズとディラン・シーズの契約はメガディールです。
- 7年/$210M保証 (2026-32)
現時点では詳細は不明ですが、オプションなども入ると思われます。ディラン・シーズは1995年12月28日生まれで、2026年の開幕は30歳で迎えることになります。
今回は7年の保証ですので、ほぼキャリア終焉までの契約を勝ち取っています。もしオプトアウトなどが入っていれば30歳を超えてのFA市場参戦になるので、これ以上の契約は難しいと考えますので、オプトアウトなどはないように思いますが、どうでしょうか?エージェントはボラス・コーポレーション。当初はACESでしたが、2022年1月に変えております。
TORのFA契約としては最大
ゲレロ・Jr.の14 年/$500M (2026-39)は延長契約でした。ブルージェイズがこれまでFAとなった選手と契約した歴史で見ていくと、今回のディラン・シーズとの7年/$210M (2026-32)はFA選手との契約としては最大となります。これまではジョージ・スプリンガーとの6年/$150M (2021-26)が最大でした。
SPマーケットではトップだったディラン・シーズ
ディラン・シーズは2014年のカブスの6巡目指名。高校卒での指名でした。
2017年7月のトレード・デッドラインでカウスがホセ・キンタナを獲得したトレードで、エロイ・ヒメネスらとともにホワイトソックスに移籍。
デビューはホワイトソックスで2023年まで在籍しました。2021年に32先発、165.2 IPで13勝7敗、ERA 3.91をマーク。翌2022年には32先発、184.0 IPで14勝8敗、ERA 2.20をマーク。このシーズンがとりわけすごかったですね。
2023年は33先発をこなしたものの、ホワイトソックスが酷すぎて7勝9敗でERA 4.58に。これはもはや同情せざるを得ないようなシーズンでした。そして2024年3月にパドレスにトレードとなり、2024年は33先発で14勝11敗、ERA 3.47、2025年は32先発で8勝12敗、ERA 4.55。今オフが初FAということに。
頑丈!
上述のように先発ではほぼ皆勤と言ってもいい32先発以上を連発。2021年から5年連続達成という素晴らしさ。さらにイニング数は200.0を超えたことはないものの、毎年、165イニング以上に登板。
先発としてこんなに頼もしいことはありません。
実際、ディラン・シーズは2019年にメジャーデビュー以降、2021年にCOVID-19の影響で短期間IL入りした以外、怪我による離脱はありません。短縮された2020年シーズンさえも12試合に先発しました。
無理のないあのグラブを早めに囲い込む独特なフォームが良いのか本当に頑丈です。シーズはゲーム中は深いイニングまで投げることは少ないですが、とにかくローテーションは守ってきたということでもあります。
奪三振は5年連続200以上
制球力は抜群ではないものの、奪三振力は素晴らしいです。90mph台後半を維持し、スライダー、ナックルカーブ、チェンジアップと緩急があります。
2020年から2025年までのERAは3.88、BB率は9.9%とやや高めでしたが、SO率は28.9%と高いです。実際、奪三振数は2021年から5年連続で200以上をマーク。
2025年はERAが4.55と上昇した嫌いはありますが、ブルージェイズは打線に自信を持っており、そこは一時的なものであまり気にしていないように思えます。
TORのローテーション
ディラン・シーズの加入によりブルージェイズの2026年ローテーションはケビン・ゴーズマン、ディラン・シーズ、トレイ・イェサベージ、シェーン・ビーバー、ホセ・ベリオスという布陣となり、ここにエリック・ラウアー、リッキー・ティードマン、ボーデン・フランシスといった面々も加わり、ローテーション争いが発生するという素晴らしい状況に。
シェーン・ビーバーとケビン・ゴースマンは2026シーズンまでがコントロール下。ディラン・シーズの加入はそれ以降のブルージェイズのローテーション構築にも役立ちそうです。
なお、プロスペクトにはトミー・ジョン手術のリハビリ中のジェイク・ブロスがおり、ゲイジ・スタニファーやジョニー・キングといった投手達もこれからメジャーのマウンドに立ちそうです。そういう意味でもシーズの加入は大きいですね。
ボー・ビシェットは手放すのか?
ゲレロ・Jr.とともにトロントの2世スターとして活躍してきたボー・ビシェットは今オフはFAで、QOも拒否し、一旦は市場に出ました。相思相愛とは言われているものの、ブルージェイズは今回のシーズの加入でゲレロ・Jrのサラリーも含めると現時点で2026年の基準値$244Mを大きく上回る$261M以上を計上。
ブルージェイズは2023年に一度基準値を超えましたが、2024年に基準値内に抑えましたので一旦はリセットを完了。しかし、2025年は$241Mに対して$261Mと再び基準値超え。2026年もおそらく超えることになるでしょう。
果たしてこの状況でメガ・ディールが予想されるボー・ビシェットと再契約するか?となるとかなり難しいと筆者は思います。
ゆえに今回のディラン・シーズのディール成立により、ボー・ビシェットの争奪戦が繰り広げられそうです。SSに安定感のない、ブロンクスも動きそうな気がしますが、どうでしょうか!?
お読みいただき、ありがとうございました。







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