最後は技術の結晶!
現地2025年7月2日、ホワイトソックス@ドジャース戦でドジャース先発のクレイトン・カーショウがキャリア通算3,000奪三振まであと3つというところで先発。
立ち上がりから三振が奪えず、苦しい投球が続きましたが、粘りの投球を見せてなんとか6イニングを投げきり、6イニング目の最後のアウトを三振で奪い、見事に3,000奪三振を成し遂げました!
蓄積、継続、鍛錬・・・色々なものを見せてくれたクレイトン・カーショウの大記録でした。
下記は2008年のデビュー時に初三振を奪ったカーショウ。20才の時です。
立ち上がりから大苦戦
クレイトン・カーショウは2024年にドジャースがワールドシリーズ制覇を決めた後に左膝と左のつま先の手術を実施。シーズン終了後にFAとなりましたが、2月13日にドジャースと再契約。今季は5月17日にシーズン・デビューを果たしました。
デビュー戦こそ、4.0 IPで失点5と荒れましたが、それ以降は調子を整え、6月半ばに入ってからは素晴らしい投球を連発していました。
6月14日のジャイアンツ戦では7イニングを3ヒッター、スコアレスの投球。それ以降の2試合もイニング・イートをしてブルペンを助け、しかも2失点以内に抑える投球を披露。
もはや4シームのアベレージ・ベロシティーは90mphを切り、89mphとなっていましたが、若い頃から磨いてきた独特の大きなカーブを武器に、今季はさらに曲がりに大小をつけてゾーンを出し入れして相手打線を翻弄。
いい投球が続いてきたカーショウでしたが、この日はかなり苦戦しました。
3回表にこの日初めての三振
1回表には3長短打で1失点。2回表は三者凡退で切り抜けたものの、3回表にはオースティン・スレーターに2ランHRを浴びて味方の援護も吹き飛ばした後、長短打で追加点を許すなど、序盤3イニングで2-4と2点のリードを許してしまいます。
なお、3回表にオースティン・スレーターに2ランHRを浴びた後、続く元ドジャースのミゲル・バルガスからこの日初めての三振を奪いました。これで3000奪三振まであと2つ。
序盤3イニングは大いに苦戦して三振どころではありませんでした。場合によっては早期降板も考えられたのですが、ドジャースは酷使するブルペンの事情もあって静観。そんな苦しい中で指揮官に応えるようになんとか1つ三振を奪えたのは大きかったです。
4回表には先頭打者に四球を出し、送りバントでスコアリング・ポジションに進塁を許した中でなんとか無失点に。
そうすると、5回表には2アウトからシングルを打たれるも、3つ目のアウトはレニン・ソーサからこの日2つめの三振を奪い、3000奪三振まであと1つに。
3000個目は見逃し三振
そして迎えた6回表、1アウトからマイケル・A・テイラーに二塁打を打たれるも、この後3塁で盗塁死させ2アウトに。
そしてヴィニー・カプラを外から入るスライダーで見逃し三振。見事に3,000奪三振を達成しました。ゾーンの出し入れという磨いてきたスキルで見逃しで奪ったというところがなかなか痺れさせてくれました。
6回で降板となったカーショウは被安打9、失点4、BB 1、SO 3、HR 1でした。
ドジャースがサヨナラ勝利
ゲームの方ですが、4-2とホワイトソックスが2点をリードしたままドジャースの最終回の攻撃に。
カーショウの記念すべき日を黒星で終えたくなかったドジャースはヒットと2つの四球でノーアウトマンるのチャンスで大谷選手が打席に。ここでHRは出ませでしたが、大谷選手は2Bゴロを放ち、4-6-3のダブルプレー崩れの間にドジャースは1点を返して3-4に。
さらにムーキー・ベッツの犠牲フライで4-4の同点に追いつくと、最後はフレディー・フリーマンがサヨナラ安打を放ち、ドジャースは土壇場9回裏で2点差をひっくり返して5-4でサヨナラ勝利を納めました。
クレイトン・カーショウのSO推移
さて、カーショウのキャリアを改めて見てみますと、ピークは10年前です。
今はなんとか蓄積したスキルと経験でチームに貢献しているというところ。イニング数のキャリア・ハイは2013年の236.0。
そして2015年の奪三振はなんと300超えです。
Seson | Age | W | L | ERA | G | IP | SO | Note |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2008 | 20 | 5 | 5 | 4.26 | 22 | 107.2 | 100 | |
2009 | 21 | 8 | 8 | 2.79 | 31 | 171 | 185 | |
2010 | 22 | 13 | 10 | 2.91 | 32 | 204.1 | 212 | CY-1 |
2011 | 23 | 21 | 5 | 2.28 | 33 | 233.1 | 248 | CY-2 |
2012 | 24 | 14 | 9 | 2.53 | 33 | 227.2 | 229 | CY-1 |
2013 | 25 | 16 | 9 | 1.83 | 33 | 236 | 232 | CY-1/MVP-1 |
2014 | 26 | 21 | 3 | 1.77 | 27 | 198.1 | 239 | CY-3 |
2015 | 27 | 16 | 7 | 2.13 | 33 | 232.2 | 301 | CY-5 |
2016 | 28 | 12 | 4 | 1.69 | 21 | 149 | 172 | CY-2 |
2017 | 29 | 18 | 4 | 2.31 | 27 | 175 | 202 | |
2018 | 30 | 9 | 5 | 2.73 | 26 | 161.1 | 155 | |
2019 | 31 | 16 | 5 | 3.03 | 29 | 178.1 | 189 | |
2020 | 32 | 6 | 2 | 2.16 | 10 | 58.1 | 62 | |
2021 | 33 | 10 | 8 | 3.55 | 22 | 121.2 | 144 | |
2022 | 34 | 12 | 3 | 2.28 | 22 | 126.1 | 137 | |
2023 | 35 | 13 | 5 | 2.46 | 24 | 131.2 | 137 | |
2024 | 36 | 2 | 2 | 4.5 | 7 | 30 | 24 | |
2025 | 37 | 4 | 0 | 3.43 | 9 | 44.2 | 32 | |
18 Yrs | – | 216 | 94 | 2.52 | 441 | 2,782.9 | 3,000 | CY 3/MVP 1 |
2010年から2016年の7シーズンで3度のサイ・ヤング賞を受賞していますが、この間は毎年最有力候補であり、特に2010年から2013年までの4シーズンは下手をすれば4年連続サイ・ヤング賞だったかもしれないという恐ろしい成績を叩き出していました。
歴代SOランクでも20位
下記はメジャー・リーグの歴代奪三振ランキングです。歴代の奪三振記録を見る度にノーラン・ライアンのえげつなさを思い知る人は多いと思います。
カーショウが18シーズン目に達成したというのもいかに早い到達かがわかります。カーショウはLHPとしては歴代4位ということにもなります。
なお、お名前がブルーの太字の投手はHOFに選ばれている投手です。
# | Player (達成年数) | SO | IP | Throw |
---|---|---|---|---|
1 | ノーラン・ライアン (27) | 5714 | 5386 | R |
2 | ランディー・ジョンソン (22) | 4875 | 4135.1 | L |
3 | ロジャー・クレメンス (24) | 4672 | 4916.2 | R |
4 | スティーブ・カールトン(24) | 4136 | 5217.2 | L |
5 | バート・ブライレブン (22) | 3701 | 4970 | R |
6 | トム・シーバー(20) | 3640 | 4783 | R |
7 | ドン・サットン (23) | 3574 | 5282.1 | R |
8 | ゲイロード・ペリー (22) | 3534 | 5350 | R |
9 | ウォルター・ジョンソン(21) | 3509 | 5914.1 | R |
10 | ジャスティン・バーランダー (20, 42才) | 3471 | 3483.1 | R |
11 | マックス・シャーザー (18, 40才) | 3419 | 2891 | R |
12 | グレッグ・マダックス (23) | 3371 | 5008.1 | R |
13 | フィル・二ークロ (24) | 3342 | 5404 | R |
14 | ファーガソン・ジェンキンス (19) | 3192 | 4500.2 | R |
15 | ペドロ・マルチネス (18) | 3154 | 2827.1 | R |
16 | ボブ・ギブソン (17) | 3117 | 3884.1 | R |
17 | カート・シリング (20) | 3116 | 3261 | R |
18 | CC・サバシア (19) | 3093 | 3577.1 | L |
19 | ジョン・スモルツ (21) | 3084 | 3473 | R |
20 | クレイトン・カーショウ (18, 37才) | 3000 | 2787.1 | L |
カーショウ、偉大ですね。練習が大好きなことで有名です。
マンシー、長期離脱か?
さて、6回表にカーショウが3,000個目の三振を奪う直前。マイケル・A・テイラーが盗塁死したシーンですが、ここでマックス・マンシーが左膝を傷めて途中離脱しました。
ヘッドスライディングで滑り込んだマイケル・A・テイラーが勢いそのままにマンシーの左足にヘルメット越しに頭突きするような形となってしまいました。
このアクシデントでマンシーはMRIを撮る予定ですが、長期離脱する予感しかありません。
せっかく大当たりの時期を迎えていたマンシーの離脱はちょっと痛いですね。
これはドジャースのトレード・デッドラインの戦略にも影響を与えそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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