リリーバーで過去最大の契約へ
すでにトランペットが来年もシティ・フィールドで鳴り響くと話題になっていますが、現地2022年11月6日、ニューヨーク・メッツは今季、クローザーとして素晴らしい活躍を見せたエドウィン・ディアス(Edwin Díaz)と再契約しました。
【YOUTUBE】Play the trumpets! Edwin Díaz has been LIGHTS OUT! (Has 91 strikeouts in 45.1 innings)
契約内容
契約内容はこちら。
- 5年/$102M (2023-27)+ 2028 クラブ・オプション
- サイニング・ボーナス:$12M
- 支払い:詳細は今後($90Mを5年で均等払いするのか、ある程度繰延払いするのは未定)
- 2028年:$20Mクラブ・オプション
- 2025シーズン終了後にオプトアウトあり!
- フル・ノー・トレード・プロテクション
- AAV(Annual Average Value)で$20.4M/Year
詳細はまた今後アップデートしますが、2028年の$20Mはクラブ・オプションなので、$102Mの中に$20Mは含まれていません。$102Mからサイニング・ボーナスの$12Mを引くと、$90Mが残額になるので、それを5年で割るとAAVは$20.4Mになります。
リリーバーとして過去最大
エドウィン・ディアスはクローザーではありますが、リリーバーのくくりで考えるとこの契約は過去最大のものとなります。
リリーバーは非常にハードなポジションゆえ、なかなか長期契約というのがありません。クレイグ・キンブレルであっても現契約は2019年6月にカブスとサインした3年/$43M (2019-21)+2022 16Mクラブオプション($1Mバイアウト)です。
ちょうどFAになる頃に疲弊が訪れてしまう可能性がある難しいポジションです。
今回のエドウィン・ディアスの契約がリリーバーとしていかに大きな契約であるかはキンブレルの契約を見てもよくわかると思います。
2022年が1年/$10.2Mでしたので、AAVで考えると2倍になったということですね。
2022年のエドウィン・ディアス
誕生日が1994年3月22日のエドウィン・ディアスは2022シーズンは28歳のシーズンでした。
61試合で62.0イニングを投げ、ERAは1.30。今季のSO%は50.2%。対戦した打者の半数以上から三振を奪ったことになります。そしてSO9で言えば、なんと脅威の17.1。
一方で、BB%はわずか7.7%、BB9では2.6でした。
被本塁打数は3本。32セーブをマークしました。
スライダーの割合が俄然アップ
エドウィン・ディアスのファスボールとスライダーのコンビネーションは相手打者にとって脅威ですが、2022シーズンはスライダーの比率がかなり高くなったのが特徴でもありました。それまでは30%台半ばの比率だったのに対し、今季は58.1%。
2018年が驚異の数字
エドウィン・ディアスと言えば、やはりマリナーズ時代がすごかったですね。
2016年にデビューし、2018年まで在籍しましたが、とくに2018年は73試合に登板し、73.1イニングを投げ、ゲームフィニッシュが65、このうちセーブを記録したのが57。このセーブ数はキャリアハイです。
このすごかった2018年のSO%は44.3%、SO9は15.2でしたから、2022年の数字がいかに生産性が上がっているのかがよくわかります。
ちなみにキャリアの中でSO9トップは17.5ですが、これは短縮シーズンとなった2020年の数字。
リリーバーとしてデビュー以来7シーズンを過ごし、未だ怪我によるシーズン離脱がないというエドウィン・ディアス。メッツに移籍以降は、2018年の面影がやや薄くなりましたが、今季はスライダーを増やすことでモデルチェンジに成功。ファストボールもえげつないくらいの球威が戻ってきました。
MLBのリリーバーは投げた翌日は休むというケースが増えており、酷使はかなり遠ざけられるようになってきました。とは言え、タフな仕事であることは間違いありません。
大怪我がないことを祈るばかりです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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