延長は2027からスタート
現地2026年3月9日、フィラデルフィア・フィリーズは左腕のヘスス・ルザルド(Jesús Luzardo)と契約延長に合意したことが明らかとなりました。
マイアミに移籍後、チーム事情からすると低迷もあり得たのですが、むしろ彼本来のちからを発揮。2025年は15勝を上げましたから、この選択は賢明かと思いました。
契約内容
1997年9月30日生まれのヘスス・ルザルドは2026年は28歳で開幕を迎えます。現時点のMLSは5.165。ということは2026シーズンを終えてFA資格に到達するステータスでもありましたので、フィリーズはFA前に彼を囲い込んだということになります。
調停のファイナル・イヤーとなる2026年のサラリーは2026年1月に調停を避けてサインした1 年/$11M (2026)。今回の延長契約は2027年からとなります。
- 5年/$135M (2027-31) + 2032 クラブオプション
- 2032: $32Mクラブオプション
- 2032年のベース・サラリーは2027-31年の間のいずれかでサイ・ヤング賞トップ5に入ると$2Mアップ
$135Mの内訳はまだ出ていませんが、$135Mを5年均等割したなら$27M。おそらく徐々にエスカレートする設定になるはず。そして6年目のオプションは明らかになっていてなんと$32M。これはクラブオプションなのでフィリーズが拒否する可能性もあるのですが、かなり大きな額となっています。今のところ、バイアウトがあるかどうか不明で、またオフィシャルになった時に、今オフに頻出しているミューチュアル・オプションだったという可能性もありますので、ファイナル情報まで今しばらくお待ち下さい。
ヘスス・ルザルドとは
もともとはナッツ
ヘスス・ルザルドはもともとはナショナルズで、2016年のアマチュア・ドラフトでナショナルズから3巡目で指名されてプロ入り。高校卒でのプロ入りでした。
S・ノイジーとともにアスレチックスへ
ドラフト翌年の2017年のトレード・デッドラインでナショナルズが左腕のショーン・ドゥーリトルとリリーバー右腕のライアン・マドソンを獲得したトレードでアスレチックスへ移籍。この時、ヘスス・ルザルドとともにアスレチックスに動いたのが2023年の阪神の日本一に貢献したシェルドン・ノイジーです。
そしてヘスス・ルザルドは2019年にアスレチックスでメジャー・デビュー。2019年当時、ヘスス・ルザルドはMLBの中でもトップ・プロスペクトであるということで大いに注目された存在でもありました。
アスレチックスで本格稼働となったのは2020年から。この年はコロナ・パンデミックでシーズンが短縮されたのがヘスス・ルザルドのキャリアにとっても痛かったですが、そんな中でも12試合中、9試合に先発し、3勝2敗、ERA 4.12をマーク。
2021年、アスレチックスは本拠地移転問題を抱えていたことや前年のコロナ・パンデミックによる無観客試合でゲート収入が途絶えたこともあり、極端なリビルドを実施。リビルドというよりは解体です。2020年にポストシーズンにも出ていたので余計に勿体ない話でしたが、ファイナンス面で背に腹は代えられない状態でもありました。
2021年の前半はアスレチックスで13試合に登板し、うち6試合に先発。ERAは6.87とパッとしませんでした。同年の7月のトレード・デッドラインでアスレチックスはスターリン・マルテを獲得。その代わりにマイアミに移籍したのがヘスス・ルザルド。
トップ・プロスペクトがピリッとしない状況でマイアミへ・・・これでヘスス・ルザルドのキャリアは落ち込む・・・というシナリオを描いた人も多かったと思いますが、むしろここからルザルドは力を発揮。いいチャンスを与えられたと考えたのかもしれません。
2022年はマイアミでもERA 6.44とピリッとせず。やはりな・・・という投球が続きました。
2023年に本領発揮
しかし、ルザルドは2023年はマイアミで先発として皆勤の32試合に登板。イニング数は178.2でキャリア初の二桁勝利10勝(10敗)、ERA 3.58をマーク。奪三振も208を数え、この年のSOレートは28.1%を記録。BBレートも平均よりずっと下の7.4%と素晴らしい数字をマークしました。この年のマイアミは84勝78敗で貯金ありで、NLワイルドカードに進出しました。これはルザルドの力も大きかったです。
なんと言っても4シームとシンカーのアベレージがともに90mph台後半で、さらにチェンジアップとスライダーは80mphでとにかくキレのあるボールが印象的でもありました。
ただ、2024年シーズンはやや低迷。肘の張りと腰椎のストレス反応で6月半ばでシーズン・エンド。12試合の先発にとどまり、66.2 IPでERAは5.00でした。
2025年にフィリーズに移籍
しかし、フィリーズは彼の実力を高く評価しており、2025シーズンに向け、現地2024年12月23日にヘスス・ルザルドをトレードで獲得。
フィリーズの「見抜く力」は正しく、フィリーズ移籍後、ルザルドはもとの投球に戻り、2025年は32試合に先発し、183.2イニングを投げ、ERA 3.92、SOレートは28.5%、BBレートは7.5%を記録。GBレートは42.8%!ポストシーズンにも2試合登板し、ERA 2.35を記録。オフにはNLサイ・ヤング賞の投票で7位にランクインしました。
フィリーズのローテーション
2026年、エースのザック・ウィーラーはILで開幕を迎えることが濃厚。
ただ、割と早い段階で復帰することも予想されており、そうなるとザック・ウィーラー、アーロン・ノラ、クリストファー・サンチェス、ヘスス・ルサルドの4人が主力先発となる見込み。NO.5でタイワン・ウォーカー、あるいは手術から本格復帰のアンドリュー・ペインターも候補です。
今回、フィリーズはルザルドと延長契約を結ぶことで、2027年にFAで流出する予定であったルサルドをキープ。タイワン・ウォーカーも2026年終了でFAになりますが、たぶん彼はそのまま市場に流すでしょう。
2027年はウィーラー、ノラ、サンチェスの3枚だったところを延長契約で4人にしたと。
フィリーズの贅沢税
大型契約を多数抱えるフィリーズは現時点で2026年の贅沢税のサラリーはすでに$315Mを突破。閾値は$244Mですから、$70M超え。$40Mを超えるとペナルディーでドラフトの最高順位が10個下がりますが、もうだいぶ前にその基準は超えておりました。
フィリーズは今オフはFA(メジャー契約)はもう採らないと思います。もし怪我人が出ても内部からの昇格で賄うと思われます。
ルザルドの長期延長ディールが合意となった景気の良いフィリーズのお話でした。
お読みいただき、ありがとうございました。




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