ブルワーズが捕手を獲得
現地2025年7月28日のトレード・デッドラインに向けた動きです。
ナ・リーグ中地区でカブスと激しい首位争いを繰り広げているミルウォーキー・ブルワーズが補強に動きました。
レイズからベテラン捕手のダニー・ジャンセンを獲得しております。
ダニー・ジャンセンはウィスコンシン州アップルトンの出身で、ウィスコンシン州のミルウォーキーへは車で約2時間程度の距離。今回のディールでほぼ里帰りという感じになっております。
トレード概要
このトレードは1:1です。
ブルワーズGet
- ダニー・ジャンセン(Danny Jansen/30)C | B/T: R/R
- サラリーの一部(非公開)
レイズGet
- ジャダー・アレイナモ(Jadher Areinamo/21)INF | B/T: R/R
ダニー・ジャンセンは今季、レイズと1年/$8.5M (2025)でサインしていて、残債は約$2.66M。レイズにしては珍しく、現金を添えてのトレードとなりました。$2.66Mの配分は不明です。
レイズがそこまでしたのは、おそらく後述するプロスペクトのジャダー・アレイナモに魅力があったからだと思われます。これは後々どういう回答が出るのかも興味深いですね。
最強捕手、W・コントラレスは手負いで出場中
ブルワーズには強力な正捕手、ウィリアム・コントレラス(William Contreras)がいるのにどうして捕手を?という疑問が湧くと思いますが、実はウィリアム・コントラレスは5月6日のアストロズ戦で、左手中指を骨折。手負いのまま出場を続けているのです。
骨折したのは死球によるものではなく、おそらくチャド・パトリック(Chad Patrick)がジェレミー・ペーニャから三振を奪った際のおかしなキャッチングで発症したと思われます。非常にきれいな4シームがミットに吸い込まれたように見えるのですが、案外、手元ではシュートしていたのかもしれません。それかサイン違いか。
これにより、ウィリアム・コントラレスは痛みを抱えながら出場を続けている状態です。ずっと試合に出ているので、まだ完治していないと思われ、おまけにタイラー・メギルやジェイコブ・ミズロウスキーらの豪球を受けていては治るものも治りません。
ウィリアム・コントレラスは2022年から2024年の3シーズンで、打率.283、OBP .363、SLG.472、HR 60 、RBI 215をマーク。もはやMLB屈指の好捕手となりました。かつては守備が酷評されていましたが、守備の方も最高レベルです。
ところが今季は.245/.343/.341とOBPはいい数字をキープしているものの、打率、長打ともに落ちており、やはり骨折がスイングにも影響していると言えます。
エリック・ハースはDFAに
ブルワーズはバックアップにエリック・ハースが控えていましたが、32歳のベテラン捕手は.229/.289/.357とオフェンスに期待出来ませんでした。そしてジャンセンのディールが決まったことでブルワーズはハースをDFAに。厳しい世界です。おそらくハースは他から手は上がると思います。
ダニー・ジャンセンは復調の兆し
ブルワーズが獲得したダニー・ジャンセンはトロント時代はいい捕手として名を馳せました。2024年のトレード・デッドラインでレッドソックスに移籍。オフにFAとなり、レイズが獲得しました。
今季のジャンセンはシーズン成績が.204/.314/.389と低迷。これならエリック・ハースの方がいいじゃないか?という数字ですが、これはシーズン序盤の絶不調が反映された結果で、7月に関しては.238 /.396/.524、OPS .920と復調の兆しがあります。
シーズンを通した左投手の成績は打率が.197と低迷しているものの、OBPは .356、SLGは .465とかなりいい数字を出しております。
どちらかというエリック・ハースでも良くないか?とは思うのですが、プロの眼から見て、特に対左投手に対しては期待値が上がること、そしてやや落ちているとは言え、守備力も信頼があるということで、ウィリアム・コントレラスが守備に就く機会を少しでも減らして指の状態を良くさせるため、獲得に至ったという流れです。
レイズはマイアミから捕手を獲得
なお、ダニー・ジャンセンが抜けて正捕手がいなくなったレイズはマーリンズからニック・フォーテスを獲得してその穴を埋めております。
(TB)ジャダー・アレイナモ
レイズが獲得したジャダー・アレイナモは、21歳のINFのユーティリティ。ベネズエラ出身でベースボール・アメリカの最新のランクではブルワーズ内の10位にランクされておりました。
今シーズンはクラスA+に在籍し,主にSS、2Bをこなしています。.297/.355/.463、OPS .818をマーク。HR 11、RBI 51、SB 15。身長5-8(173cm)と日本人のようなサイズですが、パワフルなスイングをします。ただ、どちらかというとコンタクト重視になり、試合を動かしてくれそうな選手なので、レイズ好みの選手と言えるかもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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