13日のフィリーズ@ロッキーズ戦
現地2023年5月13日のこととなりますが、コロラド・ロッキーズの右腕ライアン・フェルトナー(Ryan Feltner)の後頭部にカムバッカーが直撃。フェルトナーはしばらくその場にうずくまり、なんとか付き添われながらも立ち上がり、そのままゲームを後にするという痛ましい事故が置きました。
頭蓋骨骨折と脳震盪
フェルトナーに打球が直撃したのは2回表のこと。ニック・カステヤーノスが放った当たりが頭部を直撃しました。タイミングがややずれて片手のフォロースルーとなった打撃でしたが、そのフォーム以上に勢いのある打球となりました。
その後、病院で精密検査を受けたフェルトナーに下った診断は頭蓋骨骨折と脳震盪という非常にショッキングな内容でした。フェルトナーは翌14日にILリスト入りとなっています。
不幸中の幸い
これは手術必至の大怪我かと思われたのですが、不幸中の幸いというか、大難が小難になったというか、ロッキーズ監督のバド・ブラックによれば、ライアン・フェルトナーの頭蓋骨骨折は小さな箇所で済んでいるということで手術の必要はなくなったようです。そしてすでに14日夜に退院したとのことです。
とりあえず、大事には至らずというところですが、頭部の負傷ということで脳震盪のリスクもあることから復帰は慎重に判断することになりそうです。
ライアン・フェルトナーとは
ライアン・フェルトナーは、1996年9月2日生まれの26才(現地2023年5月16日時点)。高卒時の2016年にブルージェイズから25巡目指名を受けたものの、大学へ進学。
2018年のアマチュア・ドラフトでロッキーズから4巡目指名を受けてプロ入りしました。
デビューは2021年9月5日。24才でのデビューでした。
2022年は20試合に登板し、そのうち19試合が先発。97.1イニングを投げ、4勝9敗、ERA 5.83。
今季は8試合に先発し、35.1イニングを投げて、ERAは5.86(85 ERA+)。今季はHR9が前年の1.5から0.5に下がったものの、BB9が前年の3.2から6.4へとアップ。コントロールに苦しんでいる面がありました。
2016年全体4位をライリー・ピントを招集
ロッキーズはフェルトナーがある程度の期間を要するILに入ったということで、マイナーから選手を補強。なんと2016年のアマチュア・ドラフトの全体4位の右腕、ライリー・ピン(Riley Pint)トをメジャーに昇格させました。
ライリー・ピントとは?
ライリー・ピントは1997年11月6日生まれの25才。2016年のドラフトは高卒時での指名でした。ドラフト当時、フィリーズが指名するという噂もありましたが、フィリーズは結局、野手のミッキー・モニアックを獲得しています。モニアックは今季はエンゼルスでプレーしていますね。
これはアマチュア時代(2016)の動画です。確かに魅力的。
近年の伸び悩みとしてNO.1クラス
ライリー・ピントはドラフト後にパイオニアリーグ(ルーキー・レベル)のグランドジャンクション・ロッキーズでプロ・キャリアをスタート。11試合に先発して、37イニングで、1勝5敗、ERA 5.35という成績。いきなりクエスチョン・マークがつくような内容でした。
93 IPで 93 Hit ?
2017年にはクラスAのアッシュビル・ツーリストに昇格。22試合に先発し、2勝11敗、ERA 5.42。ただ数字以上に内容が悪く、計93.0イニングに登板し、被安打96、BB 59、SO 79で、シーズン最後の登板では打者を1人もアウトにできず9失点という最悪の結果に終わっています。
MLBのドラフト上位指名の投手で、怪我をしている訳でもないのにこのような成績を残すのはかなり珍しいです。ベースボール・アメリカはPre-2017のトップ・プロスペクト・リストで46位にランクしていたくらい期待の右腕であったにも関わらず、この成績。もちろん、シーズン終了後にはランクは急落しました。
トリプル・ディジッツに魅力
通常であればもう放り出されるところですが、2017年シーズン終了後でまだ20歳であったこと、それにトリプル・ディジッツを記録するファストボールに魅力があったため、残りました。全体4位をそう簡単に切れませんからね。育て方が悪かったと言われるのが落ちですから。
2018年はクラスAとクラスAマイナスで過ごし、4試合、8.1イニングしか投げませんでした。2019年もクラスAで17.2イニングを投げたのみです。BB 31、SO 23。
一旦は現役引退
2020年のマイナー・キャンセル後、2021年にはクラスA+で10試合に登板。1勝0敗、ERA3.38という成績だった。同年6月8日、ドラフトで指名された時の期待に応えられないと、ピントは現役引退を表明しています。
しかし、詳細はわかっていないのですが心境に変化があり、2022年3月4日に引退を撤回。ロッキーズ傘下に戻ることを発表しました。
ルール5の対象になっていなかったのもこの現役引退で一旦はご破算されたからでしょう。
2022年はダブルAとトリプルAに所属。両レベルを併せて41試合、45.2イニングでERAは4.53。H9、BB9ともに6.7、6.1とまだ高いままではありますが、SO9も11.4とその魅力をキープ。コントロールも徐々に上げて来ました。
2023年はトリプルAで開幕。13試合で17.0イニングを投げ、ERAは7.94。BB9は8.5で未完成ではありますが、ロッキーズはMLBで投げさせることを決意したのでした。
良い時と悪い時の差が激しい豪腕。これが現時点でのライリー・ピントですが、何やらどこかで聞いたことのあるような感じですね!果たしてアスレチックスにいるあの投手とどれくらい似たものがあるのか、注目したいところです。
追記:ピント、MLBデビューで即オプション
ドラフト指名から7年、引退から2年、そして復帰宣言から1年!ピントはついに現地2023年5月17日午後、レッズ戦で待望のメジャーデビューを果たしました。
11-6とリードした展開での9回表のマウンドに立ったライリー・ピントは、先頭のジョナサン・インディアに95mphのシンカーで1Bゴロで1アウト。記念すべきメジャー初アウトです。
やはり藤浪と同じタイプだった
しかし!ニック・センゼルに明らかな抜け球で四球を与えた後、スペンサー・スティールにははっきりとわかるボールで2連続四球。スチュアート・フェアチャイルドにはど真ん中にシンカーを投げてしまい、RFオーバーの2ベースで1失点。ケビン・ニューマンにもはっきりとそれとわかるストレートの四球。ここでロッキーズはピアース・ジョンソンにスイッチ。後続を抑え、11-6で勝利をおさめました。
ライリー・ピントは0.1イニングで3BB。VTRも一瞬だけしか映りません。
とにかく、正式にMLBデビューは果たしたことは果たしました。腕の角度、抜けるボールといい藤浪投手と同じタイプでしたね。
即オプション
ロッキーズは今週末にデビューを果たすカール・カウフマンのためにロスターを空けるため、ライリー・ピントをマイナーオプションすることにしました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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