スポンサーリンク

【MLB2023】ビリー・エプラーがGMを辞任したメッツは期限を区切らず後任探しを実施!幻のILとは?

メッツのフロントオフィスの体制

 ニューヨーク・メッツが長年ラブコールを送っていた元ブルワーズの編成トップで直近ではオーナーシップとBOの特別顧問のポジションにあったデービッド・スターンズ(David Stearns)をPOBO (President of Baseball Operations)に迎えたと正式発表したのが、現地2023年10月2日。メッツにとってハートブレイクなレギュラー・シーズンが終了した直後のことでした。

GMのビリー・エプラーが辞任

 当初はGMのビリー・エプラーもデービッド・スターンズの下で働くという構造になっていましたが、スターンズのPOBO就任会見からわずか3日後の現地2023年10月5日にGMのビリー・エプラーが辞任を発表しました。

 現時点で48歳のビリー・エプラーは2021年11月にメッツのGMに就任。翌2022シーズンにメッツは101勝をマークし、ワイルドカード・シリーズで敗退するも、大いに成果を発揮した仕事ぶりでした。そして2023年、メッツは前年とは打って代わって75勝にとどまり、トレード・デッドラインでは「売り」に回る事態となりました。

 スターンズが加入し、エプラーの多くの権限は彼に移譲されるものの、それでもエプラーはGMとしてメッツに留まると予想されていたのですが、辞任は晴天の霹靂というところだったようです。

幻のILとは?(IL操作)

 ビリー・エプラーが、辞任したタイミングは要らぬ憶測を呼んでしまうタイミングでもありました。

 それが「幻のIL」です。ILの不正使用についてMLBの調査が入っている中での辞任だったことで、これは要らぬ疑いをかけられていそうです。

 ただ、これはスキャンダラスな問題ではありません。

ロスター調整で

 MLBがメッツの「幻のIL」について何を調査しているのかというと、負傷していないのにIL枠を使ったのではないか?という疑いです。

 ただ、偽の負傷でILに選手を登録するのは、制度を逆手に取ったやり方でどこのクラブもやっていると言っても過言ではないでしょう。

 この点は今の時代、倫理的にどうか?という点が問題なのでしょうが、不透明な部分があるのが正直なところです。

 クラブ側は、しばしばロースターの当落線上にいるプレーヤーにたとえプレーが可能であっても。IL入りを受け入れるよう要請すると言います。

 これをするクラブ側のメリットは26人のアクティブ・ロースターが不足する可能性がある中、その補充可能となる40manロスターの枠をめいいっぱい使えるという点です。ILはカウントされませんから。その枠を別の選手に充てることが出来るということに。

 ただ、この「幻のIL」がまかり通っている理由は選手側にもメリットがあるからです。

 たとえばマイナーへオプションされればサービスタイムがカウントされなくなりますし、サラリーもマイナー・レベルに。ところが、ILとして40manロスター(メジャー・ロスター)に残っていれば、サービスタイムはカウントされますし、サラリーもメジャー最低年俸の基準があります(これはクラブ側のデメリットにもなります)。

 断る理由が少ないのです。

 もしも断る理由があるとすれば、MLBの試合に出る機会が失われるということでしょうか。ただ、マイナーにはなりますが、IL中でも試合には出られます。

 負傷が治り、ヘルシーな状態にもかかわらず、選手の意向を無視して強制的にIL入りを行ったのなら、問題があるとは思います。強制的というより、選手はILに入った方がメリットが多いからと勝手に事務的に判断してステータスを決めるのが慣習になっていて、それに異議と唱えた人がいたのかもしれませんね。

 内部告発でもあったのかもしれませんね。

虚偽のIL使用の処分は不明

 なお、偽のILを使った場合の処分は明らかになっていません。ここは不明瞭なところです。

 エプラーが際立って偽のILを使用していたということであれば、なるほどとも思うのですが、頻度や質などはどうなのかわかりかねるところが多いです。

 たとえばトレバー・ガットを獲得した時に、「メッツはトレバー・ガットの40manロスターのスペースを空けるため、4月後半に左足首を捻挫してILに入っていたエドウィン・ウセタ(Edwin Uceta)を60 Day ILに移しています。」ということがありました。

 仮にウセタがピンピンしていたなら、そのケースに当たると思うのですが、実態は定かではありません。

 MLBの調査が入った理由も不明ではあります。

 今後の罰則の規定も見据えた単なる実態調査である可能性もあります。

メッツはGMサーチ(急ぎではない)

 なお、スターンズによるBO体制が決まったメッツですが、引き続きGMロールを探す意向のようです。

 さすがにスターンズ1人で大きな組織のPOBOとGMとの兼任は難しいのでしょう。そしてGMサーチに関してはスケジュールを定めず行うとしています。

 それまでは実質的にはスターンズと複数人のアシスタントGMでその空いたスポットの仕事をこなすということのようです。

Mets Staff Directory | New York Mets
Find the full listing of Mets front office department and staff members

 お読みいただき、ありがとうございました。

コメント

スポンサーリンク

NEW

【MLB2024FA】ブルワーズがウェイド・マイリーと再契約へ!1年/8.5Mドル保証でサイン
【MLB移籍2024】ブレーブスがマリナーズからジャレッド・ケルニック、マルコ・ゴンザレスをトレードで獲得
【MLB2024FA】ドジャース、ジョー・ケリーと再契約!1年契約で合意
【MLB制度】クオリファイング・オファー(QO)結果判明後の補償とペナルティーについて(CBA 2022-26)
【MLB制度】贅沢税とは(2022-26 CBA 版)
【MLB2024】メッツ、格安でジョーイ・ウェンドルを獲得!
【MLB2024】メッツ、ルイス・セベリーノを獲得!1年契約で合意
[MLB2024]ベイスターズ今永投手もポスティング開始へ!WBCファイナルの米国戦に先発!
【MLB2024FA】ドジャースがジェイソン・ヘイワードと再契約!テオスカー・ヘルナンデスは諦めたか??
【MLB移籍2024】ツインズからFAのソニー・グレイはカージナルスと3年契約でサイン
【MLB移籍/FA 2024】タイガース、前田健太投手と2年/24Mドルでサイン!
【MLB2023】WS制覇のレンジャーズ、ポストシーズン・シェアを気前よく分配!
【MLB2024】交渉申し込み殺到中の山本由伸投手のポスティング・プロセスを改めて
【MLBトレード2024】Dバックス、マリナーズからユーヘイニオ・スアレスを獲得!
【MLB2024FA】ホワイソックスがSSにポール・デヨングを獲得!
【MLB2024FA】カージナルス、カイル・ギブソンと1年/12Mドルでサイン
【MLB2024FA】ランス・リン、カージナルスと1年/11Mドル保証で契約
【MLB2024FA】フィリーズ、アーロン・ノラとの再契約に成功!7年/172Mドル!
【MLB FA】2024シーズンに向けたクラブ別主要FAプレーヤーリスト(更新あり)
【MLBジャージ】Dバックスが2024シーズンに向け新デザインを披露!
【MLB】2024シーズンに向けたノンテンダー・デッドラインが到来。MILのB・ウッドラフらがノンテンダーFAに
【MLBトレード2024】ブレーブスがマイケル・ソロカを出してアーロン・バマーを獲得!
【MLB2023】ブレーブスのロナルド・アクーニャ・Jr.が満票でNL MVPを受賞!輝いた40-70!
【MLB2023】大谷選手がAL MVPに輝く!2021年に次ぎ2度目!しかも2度とも満票での受賞!
【MLB2023】サイ・ヤング賞はALがゲリット・コール、NLはブレイク・スネルに決定!
【MLB 2024 契約】”ルール5”に向けた40manロスターのデッドラインが到来!CLEのカル・クアントリルらがDFAに
【MLB2023】MOYはO’sのブランドン・ハイド監督とMIAのスキップ・シューメーカー監督が受賞!
【MLB2023】ROYはO’sのガナー・ヘンダーソン、Dバックスのコービン・キャロルに決定!ともに満票での受賞
【MLB2024】アストロズの新監督はベンチコーチのジョー・エスパーダに決定! 順当な人事に
【MLBプロスペクト】2023 AFL MVPはパドレスのジェイコブ・マーシー(Jakob Marsee)が受賞
タイトルとURLをコピーしました