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【MLBビジネス】バーランダーの「飛ぶボール」批判で知ったMLBがローリングスを買収済みだったということ

バーランダーの「改造ボール」批判

現地2019年7月9日、ジャスティン・バーランダーがオールスターのア・リーグの先発マウンドに立ちました。

マイクをつけたフリーマンとの会話に応じつつも、うまくカーブを使って三振に討ち取ったところはさすがでしたね。その他のバッターも抑え、1イニングを無失点。

このゲーム前、もしバーランダーがマウンドに立たないようなら、MLBを見るのをやめようかと思っていたのですが、無事立ててホッとしています。というのは何かの力で無理やり登板回避させられるようでは組織も終わりですからね。

そう思ったのは、オールスター前日の8日にバーランダーがコミッショナー批判をしたからです。前日のカンファレンスの一部でのやりとりですね。

juiced by the league?–100%YES

“Major League Baseball’s turning this game into a joke. They own Rawlings, and you’ve got Manfred up here saying it might be the way they center the pill. They own the f—ing company. If any other $40 billion company bought out a $400 million company and the product changed dramatically, it’s not a guess as to what happened.

We all know what happened.

Manfred the first time he came in, what’d he say? He said we want more offense. All of a sudden he comes in, the balls are juiced? It’s not coincidence. We’re not idiots.”

Asked if he believed the balls were intentionally juiced by the league, Verlander said: “Yes. 100 percent. They’ve been using juiced balls in the Home Run Derby forever. They know how to do it. It’s not coincidence. I find it really hard to believe that Major League Baseball owns Rawlings and just coincidentally the balls become juiced.”

和訳(=意訳)

「MLBはゲームをジョークにしている(台無しにしている)。彼らはローリングスのオーナーなんだ。かつてマンフレッドはボールの製造方法を変えたせいかもしれない(=コルクの芯がより中心になるように毛糸の巻き方を変えたということか??)と言っていたんだ。でも、(MLBは)そのFワード会社のオーナーなんだよ。もし4億ドルの会社が400億ドルの会社にM&Aされ、もともとのプロダクトが劇的に変化したとしたら・・・何が起こったかというのは推測じゃない(=買われた方は買った方の言いなりになるのは当然)。」

「我々(投手含むプレーヤー)は、何が起こったかわかっている。

マンフレッドがコミッショナーになった時、何と言ったか? 彼はもっと攻撃が必要だと言ったんだ。彼が来て突然、ボールが飛ぶようになった?これは偶然じゃないよ。俺たちはバカじゃない。

リーグ(MLB)によってボールが意図的に飛ぶように改造されたのか?という質問に対し、バーランダーは「100%YESだ。彼ら(MLB)はこれまでずっとホームランダービーで飛ぶための改造ボールを使ってきたんだ。彼らはやり方を知っている(どうやったらボールが飛ぶか)。これは偶然じゃない。MLBがローリングスのオーナーになってボールが飛ぶようになったことが偶然だなんて信じられないよ(=意図的にやっているよね)」

ESPNより

2019年HR数

オールスター前までのMLBのHR数は3,691本。

2018年は1年間で5,585本、2017年が6,105本、2016年が5,610本。このままいけば、2017年の数を上回ることは間違いありません。

そしてバーランダー自身も今季はMLBワーストの26被弾を記録。2016年の30被弾がキャリアワーストで、それをもう超えるペース。2018年は1年間で28被弾でした。

【 2019ピッチャー被本塁打数 両リーグ合わせて】

  1. ジャスティン・バーランダー(アストロズ):26HR
  2. マイク・リーク(マリナーズ):23
  3. レイナルド・ロペス(ホワイトソックス):23
  4. ダン・ストレイリー(オリオールズ=DFAに):22

(2019年7月6日時点)

【MLB2019】エンゼルス、大谷選手のバースデーアーチを含むHR攻勢でバーランダーから勝利

ロンドンシリーズでやんわりと書いていたのですが、質が違うのは明らかだと思いました。

飛びすぎることを指摘する投手はほかに何人もおりました。

コミッショナーは否定

バーランダーのこの発言を受けて、コミッショナーは「そういうことはない」と否定。

デービッド・レノンさんの取材によれば、「MLBは何もしていない。野球に指示や変更は一切与えていない。ホームラン増に関してオーナーの立場からもそのような要求はない」と応えています。

MLBは2018年にローリングスを買収

ちょうど約1年前の2018年6月5日、MLBはローリングスを買収しておりました。

筆者としてはどうしてこのニュースを逃していたんだろうと思ったら、ちょうど1年前はこのサイトを構築するのに大苦戦していた時期だったので、それで見逃していたんだと思われます。残念。

日本で言えば、NPBがミズノを買うようなものですが、それぞれ個別の運営実態が違うので、適切なたとえではないようです。

NPBは一般社団法人で「非営利」ですので、公平性の視点もちょっと違うようですね。

ローリングスの変遷

ローリングスは言わずとしれた老舗メーカーで、1887年創立で130年以上続いている会社です。ちなみに筆者はローリングスが大好きです。これは近所にミズノかアシックスかどちらの系統のスポーツショップが近いかによるかもしれませんね。小さい頃からの刷り込みがビジネスにとっても有利という典型かと。

2016年に親会社がニューウェル・ブランドに

直近のM&Aだけですが、ニューウェル・ブランドがローリングスを買収したのが2016年。

そのニューウェル・ブランドは一般消費者向けグッズをはじめ、非常に手広く展開しているブランドです。ローリングスのほかに下記のようなブランドがありました。アウトドアのコールマンがそうですね。

Paper Mate®、Sharpie®、 Dymo®、 EXPO®、 Parker®、 Elmer’s®、 Coleman®、 Jostens®、 Marmot®、 Oster®、 Sunbeam®、FoodSaver®、 Mr. Coffee®、 Rubbermaid Commercial Products®、Graco®、 Baby Jogger®、 NUK®、 Calphalon®、 Rubbermaid®、 Contigo®、 First Alert®、 Waddington and Yankee Candle®. 

2018年にサイドラー・エクイティーへ

そして、2018年6月に、ニューウェルはサイドラー・エクイティー・パートナーズ(Seidler Equity Partners)にローリングスを譲渡。

税金分を差し引いた額が$340M(ざっと340億円)となっていて、実際にサイドラーに売れたのは$395Mだったようです。

https://ir.newellbrands.com/news-releases/news-release-details/newell-brands-announces-agreement-sell-rawlings-sporting-goods

サイドラーは投資ファンドで、そこに投資している組織の1つがMLBということのようです。

実質MLB傘下

よって、サイドラーがローリングスを持つということはMLBがローリングスを持つも同然。つまり、実質ローリングスはMLBの傘下ということが言えますね。

ローリングスにとっては親会社がニューウェルからサイドラー・エクイティー・パートナーに変わったということで求められるものも違ってくるでしょう。

他のメーカーにとっては何か公平性という点でスッキリしない感じもしますが、MLB自体は公共性のある組織とは言え、Major League Baseball Enterprises, Inc.をはじめ、様々な子会社を持っていますし、入金面もさまざまですから、投資ファンドにあずけてお金を膨らませることは大事なことでしょう。

マンフレッドさんはいろいろと物議をかもし出しておりますが、見方を変えればそれだけアンタッチャブルなところにも手を入れているという評価もできます。

ただ、規格を変えるなら、アナウンスをした方がいいでしょうね。

お読みいただき、ありがとうございました。

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