2024シーズンも全休へ
非常にショッキングなニュースが入っております。
現地2023年8月15日、タンパベイ・レイズのエース、シェーン・マクラナハン(Shane McClanahan)がトミー・ジョン手術を受けることになりました。これは地元誌のタンパベイ・タイムズが報じたものですが、手術は8月21日から始まる週に行われる予定で、投手によるフルのトミー・ジョン手術となりますので、復帰まで18ヶ月かかることが予想され、2024シーズンは全休となる見込みです。復帰は、2025シーズンのスプリング・トレーニングということになりそうです。
今季は6月半ばに11勝!
シェーン・マクラナハンはレイズの破竹の開幕ダッシュを支えた主要選手でありますが、今季の前半戦の成績は凄まじいの一言で、なんと開幕4戦で4連勝。この間のERAは1.05。
さらに初黒星は5月30日のカブス戦で、この日は珍しく味方打線が機能せず1得点しか取れなかったものですから、2失点のマクラナハンが負け投手に。
そして6月16日のパドレス戦に勝利し、この時点で15スタートで11勝1敗、ERA 2.12というとんでもない数字を叩き出していたのでした。
7月に腰を傷める
ただ、今季の勝利は上述の6月16日のゲームが最後となってしまいました。
それ以降は8月2日までの間に6試合に先発し、0勝1敗で、ERAは7.36。勝ち星から遠のいていました。
というのもシェーン・マクラナハンは、現地2023年6月22日のロイヤルズ戦で、背中のハリを訴えて途中降板。この日は明らかにベロシティーが落ちました。
この背中のハリは腰痛ということになり、7月1日に15 Day ILに入りました。
その圧倒的な成績でオールスターにも選出されたシェーン・マクラナハンは一旦はILから解除され、オールスターのベンチには入りました。しかし、ゲームには投げることはありませんでした。
オールスター後も上述のようにピリッとしない投球が続き、これはILからの復帰が早かったのでは?つまり腰がまだ本調子ではないのではないか?と思うほどの投球でした。
8月に前腕部を傷める!
ただ、8月に入り、不調の原因が判明。これはレイズは掴んでいたはずですが、公表は8月に入ってからで、3日に前腕部を傷めていたことが判明。4日には再び、15 Day ILに入りました。
その後、現地9日にはケビン・キャッシュ監督が今季の復帰は難しいと述べたあと、13日に60 Day IL入りに。そしてトミー・ジョン出術を行うことが判明した・・・という流れです。
キャリア2度めのトミー・ジョン手術
今回のトミー・ジョン手術はシェーン・マクラナハンにとってキャリアで2度目のトミー・ジョン手術となります。1度目は2016年です。シェーン・マクラナハンは2018年のレイズの1巡目指名(全体31位)ですが、アマチュア時代に1度したことになります。
彼はUSF(University of South Florida. Tampa, FL)の出身で、2016年、カレッジの1年目を全休しています。
なお、2022年は12勝8敗をマークしましたが、肩のインピンジメントで9月に2週間ほど離脱。それがなければ、2022年もサイ・ヤング候補だったと言っていいでしょう。2022年は最終的にバーランダーが獲りました。
TBのローテーションは故障者続出
レイズは最高のスタート・ダッシュを切ったものの、開幕からずっと投手陣の怪我に悩まされています。
トップ・プロスペクトのシェーン・バズは、2022年9月にトミー・ジョン手術を受け、2023年は全休。ジェフリー・スプリングスは4月にトミー・ジョン手術を必要とし、ドリュー・ラスムッセンは先月屈筋腱の手術を受けました。そして今回のシェーン・マクラナハンです。いずれも相当インパクトのある投手ばかりです。
レイズはシェーン・マクラナハン、タイラー・グラスノー、ザック・エフリンの3人を軸にローテーションを回していましたが、マクラナハンが抜けた今、グラスノーとエフリンの2人となりました。実は、エフリンもキャリアを通じて膝の故障に悩まされてきた投手ですが、今季は素晴らしい活躍を見せています。
レイズはガーディアンズからアーロン・シバーリを獲得済み。シェーン・マクラーナハンが抜けたことで、よくぞ獲得しておいたというくらい価値の高いディールになっています。
頭が痛いのは、ルーキー右腕のタジ・ブラッドリーです。素晴らしいルーキーには違いないのですが、ゲームごとの好不調が激しく、ここまでの成績は5勝7敗、ERA 5.67で、現時点ではトリプルAでの出直しの裁定を下したばかり。
よって、レイズはザック・リッテルをローテーションに入れ、ジョシュ・フレミングをILから復帰させ、ローテーションを補おうとしています。
レイズ、トラブルが重なる
レイズは現在、ワンダー・フランコの未成年者との不適切な関係というシビアな問題を抱えています。リードオフを担う核弾頭のような存在が今後どうなるかわからない状況。
今回のシェーン・マクラナハンの離脱はそれに輪をかけたような事態となりました。
現時点ではPSは安泰だが・・・
というより、マクラナハンの問題はある程度見えていた事態かと思うので、ワンダー・フランコの方が後から出てきた問題と捉えた方が良さそうです。
レイズは現地2023年8月15日のゲームを終えた時点で、72勝50敗で勝率.590でALイーストの2位。開幕から守ってきた首位の座を7月20日にオリオールズに奪われ、一旦はすぐに奪い返したものの、7月22日以降はその状況を甘んじて受け入れている状態です。
とは言え、数字だけで言えばオリオールズとは3.0ゲーム差。まだまだ挽回のチャンスはありますが、チーム事情から行くと、ワイルドカード枠でのポストシーズンということになりそうな状況。
そのワイルドカード枠も現時点では1枠目で優位ですが、2枠目のアストロズが69勝と迫っており、67勝のトロントが3枠目、それ以降のシアトルが64勝と迫っており、ボストンも63勝。ここでバタバタと崩れると3枠目も危うくなる可能性も。
マクラナハンの独特なステップ
シェーン・マクラナハンはもうすべてが一級品の投手。4シームは100mphを超え、チェンジアップとカーブは腕の振りが全て同じで、投じるコースや高さも完璧。
彼の独特なステップについてMLBネットワークでも特集していたのでご覧ください。言ってみれば蹴りが素晴らしい。
その独特な蹴りを生み出しているのは、ぎりぎりまで打者に胸を見せない意思が為せる技と言って良さそうです。最後の最後、もう一拍、体を横のままにしておいて最後に一気にターンしようとするとあの軸足のステップになるわけです。この解説はなかなか良いと思います。
2023年オフにスーパー2
シェーン・マクラナハンは2023年1月時点でMLSが1.158。今季はILに入ったとしてもMLSにカウントされますので、2024年1月には2.XXXになる見込み。
MLSは3年で調停資格、6年でFA資格となりますが、マクラナハンは2023年オフにMLS3.00未満のスーパー2の選手として調停の対象となる見込みです。
レイズはオフシーズン中に彼を40人ロースターに登録する必要がありますが、2024年の春には再度60 Day ILに戻すでしょう。彼は2024シーズンをリハビリに費やしながら、MLSのカウントを増やして行き、そしてやがて来る2027年シーズン終了後にFAステータスを得る見込みです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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