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【フロントオフィス2020】パイレーツ、監督と社長に次いで、GMのニール・ハンティントンも解雇へ(追記あり)

PITはマネジメント・クリーニングへ

 すでに監督のクリント・ハードル(Clint Hurdle)、球団社長のフランク・クーネリー(Frank Coonelly)を解雇しているパイレーツですが、現地2019年10月27日、GMのニール・ハンティントン(Neal Huntington)の解雇も発表しました

新社長、新GM、新監督は?

 すでに決まっているのは社長のポジションで、NHLのピッツバーグ・ペンギンズのCOO(the chief operating officer)を務めるトラビス・ウィリアムズ(Travis Williams )の就任が決定しました。

 GMには”Interim”(暫定)でアシスタントGMのケバン・グレイブス(Kevan Graves)が就任しました。今後の動きは、まずGMの決定を優先、監督はその後に決めるという方針です。

【パイレーツ新フロント&監督】

(現地2019年11月27日時点)

POSITIONNAME
新社長トラビス・ウィリアムズ
(NHL:ペンギンズCOO)
新GMベン・シェリントン
(現地11月15日決定/元BOS GM)
新監督デレク・シェルトン
(現地2019年11月27日決定/MINベンチコーチ)
Pirates Staff Directory | Pittsburgh Pirates
Find the full listing of Pirates front office department and staff mem...

フラストレーションの溜まった2019年のPIT

 今季のパイレーツは3月は1勝1敗、4月は12勝13敗で4月19日には首位に躍り出ました。5月は15勝14敗となんとか踏みとどまっていたものの、6月からはずるずると後退。結局、前半は44勝45敗と5割に近い線をキープしていたものの、オールスター以降の後半は25勝48敗と崩れて行きました。シーズンを通して7連敗が1度、8連敗が2度、9連敗が2度

 その他、グランド内外での揉め事が多数。例えば代表的なトラブルを挙げると下記のような事件がありました。

  • 他チームとのベンチーズ・クリアーが2回
  • カイル・クリックとバスケスがクラブハウス内でトラブル
  • フェリペ・バスケスの逮捕

 戦う姿勢が失われたような最悪のシーズンになってしまいました。

 取締役会長(Chairman of the board) のボブ・ナッティング(Bob Nutting)は「かつて経験したことがないほど、いろんなことが起こったシーズンだっただけに、オペレーション全体をリフレッシュするために重大な変化が必要になったのだ」と述べています。

ニール・ハンティントンの功績

 ニール・ハンティントンがパイレーツのGMに就任したのは2007年10月。デーブ・リトルフィールドの後任に指名されました。

 それまではエクスポスのスカウトとしてこの世界に入り、のちにインディアンスの編成と育成、アシスタントGMとして活躍しました。インディアンスが2007年に地区優勝を果たしたのは彼の功績が大きかったと言われています。今シーズンで引退となったC.C.サバシアが投の中心なら打の中心はグレイディー・サイズモアという時代です。

 パイレーツのGMに就任した際はインディアンスで培ったノウハウを導入。ついでにインディアンスからは人的資源も引き抜いてパイレーツの仕組みそのものを変えました。1992年以来、ポストシーズンに出ていなかったパイレーツを5シーズンかけて出場できるチームに変えました。2013年から2015年に3年連続でポストシーズン出場。しかし、いずれも地区2位でワイルドカードからの出場です。2013年はNLDS( Lost LDS 3-2)-へ勝ち進んだものの、2014年と2015年はワイルドカードで敗戦。

 以降、4年間はポストシーズンに出られないシーズンに逆戻り。

コールとグラスノーを放出

 目利きのいいトレードが続いていたハンティントンですが、2018年にはゲリット・コールを放出。さらに同年のトレード・デッドラインではタイラー・グラスノーを放出。二人ともこのポストシーズンのALDSで火花を散らすほど活躍した右腕でした。ともに剛球。

 2019年の大不振はこのような戦力ダウンも否めないところでした。

オーナーの資金配分は正しいのか?

 資金のないクラブとして振る舞ってはいるが、実は手元に選手獲得の資金があるのにそれを有効に使ってないんじゃないか?と突っ込まれているオーナーサイドですが、選手への出し渋りもないし、それをセーブしてフロントで大儲けしているということないということを記者とのインタビューで応えています。

 ちなみにパイレーツの2018年終了時の贅沢税上のサラリーは$103.8Mで30クラブ中27位。2019年の数字も出ていまして$83.7Mで29位。

 さらにこのオフにスターリン・マルテ(2020は$11.5M クラブオプション-$2M バイアウト)とクリス・アーチャー(2020は$9M クラブオプション-$1.75M バイアウト)が出るようなことになれば、より身軽なサラリーになります。

パイレーツのオーナー

 取締役会長(Chairman of the board) のボブ・ナッティングはオーナーでもありますが、ファミリーはオグデン・ニュースペーパー(Ogden Newspapers)という新聞・雑誌を稼業とした家柄。そんなビジネスモデルで大丈夫かと心配になりますが、チームに投資して少しでも価値を高くして売ることを考えているのではないかと思います(推測です)。

新GMと新監督が決定(追記)

 新GMは元レッドソックスで2013ワールドシリーズ・チャンプ時に腕を振るったベン・シェリントン氏に、そして新監督はツインズのベンチコーチ、デレク・シェルトン氏に決定しました!

 お読みいただき、ありがとうございました。

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