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【MLB2022】ブルワーズ、ロレンゾ・ケインをDFAに

 “mutual decision”「双方(合意の)決断」

 ショッキングなニュースが入ってきましたね。2015年のロイヤルズのワールドシリーズ・チャンプ・メンバーで、ブルワーズに移籍後はその打撃もさることながら、とりわけCFの守備でファンを魅了しつづけたロレンゾ・ケインがブルワーズからDFAとなりました。

 ブルワーズはこの決断に対して、”mutual decision”「双方(合意)の決断」と説明しており、当の本人も話し合って受け入れた決断であると報道されております。

契約のファイナルイヤーであった

 ブルワーズとロレンゾ・ケインは2018年1月に以下の契約でサイン。

  • 5年/$80M (2018-22)

 AAV(Annual Average Value)で$16M/年。支払いは均等ではなく、2022年は$18Mという内容でした。そして今季が契約のファイナル・イヤーでもありました。

通算Av. 283も今季は大苦戦の.179

 ロレンゾ・ケインがDFAとなった背景ですが、今季の打撃の苦戦が挙げられます。

 通算打率が.283と高い数字を持っているロレンゾ・ケインですが、今季はここまで43試合に出場し、145-26、打率.179、OBP .231、SLG .234、OPS .465と苦戦しておりました。

ブルワーズは最大限、敬意をもって決断

 出場した43試合中、途中出場は4試合であとはフル出場。現地2022年6月16日のメッツ戦が最後の出場になるのですが、この時点でブルワーズの消化試合数は65試合。これまでのようにほぼ全試合に出場することはなくなっていたものの、ブルワーズも可能な限り、出場機会を与えており、敬意をもって起用していたことはこのログからでもわかります。

 よって、双方ともにきちんと話し合って出した結論であったとは思います。

MLS10年が満ちるのも待つ

 また、ロレンゾ・ケインは2022年1月時点でのMLSが9.099でした。そして計算では現地2022年6月18日がちょうどMLS10年に満ちる日でした。これをもって、ブルワーズはDFAを決断したことからもその敬意ぶりが伺えます。 

 MLS10年を超えることで、年金が満額でもらえることになります。

MLSとは 

 MLSはメジャー・リーグ・サービス・タイムの略で、1年を187日でカウント。1年分を得るには、172日分の出場日数を登録する必要があります。また、ILに登録されている場合も、サービスタイムは発生。

 ロレンゾ・ケインはは2010年、2011年、2012年にメジャーとマイナーを行き来しており、MLB13年目のシーズンで10年目を迎えるために、数カ月間プレーする必要があありました。今回はそのタイミングであったということでもあります。

 なお、ロレンゾ・ケインは2020年はオプトアウトしましたが、5試合だけ出場しております。

DFA後の流れ

 2022年までの契約ですから、ブルワーズは今季分ももちろん支払います。もしも、トレードとなった場合は、次のクラブが日割り分の残額を支払うことになりますが、高額サラリーの選手がDFAとなった場合、それもほぼありません。コストがかかるからです。

 すでにマイナー・オプションもありませんので、マイナーに落とすにもウェーバー公示が必要で、これもそのままスルーされ、つまりはクリアー・ウェーバーとなり、リリース→FAという流れになることが予想されます。

 FA後にどこかとサインした場合は、サインしたクラブはメジャー最低年俸の日割り分を支払うことに。

このまま引退の噂も 

 現地2022年6月18日時点で36才のロレンゾ・ケイン。仮にFAとなった場合、どこか手を上げるクラブがあることを祈るばかりですが、どのクラブもOFは新陳代謝が激しく、若手が起用されるケースがほとんどです。

 もし、手を上げるクラブがなければ、このまま引退という決断になるかもしれません。

 ロレンゾ・ケインは、意外にもゴールド・グラブは1度しか受賞していません(2019年)。オールスター出場は2度。ワールドシリーズ・チャンプとなった2015年はMVP投票で3位を獲得。2018年においてもMVP投票で7位を獲得しています。

 レッドソックスのジャッキー・ブラッドリー・Jr.やエンゼルスのマイク・トラウトとともに外野守備の達人でもありました。今後の動向にも注目したいです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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