すでにカブスの一員ではない
カブスのベン・ゾブリスト(Ben Zobrist )と言えば、ワールドシリーズ2016のMVPで、Game7での決勝タイムリーのガッツポーズが印象に残っている選手ですね。
内外野をこなすこともさることながらスイッチヒッターでもある点でスーパーユーティリティーでもあります。
そのベン・ゾブリストは現地2019年5月6日のマーリンズ戦を最後にゲームに出ていません。
5月8日付けでRestricted List入り
6日のゲームを最後にゾブリストは正式にRestricted List(リストリクティッド・リスト)に入りました。
ゲームに出られらなかった要因はプライベートの問題
ゾブリストがゲームを休んだ原因はプライベートの問題。
もう少し突っ込むと奥様との離婚協議が原因です。どうして離婚に向けた話し合いになっているかというと、ゾブリストの名誉のために言っておきますが、彼の問題ではありません。一応、ここまでにしておきます。
リストリクティッド・リストとは
MLBでのリストリクティッド・リストは日本語訳では「制限リスト」ともいいます。
ILなどとともに用いる
内容は違うのですが、MLS(MLBサービスタイム)やロスターの人数にカウントするかどうかに関係してくるという点で、以下のリストとともに用いられる用語です。
- IL(Injury List=負傷者リスト):10Daysはアクティブ・ロスターのカウントから除外され、補充できる。60 Daysでは40manのカウントから除外でき、代わりの選手を補充できる
- Bereavement List (忌引リスト):発音はビリーブメント。アクティブ・ロスターの選手が肉親の不幸などがあった場合は3日から7日間、欠場になる。その間、40manに他の選手を補充可能。
- Paternity List(育休リスト):出産の立会いや母子の看護のために24-72時間の一時離脱ができる制度。代わりの選手を40manに補充してもよい。
- Restricted List(制限リスト):以下に説明します。
リストリクティッド・リストは
リストリクティッド・リストとはクラブ側やMLB機構から選手としての大半の権利を除外された選手が入るリストのことですが、FA(Free Agent)とは違います。
リストリクティッド・リストに入るケース
どういう選手がリストリクティッド・リストに入るかというと以下のようなことを起こした、あるいはそうなってしまった選手が入ります。
- 明白な理由がなくチームを去る場合。
- 選手が引退の意思を表明するも復帰した場合。復帰する場合はもといたチームが選手を有する権利をもっています。
- 選手が個人的な問題を抱えていたり、あるいは犯罪など法律を犯した場合、またはチーム内のもめごとなど野球以外のトラブルを抱えている場合。
禁止薬物違反などMLB機構から出場停止処分を課された選手は自動的にリストリクティッド・リストに入ります。
ゾブリストの場合は、個人的な問題に該当します。
リストリクティッド・リストに入ると
- 選手は他のクラブと契約できません。ただし、新しい所属先のクラブがなんらかの補償をもといたクラブに提供した場合はその限りではない。
- MLBと提携している他のリーグとも契約できません。NPBもだめです。提携していない独立リーグなどがあれば可能です。
- 選手はクラブの練習参加や帯同などはできるが制限はある。
クラブ側の権利
選手がリストリクティッド・リストに入るとクラブ側は以下のことができます。
- ロスターから外すことが可能。
- サラリーは払わなくてよい(支払い義務は消滅)。
- 元いたクラブ側が選手を有している権利を保持したまま。
以上のようにリリースのようでありながらも、選手の権利を有しているという点でFAとは異なっております。
よって、今回のベン・ゾブリストの場合は、おそらくではありますが、カブスに事情を話した上で双方合意でリストリクティッド・リストに入ったと思われます。
また、カブスはゾブリストの2019年のサラリーの大半を支払わなくてもよくなりました。
お読みいただき、ありがとうございました。
参照サイト:
コメント