エンゼルス、ここに来て最高のゲーム運びを見せる
現地2021年10月1日、MLBも最終カードを迎えました。残すところ、この日を入れてあと3ゲーム。稀に見る白熱したア・リーグのワイルドカードに少しだけ動きが出ました。
この日のT-Mobile Park (旧セーフコ)は、マリナーズが20年ぶりのポストシーズンがかかっているということで観衆は44,169名。”Believe”と書かれた黄色いタオルを拡げて応援するお客さんでいっぱいで、まるでポストシーズンのような盛り上がりでした。
ホゼ・スアレスがゲームメイク
もう打線が好調のマリナーズの一方的な展開になるのかと思いきや、ロースコアの素晴らしいゲームとなりました。そして、いいゲームを演出したのはエンゼルスの2人のホゼ。ともに左腕で横に大きいという特徴も。
エンゼルスのスターターで大谷選手以外で、割と安定した投球を見せている一人がホゼ・スアレス。このゲームが始まる前のERAは3.86。
機能しているマリナーズ打線を相手に
今のマリナーズはどこからでもチャンスメイクが出来て、得点につなげることが出来るというとてもいいサイクルで回っています。特に、チャンスでJ.P. クロフォード、ミッチ・ハニガー、タイ・フランス、カイル・シーガーに回ってきて、彼らがいい仕事をしているという状態。とりわけ、一発のあるハニガーに回れれば、とても厄介です。
そんな機能しているマリナーズ打線を相手に、ホセ・スアレスが好投。しかし、さすがに先制点は奪われました。2回裏、2アウト後にエイブラハム・トロが出塁。これをジャレッド・ケルニックが二塁打を放って還し、まずは1-0。
マリナーズ、好調時の魔、”DP”に襲われる
しかし、ホゼ・スアレスはランナーを出しながらも粘り強く投球。特に立ち上がりの1回裏、そして先頭にシングルを許した3回裏をダブルプレーで切り抜けたのは大きかったです。結果、5回1失点でナイス・ゲームメイク。
マリナーズは上記のダブルプレーで勢いをくじかれた面もありました。好調時に襲ってくる併殺。5 イニング中、2イニングはちょっときつくなりますね。
マーシュが2点タイムリーダブル
マリナーズの先発はマルコ・ゴンザレス。80mph台のファストボールですが、とても速く見せるテクニックをもつ投手。
エンゼルスはそのマルコから3回表に、下位打線のルイス・レンヒーフォ、デービッド・フレッチャーでチャンスメイク。これをこの日、リードオフに入ったブランドン・マーシュが二塁打で還し、2-1と勝ち越しに成功します。
押せ押せで回ってきた大谷選手は申告敬遠でした。
エンゼルスは6回からマイク・メイヤーズが登板。6回裏を三者凡退に。ボールが走っていましたね。
ケイシー・サドラー(SEA)がまた好投
マリナーズは7回表に2番手でケイシー・サドラーが登板。31才のベテラン右腕は、今季絶好調で40試合に登板し、ERAが0.70。
27試合連続無失点
しかも、7月25日のアスレチックス戦でHRにより1失点して以来、7月27日から、26登板で無失点を継続(このゲーム前まで)!
この日もエンゼルス打線は手が出ませんでした。ケイシー・サドラーはこれで27登板連続無失点を継続です!
1年前はカブスからDFA
ケイシー・サドラーは2014年にパイレーツでメジャーデビュー。ものになったのは2019年にレイズに移ってから。レイズではハーフシーズンながら、19.1イニングでERAは1.86をマーク。トレードデッドラインでドジャースに移籍しました。2020年1月にカブスにトレード。2020年9月にはカブスをDFAとなり、そこをマリナーズがウェーバーでクレームオフ。その縁が今の活躍につながっているという不思議な感じもします。ハロー効果に左右されない目を持つことは大事ですね。それができればどこのクラブも苦労しないのですが。
ケイシー・サドラーを出すことで、スコット・サービス(Scott Servais)監督は流れを変えたかったと思うのですが、実際その通りに。まるで、マリナーズがリードしているかのような投球でスタジアムの雰囲気を変えました。
前のイニングで好投していたマイク・メイヤーズですが、7回裏、先頭のルイス・トーレンスに3塁打を許します。フアン・ラガレスはグラブに入れていたのですが、フェンス際の難しいプレーでファンブルしました。「キタキタキタ」という雰囲気で、つづくエイブラハム・トロに四球を出したところでエンゼルスベンチは動きました。
ホゼ・キハーダがゲームMVPの投球!
なんと言ってもこのゲームのポイントはここでした。不可能はないような状態だったマリナーズ打線を相手に、ノーアウト1、3塁での登板。犠牲フライで同点の場面です。
キハーダ、プライスのよう!
まずはジャレッド・ケルニック。キハーダはもう4シームで押しまくります。数字は94mphほどだったのですが、まるでデービッド・プライスが投げているのか?と思えるほど、ゆっくりしたリズムから速い腕のスイングでキレのいいボールを次々に繰り出し、ケルニックを三振。最後はボール球でしたね。
つづくトム・マーフィーは4球で空振り三振。そしてディラン・ムーアにはボールが先行したものの、チェンジアップを1球挟んでカウントを整えたあと、4シームで押して三振。こちらも最後はボール球。
エンゼルスにとっては大ピンチだったのですが、なんと三者三振でこのイニングを切り抜け、傾いた流れを強引に断ち切ったのでした。
これが大谷登板日にもそうしてくれていたら・・・と思うのはなしですね。
エンゼルスは8回裏はスティーブ・シーシェック、9回裏はライセル・イグレシアスが登板。ともに無失点で切り抜け、2-1とスリリングなゲームをものにしました。今季最高のゲームだったのではないかというくらいのいい展開でした。
AL WC争い
これで現地2021年10月1日終了時点でのワイルドカード争いは、ヤンキースがレイズに3-4で敗戦、レッドソックスはナッツに4-2で勝利、ブルージェイズは6-4でオリオールズ戦に勝利。
Club | 10/1-3 |
ヤンキース | vsレイズ Lose/ |
レッドソックス | @ナショナルズ WIN/ |
マリナーズ | vs エンゼルス Lose/ |
ブルージェイズ | vs オリオールズ WIN |
ということで状況はご覧の通りに。
- 1. ヤンキース:91-69
- 2. レッドソックス:90-70 (首位とのゲーム差1.0)
- 3. マリナーズ:89-71 (WC枠へのゲーム差1.0)
- 3. ブルージェイズ:89-71 (WC枠へのゲーム差1.0)
2日にレッドソックスが勝った場合、もしマリナーズが負けるとブルージェイズの結果如何に関わらず、マリナーズは敗退。レッドソックスはブルージェイズが負ければ、WC決定。
2日にレッドソックスが負けた場合、最終戦にもつれます。そして最終戦で勝敗が並んだ場合、直接対決の勝利数などで順位が決定します。それでも決しない場合は、1試合のタイブレーカー。
大谷選手
なお、2番DHの大谷選手は、CFフライ→申告敬遠→2Bゴロ→三振で3-0でした。1本でも打点が出れば、また四球が多くなりそうですが、今99打点。100打点の達成を期待したいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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