DET、処分明けすぐのアプローチ
現地2020年10月30日、デトロイト・タイガースの新監督が決定!2017年に組織としてサインスティーリングを行っていた現場の最高責任者として処分されたA.J. ヒンチに決定しました。
タイガースはA.J. ヒンチの処分の期限である2020年のワールドシリーズ終了30分後に即連絡したほどの熱烈にアプローチ。
そして27日に終わったワールドシリーズから3日後、電撃的な早さで公式発表となりました。
タイガースが熱望した理由は?
2017年のワールドシリーズ・チャンプに疑惑がついてまわったとしてもタイガースがA.J.ヒンチにラブコールを送ったのは、ヒンチの監督しての手腕を高く評価しているということが言えるでしょう。
2019年114敗
そしてそこまでしてまでタイガースが勝ちたいのは深刻な状態にあるからです。そもそもそうなったのは、2011年から2014年まで4年連続地区優勝を果たしながらも、自らリビルドしたからに他ならないのですが・・・。もっとも、リビルドに至ったのは強さと引き換えに財政破綻を招いたドンブロウスキ氏による要素も多大にあります。
リビルドの結果、2019シーズンは47勝114敗で勝率.292。2020年の60試合シーズンにおいても20試合ほどしか強さを保てず、最終的に23勝35敗で勝率は.397。2年連続でダントツの最下位で、2015シーズンからの6シーズンで4度も最下位を経験しているという背景ゆえ、ヒンチの手腕に期待したいというところかと思います。
ヒンチのマネジリアル・キャリア
A.J.ヒンチは監督として2017年の成績も入れると、570勝452敗で勝率 .558。最初に監督に就任したのは2009年にダイヤモンドバックスにおいてです。この年は5月から監督に就任してシーズンエンドまで続けて58勝75敗。2010年は開幕から年7月まで任され、31勝48敗。
アストロズで監督になったのは2015シーズンから。就任初年度から86勝76敗で勝ち越し。以降、2019年まで勝ち越しが続きました。2019年はナショナルズとワールドシリーズを戦ったことから、2019シーズンもア・リーグのペナントを奪っています。
選手時代
また現役の話までさかのぼりますと、1996年、スタンフォード大学からアスレチックスに3巡目で指名されてプロ入り。ポジションは捕手。右投げ右打ちで、1998年にメジャーデビュー。デビューイヤーには120試合に出場。このうち109試合に先発。
アスレチックスには1998年から2000年まで在籍。その後は2001年から2002年までロイヤルズでプレー。2003年にはタイガース、2004年はフィリーズに在籍しました。タイガースとは少し縁はあったようです。
通算350試合に出場し、打率.219、OBP .280、SLG .356。HR 32、RBI 112。捕手としての盗塁阻止率は27%(リーグ平均は31%)。
ヒンチ話法
A.J. ヒンチは非常に頭のいい人です。マイク・ファイヤーズの告発でイリーガルなサインスティーリング問題が明らかになったあと、ウォール・ストリート・ジャーナルがさらに深堀りし、当該サインスティーリング行為がクラブ内の一部で「Codebreaker」、ときには「Dark Arts」と呼ばれていたことを明らかにしました。その記事が出たあとにWSJのジャレッド・ダイヤモンド氏が単独インタビューした際の概要を下記の記事に掲載しています。
このインタビュー動画を見て思ったのは、肝心なところの論点をずらしているなということです。
全面的に否を認めるところは認めているのですが、肝心要(かんじんかなめ)の不正の関与に関してはうまく言い換えました。
この就任の影で
A.J.ヒンチは公式見解では不正には関与はしておらず、現場の責任者として最大の処分を受けたという立ち位置になっています。
サインスティーリングに関して、現場の選手たちの下記の声もあることは、むしろタイガースのフロントオフィスも把握してもらいたいところではあります。
仲間を救ったファイヤーズ
今回、マイク・ファイヤーズが告発したことで、「なぜか打たれてしまう?」と首をかしげ、自信を失くして調子を落とし、野球の仕事を後にしていった選手達に、こんなことがあったんだ!だから君の力のせいじゃないんだと思える機会を作れたのではいかと思います。その意味でマイク・ファイヤーズの功績は大きいと思っています。
プロの世界は厳しいので、もし辞めた選手がいたとしてもすべてサインスティーリング起因とは言い難いとは思いますが。
若いタレント達を羽ばたかせてもらいたい
タイガースはホワイトソックス同様に若いタレントが目白押しです。ぜひとも彼らを羽ばたかせてもらいなと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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