【MLBビジネス】「バットが消費されない!」ルイビル・スラッガーの木製バット部門の業績がスランプに

アイコニックなMLBビジネスにも影響が

 現地2020年4月20日に明らかになった情報です。例の新型コロナウィルスの感染拡大による影響がついにMLBのビジネスに影響を出し始めたのでその件をご紹介したいと思います。

 MLBと言えば「ルイビル・スラッガー」というくらいアイコニックな象徴ですが、そのルイビル・スラッガー社が従業員の人件費にも着手せざるを得なくなりました。

工場はストップ、ミュージアムも一時閉鎖

 同社の木製バット工場は、ケンタッキー州ルイビルにあります。「ルイビル・スラッガー・ミュージアム」も併設されており、観光地としても非常に人気のあるスポットです。

Louisville Slugger Museum & Factory

 今回の新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、まず3月16日にミュージアムが一時閉鎖となりました。そしてその3日後の3月19日に木製バット工場が閉鎖されました。そうなんです。動きとしては非常に早かったのです。 スプリングトレーニングの最後のゲームが3月12日で、13日から中断となったのですぐに工場を閉鎖というすごい決断を下しています。

カーブを平らに

 本社の外にはアイコニックな120フィート(36.5m)ほどのバットが、建物に寝かせてあるのですが、そこにはバナーが掲げられており「Flatten the Curve(フラットゥン・ザ・カーブ)」と表示されているとのこと。つまり、感染拡大のピークアウトを願うということですね。

人件費に着手

 「ルイビル・スラッガー」ブランドを運営するHillerich&Bradsby Co.(ヒレリッチ・アンド・ブラズビー社)は、171名の従業員の90%を一時解雇としました。工程に関わるほとんどの工員の方が一時解雇の対象のようです。

Hillerichの発音は「ヒレリク」と聞こえるのですが、日本語表記だとrichと書けば「リッチ」と表記するケースが多いようなのでそうしました。

 ただ、すべての従業員の医療給付は引き続きカバーしており、 残りの10%の従業員は25%の給与カットで対応しているとのこと。

Hillerich & Bradsby Co(Bloomberg.com)

決断が早くて驚き

 上述しましたが本当に決断が早くて驚きました。スプリングトレーニング中断→NO Game, NO Bat=NO Revenue(収入がなくなる)→お金のあるうちに従業員の医療費だけはキープしてとりあえず一時解雇。収入の見通しが立たないので即決断という割り切り方はある意味ですごいなと思いました。

金策 

 スプリングトレーニング中断直後に工場とミュージアムを閉鎖したヒレリッチ・アンド・ブラズビー(以下H&B社)のCEOでJohn Hillerich IV(ジョン・ヒレリッチ4世)は可能な限りの金策に走っています。広告費なし、できる限りの経費を削減など。曰く、「現金がなくなる前に、通常に戻ることを望んでいるだけです」。ちなみに名前は4世ですが、5代目の社長です。

在庫もだめになる可能性が

 MLBが早く開催されないと、すでに在庫として保管されているバットが台無しになる可能性も。在庫の減損!嫌な言葉ですね。バットも意味、消費期限があり、反発力が落ちますから工場閉鎖は大きなダメージです。

例のニュース:補助金がすぐになくなる

 H&Bは連邦政府からの援助を申請。ところが、取引銀行であるウェルズファーゴは、従業員が50人以下の企業に対してのみであると突っぱねます。 その後、ヒレリッチ氏はストックヤードバンクを通じてようやく再申請するところまでこぎつけたものの、連邦政府が、連邦給与保護プログラムとして割り当てていた3,500億ドルは申請者多数ですでに上限に達しており、給付をもらえず今回の決断に至った模様です。

 トランプ大統領が追加の景気支援策に乗り出したのはこのようなケースが多数あったことが原因ですね。

ルイビル・スラッガーについて

 創業に関しては色々と定説はありますが、HPには135年以上の歴史を持つと書いています。

Our History

 H&B社が”Louisville Slugger”を登録商標としたのが1894年ですから、ビジネスのスタートはここからと考えていいかもしれません。もっともバット職人としてバットを供給し始めたのは1880年代のことでしたので、そういう観点からも135年「以上」という言い方になっているのだと思います。

生産量は年間200万本

 H&B社がルイビルのダウンタウンにある今回閉鎖になった工場で生産しているバットの量は年間約200万本。このうち約5万本がメジャーリーグで使われています。HPにも掲載されていますが、一人年間100から120本は使うとされています。

ジーターの場合

 たとえば同社のバットを愛用していたデレクジーターが20年間に消費したバットの数は12,602本。ジーターの場合、年間630本も使っていたことになりますね。

 スプリングトレーニングとポストシーズンをあわせるとだいたい190試合前後になると思うので、そうなると1試合当たり3.32本。

工場ストップで200億円の収入がパーか?

 プロのバットの契約価格がどれくらいなのかは定かではありません。宣伝のため、無料で提供しているケースもあるでしょう。仮に1本1万円の単価だったとして200万本で200億円ですね。そこまで行かないとは思いますが、概算ではそのような計算ができます。

ルイビルはウィルソン傘下では?

 下記の記事で筆者はルイビル・スラッガーはウィルソンの傘下になったと書きました。

2018 ウィルソン・ディフェンシブ・アウォード 現地2018年11月7日、ウィルソン・ディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤ...

 それは正しくて2015年にH&B社はルイビル・スラッガーをウィルソンの傘下となる契約を結びました。

 大きな順から書きますと、アメア・スポーツ > ウィルソン > ルイビル・スラッガー(H&B社)。

 ただし、実際の運営は引き続き、H&B社がケンタッキー州のルイビルで行っています。

工場閉鎖は木製バット部門

 今回閉鎖したのは木製バット部門で、ルイビルスラッガーの心臓部であることは確かです。ただ、ルイビル・スラッガーは金属バット、ゴルフ、ホッケー、アパレル、手袋など様々な製品をつくっています。よって、その他の部門はまだ大きな工場閉鎖などの動きはありません。

 ただ、アメア、ウィルソンを含めこれだけ運動も自粛されるとビジネスとして厳しくなり、子会社となったルイビル・スラッガーをどこまで支援できるのか難しいところです。

かつて難局を乗り越えてきた

 なおH&B社のルイビル・スラッガーはかつて大きな難局を乗り越えてきました。2つの世界大戦、大恐慌、1937年のルイビルの大洪水、火災、2008年のリーマン不況など・・・家業としてのスタートから135年以上の歴史を誇る同社は当時もどれだけ暗い難局だったかを知っており、それを生き残ってきました。

「我々にははレジリエンスがあるよ!」とヒレリッチCEOこの難局も力強く乗り越えるつもりです。強気の姿勢はいいですね。ただ従業員もなんとか守って上げてね!とは思います。

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