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【MLB 2022】マリナーズ、カル・ラレイの代打ウォークオフHRで2001年以来のプレーオフ進出を決める

地元ファンの前でプレーオフ進出を決める

 現地2022年9月30日、シアトル・マリナーズはこの日からアスレチックスとの3ゲームシリーズ。今季はこのシリーズの後、デトロイト・タイガースとのダブルヘッダーを含めた4ゲームシリーズを戦って終了です。

 スケジュールは最後のタイガースとのシリーズにダブルヘッダーが入ってやや厳しいものがあるものの、それをアシストするように残り試合は全て地元T-Mobileパークでの開催です。なお、その前の9月27日から始まったレンジャーズとの3ゲームシリーズ(2勝1敗)から、ホームシリーズは始まっており、この日はホーム10連戦の4試合目。

 今季、156試合目、マリナーズはついにプレーオフ進出を決めました。

マリナーズ、電光石火の先制点

 このゲームは投手戦となりました。マリナーズ先発は右のエースと言ってよいローガン・ギルバート。アスレチックスの先発は9月1日にデビューしたばかりの24才の左腕、ケン・ウォルディチャック(Ken Waldichuk)。

 スコアが動いたのは1回裏のマリナーズの攻撃。

 まず、リードオフのディラン・ムーアがCF前シングルで出塁。つづくタイ・フランスのときにディラン・ムーアは2塁への盗塁に成功。これでノーアウト・ランナー2塁のチャンス。ここでタイ・フランスは甘いボールにも関わらず、ケン・ウォルディチャックにすぐに追い込まれます。しかし、5球目のスライダーが真ん中低めに来たところを強振。これがLFへの2塁打となり、マリナーズは打者2人で幸先よく1点を先制。しかし、ここから打線はアスレチックス投手陣に苦戦を強いられます。

 2回表、アスレチックスは期待の捕手、シェー・ランゲリアスにソロHRが生まれ、1-1のタイスコアに。その前の打者のコナー・キャペルが2塁への盗塁に失敗したので、ソロHRに終わりました。マリナーズにとってはラッキー。

 ゲームはここから投手戦に。

A’sのウォルディチャックの好投が投手戦を呼ぶ

 マリナーズはここに来て初めての投手と対戦。それがケン・ウォルディチャック。ドラフトは2019年のヤンキースの5巡目指名。アスレチックスに移籍したのはこの夏のトレードデッドラインでのフランキー・モンタスとルー・トリビーノとのトレードの交換要員としてです。ヤンキースとしてもこれからデビューさせようかとしていた左腕でもあります。

 上述のようにこの9月1日にデビューしました。

 このゲームの前までは5度先発し、1勝4敗、ERA 7.15。前回登板の24日のメッツ戦で、5回を被安打5、失点4ながら、メジャー初勝利を上げたところ。H9が9.4、HR9が1.6、BB9が2.9、SO9が9.4。

 そのウォルディチャックはマリナーズ打線を初回の1失点のみに抑え、5イニングを投げて、被安打3、BB2、8三振を奪いました。これでマリナーズ打線の勢いを止めたと思います。8Kは素晴らしいですね。

 一方のローガン・ギルバートは8回まで登板。アスレチックス打線を被安打3、失点1に抑え、BB2、SO4。アスレチックスにとっては前日の大谷選手からのニア・ノーヒッターに続き、今日も厳しい攻撃となりました。

 また、アスレチックスはケン・ウォルディチャックの後、オースティン・プルイット、AJ・パック、タイラー・カーが好投。3人でスコアレス・リレーを達成しました。

 これらの投手の活躍で緊迫した締まったゲームに。

PHカル・ラレイがウォークオフHR

 ゲームは1-1のまま進み、マリナーズの最後の攻撃に。アスレチックスのマウンドはドミンゴ・アセベド。この投手ももともとはヤンキース。アマチュアFAで2012年にサインしましたが、芽が出ずに一旦は2019年の8月の終わりにリリース。1年後の8月にもう一度ヤンキースとサイン。2020年終了後に再びFAとなり、すぐにアスレチックスとサインしました。

 メジャーデビューは2021年でアスレチックスに移ってからです。

 そのアセベドは、ミッチ・ハニガー、カルロス・サンタナを連続三振に斬って取り、2アウト。

 マリナーズはここで代打にカル・ラレイを起用。

 アセベドはカル・ラレイに対し、インコースを厳しくつく投球を見せ、カウントを作ります。これはアセベドの勝利かと7球目、スライダーがやや甘く入ったところをラレイは見逃さす、うまく拾いました。これが打った瞬間にそれと分かるRFへのHRで、マリナーズが圧されながらも最後は個人の力で勝利をもぎ取ったというゲームでした。

 これは打てないだろうと思っていたのですが、さすが捕手ですね。スライダーを待っていたようです。お見事!

最後はダンス 

 この勝利によりマリナーズは86勝70敗とし、ワイルドカード・シリーズの進出が決まりました。

 いつも勝利のときに踊っているダンスの輪がこの日はひたすら大きな輪になりましたね。

【YOUTUBE】DROUGHT ENDED!! Mariners walk it off to clinch first postseason birth in 21 years!

ALプレーオフの顔ぶれが決定

 仮にボルチモアが5連勝してマリナーズが5連敗してもボルチモアは負け数が1つ多いので、マリナーズ以上のプレーオフ進出は決定。

【現地2022年9月30日終了後のWCレース】

  1. トロント:88-69(157試合)
  2. シアトル:86-70(156試合)
  3. タンパベイ:86-71(157試合)
  • ボルチモア:81-76(157試合)

 なお、計算ではボルチモアの5連勝とタンパベイの5連敗が実現すれば、同率となりますが、その場合はタイブレーカーの試合をして決着をつける前に直接対決の勝敗を見ます。すでにタンパベイとボルチモアは残り試合で対戦はなく、今季は10勝9敗でタンパベイが勝ち越し済み。よって、制度としてボルチモアも敗退です。正式なエリミネーションはタンパベイの勝利とボルチモアの敗戦が重なった日になされるはずです。

 後は、勝率によって2位と3位が入れ替わるかどうか。もし今日の順位でフィニッシュとなれば、地区チャンピオンの勝率3位の中地区のクリーブランドがワイルドカード勝率3位のタンパベイと対戦することに。スモールベースボール対決ですね。マリナーズはトロントとのアメリカ北部対決となります。

 お読みいただき、ありがとうございました。 

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