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【MLB2024】ジョーイ・ボットが引退を表明!キャリア通算のOBPは驚異の.409!

40才、17シーズンで引退

 現地2024年8月21日、長年、レッズに在籍し、チームの顔として人気のあったジョーイ・ボット(Joey Votto)が引退を表明しました。

 ジョーイ・ボットは2023シーズン終了後にレッズからFAとなり、現地2024年3月8日にブルージェイズとマイナー契約。元々カナダ出身で、ブルージェイズが偉大なスーパースターに花道をという意味合いの強い契約でした。

 しかし、ボットは今季はメジャーに上がることなく、そのキャリアを終わらせることを決断しました。40才、MLB通算17シーズンの輝かしいキャリアでした。

トリプルAで声明を発表

 ジョーイ・ボットは、ブルージェイズのトリプルA、バッファローのサーレン・フィールドを出発する短いビデオともに声明を発表。

 家族、様々な元チームメイト、コーチ、そしてファンに感謝の意を表明しました。特に、最後は地元カナダでのMLB出場が叶わなかったことに遺憾の意を表明。地元カナダのファン、そして長年在籍したシンシナティにも感謝の言葉を捧げました。

ジョーイ・ボットのキャリア 

 そのジョーイ・ボットは、1983年9月10日生まれ。現時点では40才ですが、ほどなくして41才の誕生日を迎えます。カナダのトロント出身でブルージェイズは地元中の地元でした。1Bで右投げ左打ち。

 2002年にリッチビュー・カレジエイト・インスティチュート(Richview Collegiate Institute)というカナダの高校を卒業する際にレッズから2巡目指名をされ、プロ入り。ロー・マイナーで確実に結果を出し続けたジョーイ・ボットは2006年にはダブルAに到達。ダブルAではシーズンを通して162安打を放ち、.319 /.409/.547、22 HR、77 RBIをマーク。 

2007年にメジャー・デビュー

 2007年はトリプルAで開幕を迎え、146安打、.294/.381/ .478、22 HR、92 RBIをマーク。この年のセプテンバー・コールアップで9月4日にメジャー・デビューを果たしました。

 最初のフルシーズンとなった2008年からボットは24 HR、32 ダブル、.297/.368/.をマーク。これだけ打ったのですが、オフのROY投票では惜しくも2位。1位はカブスの捕手のジオバニー・ソトでした(懐かしいですね)。 2009年には.322/.414/.567、25 HRでMVP投票にもランクインする活躍。

2010年にMVP

 そして輝かしいキャリアの中で最も凄かったのが2010年。150試合に出場し、.324/ .424/ .600でOPS 1.024をマーク。HR 37、RBI 113、SB 16、BB 91とすごすぎる活躍を見せたのでした。オフにはNL MVPを受賞。そのNL MVP投票で争ったのはアルバート・プホルスやカルロス・ゴンザレス(元ロッキーズで、カーゴという愛称)ら。彼らを抑えての受賞ですから、いかに素晴らしいシーズンだったかがわかりますね。

 ボットの際立った活躍は2010年をピークに2018年まで続きます。2014年に大腿四頭筋の緊張でかなりの期間をILで過ごしたものの、その間も含めたこの9シーズンがボットのピーク期間だったと言えるでしょう。1年怪我を挟んだとは言え、長期間活躍したのがボットの凄いところでもあります。

2012年にレッズの顔に

 そしてこの輝かしい期間にレッズは彼をフランチャイズの顔にすることを決めました。まず前段階として2011年1月に3年/$38M (2011-13)の延長契約。これは調停ステータスの時です。前年の2010年に際立った活躍をしましたので、そうなりますよね。

 そして、その翌年の2012年4月、レッズはボットと以下の長期契約を結びます。

  • 10 年/$225M (2014-23) +2024 $20M クラブオプション($7Mバイアウト)

 これはレッズ史上最高契約となりました。そして前の契約の2011年からから数えて13年に亘り、レッズに在籍することになったわけです。

2022年以降は怪我との戦い

 長期契約も終盤を迎えた2022-23年、ボットは肩の問題に悩まされます。2022年は計93試合、2023年は65試合のみの出場。この間の打率は.200を少し超える程度で、さらにレッズはエリー・デラクルーズなど今季活躍している若手達が台頭。

 レッズは2024年の$20Mのクラブオプションを拒否。レッズには$7Mという高額なバイアウトも発生する規定でしたが、それも厭わずというところでした。

 2023年9月のグレート・アメリカン・ボールパークでの最後の試合では、ファンもこれでシンシナティと分かれることを十分に承知。彼に最大限の拍手を送ったのでした。

 2024年、地元トロントに移籍したボットは最初のスプリングトレーニングのゲームで足首を負傷。これが響いて7月までILに入っていました。復帰後もマイナーでは打率.143と奮わず、今回の決断に至った次第です。

ピークが長かった理由は高OBP

 さて、ジョーイ・ボットは約10シーズンにわたって際立った活躍を見せてきましたが、その秘密は、彼の高OBPにあると言って良さそうです。

 ボットはキャリアを通じてシーズン200安打を放ったことはなく、最高は2011年の185安打。また、HRバッターというわけでもありません。キャリアハイは2010年の37HR。では何がそれほど凄かったのか?というとOBP(出塁率)です。

 キャリアを通じたOBPがなんと.409もあるのです。しかも.400超えが9シーズン。これほど高いのはやはりBB(四球)が多かったため。BBは最高で2015年の143。すごい数ですよね。ときにボットのこのスタンスは「もっと振れ」と批判もされましたが、BBが増えれば打数も減って打率も上がりますし、打者としては非常に大事な要素かと思います。

アウォードとスタッツ

 ではボットのその輝かしいキャリアをまとめた数字を掲げておきたいと思います。

  • オールスター出場:6度( NL All-Star:2010-2013, 2017 & 2018)
  • NL MVP:1度 (2010)
  • NL ゴールド・グラブ受賞:1度 (2011)
  • NL OBP 1位:7度 (2010-2013 & 2016-2018)
  • NL SLG1位:1度 (2010)
  • NL OPS 1位:2度(2010 & 2017)
  • NL 最多2塁打:1度 (2011)
  • NL 最多四球:5度 (2011-2013, 2015 & 2017)
  • 20 HR以上のシーズン: 9度 (2008-2011, 2013, 2015-2017 & 2021)
  • 30 HR以上のシーズン:3度 (2010, 2017 & 2021)
  • 100 RBI 以上のシーズン: 3度 (2010, 2011 & 2017)
  • 100 Runs Scored 以上のシーズン: 5度 (2010, 2011, 2013, 2016 & 2017)
  • 通算:356 HR、1,365 RBI、.294/.409/.511、OPS .920

 驚くべきことにシルバー・スラッガー賞を受賞したことはありません。

ファンとの交流

 ジョーイ・ボットは結構、激しく感情をぶつけることもしばしば。以前、彼にデッドボールを当てた相手投手が、思わず”FXXX”と言ったことに対し、怒りが収まらなかったボットは、かなり激しい口調で罵りました。それはランナーとして1塁についてからも続き、相手投手も自業自得であるとは言え、塁上からずっと「お前はここに立つ資格なんかないんだよ」みたいなことを連呼されており、気の毒に思えたほど。

 またチェックスイングの判定に腹を立てて、ゲーム序盤で退場となったこととも。

 この時は、ボットを楽しみに観戦に来ていた少女を悲しませることとなり、これにはボットもきちんとフォローしてあげていました。

 そのほかにもこんなシーンもありました。

 女の子のSNSの動画撮影を快く引き受けたことも。

 子供のファンをとても大事にしたジョーイ・ボットでした。

 17シーズンにわたり、本当にお疲れ様でした。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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