期待のライティーが復帰へ着々
エンゼルスにとって朗報です。2020年のスプリングトレーニングで肘痛を発症していたグリフィン・カニング(Griffin Canning)が、ブルペン・セッションまで回復したことがあきらかとなりました。
スプリングトレーニングで肘痛発症
現地2020年5月11日の誕生日で24才となるグリフィン・カニングは2020年2月に肘の違和感を覚えたため、MRIで検査。その結果、右肘のUCL(尺骨側副靭帯)に”chronic changes(慢性的な変化)”、つまり、投球による損傷が見られたのでした。さらに、それが関節部分への急性刺激となり、痛みを伴っていたのでした。
あわやトミージョン手術かと思われたため、さらなる精密検査を実施したところ、UCLは断裂までに至っていなかったことが判明。
断裂であればもうトミージョン手術一択でしたが、そこまでの重度ではなかったため、PRP療法で処置して様子を見ていたのでした。PRPとは”platelet-rich plasma”の略で日本語だと「多血小板血漿」で、それを患部に注射して回復させる治療方法のことです。
トミージョン手術かPRPか?
トミージョン手術かPRP療法か、あるいはセス・メイネス手術か、UCLを故障した投手が行う治療法は主に3つですが、圧倒的にトミージョン手術かPRP療法が多いです。
- ダルビッシュ投手:トミージョン手術(2015年3月手術→2016年5月28日復帰マウンド)
- 大谷翔平投手:トミージョン手術(2018年10月1日手術→2020年復帰へ)
- 田中将大投手:PRP療法(2014年7月14日注射→2014年9月21日復帰マウンド)
医学的な見知はわかりませんが、トミージョン手術かPRP療法かを選択する判断としてはUCLが断裂しているかどうかで決まることが多いです。ダルビッシュ投手は断裂。田中将大は損傷で断裂までに至っていなかった。大谷選手は損傷してPRPで一旦復帰、しかし元の箇所とは違う箇所の損傷が判明したためトミージョン手術に踏み切ったのでした。
今回のグリフィン・カニングの場合も断裂まで至っていなかったことが幸いしています。じっくり調整して新たな箇所を損傷したりしないようにしてもらいたいものです。
復帰時期は未定
グリフィン・カニングですが、注射後わりと早い時期から平地でのスローイングに入りました。今回は次なるステップということで傾斜のあるブルペンに入っての投球です。
エンゼル・スタジアムでしっかり投げていますね。大谷選手も今はここで調整中。
田中投手が注射から75日ほど経過してマウンドに復帰しましたが、これには個人差があり、グリフィン・カニングの場合、復帰時期はまだ未定です。うまく行けば濃厚となっている7月開幕に間に合うかもしれませんが、エンゼルスは大谷選手のケースもあるのでじっくり見ていくと思います。
2019年のグリフィン・カニング
グリフィン・カニングは2019年がデビュー。地元UCLA出身で2017年エンゼルス2巡目指名。
2019年は90.1イニング、18登板 (17 スタート) 、5勝6敗、 4.58 ERA。SO9は 9.6、BB9は 3.0、HR9は1.4。
とにかく投げっぷりがよいのでこの人がいるのはエンゼルスのローテーションの底上げにつながるのでぜひとも復帰してもらいたいと思います。
エンゼルス、ローテーション構築に一安心
グリフィン・カニングの復帰時期は未定なものの、エンゼルスにとってはローテーションが投手が帰ってくる可能性が高いことはこの上もなく朗報。
そもそもオフの間、FAの第一ターゲットとしてゲリット・コールを狙っていただけに、彼との未契約でだいぶ編成が変わりました。
現時点ではご覧のようなローテーション候補が。
- アンドリュー・ヒーニー(L)
- フリオ・テヘラン
- ディラン・バンディー
- マット・アンドリース
- フェリックス・ペーニャ
- パトリック・サンドバル(L)
- ホセ・スアレス(L)
- ディロン・ピータース(L)
- 大谷翔平
- グリフィン・カニング
40manに入っている先発候補が以上です。このうち1−3は決定。本来なら4番めにグリフィン・カニングを持ってきたかったところですが、彼が復帰するまではレフティーを中心に4番目に充てると思われます。
そして打者との二刀流の大谷選手は開幕から投手復帰。ローテーションとしては2巡で1度という頻度くらいになるのではないかと思われます。
いずれにせよ、グリフィン・カニングが還ってくるのは大きいです。
なお、同じPRP療法ではカージナルスのマイルズ・マイコラスも開幕に向けリハビリ中で、こちらもスローイングプログラムに入っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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